英国のロータスといえば、1950年代にコーリン・チャップマンという天才エンジニアが立ち上げたブランド。当初は手造りのレーシングカーを細々と制作し、販売していたが、その性能の高さで人気になった。そこで自らもスポーツカーを生産、さらにF1などモータースポーツにも積極的に参加し、名声を得た。しかしチャップマンが1982年に突然、死亡すると、経営も苦しくなり、その後はいくつかの会社に買収され、現在は中国の吉利(ジーリー)が筆頭株主になり、新生ロータスを目指している。
「エミーラ」は、最後の内燃機関スポーツカーとして2021年7月に英国で発表されたモデル。そのパワーユニットはV6、3.5Lスーパーチャージャーと直4、2Lターボ。V6エンジンはロータスが2021年まで生産していたミッドシップ2+2シーターの「エヴォーラ」と同じ。トヨタ製2GR-FEにEdelbrockのスーパーチャージャーを組み合わせている。2LエンジンはAMG製のターボだ。
試乗車は、First Editionなので、V6を搭載している。車両価格は、1573万円。ようやく2023年春から生産がはじまったモデルだ。First Editionは、いくつかのスペシャルな仕様が標準装備になっている。目立つのは20インチ超軽量Vスポーク鍛造アルミホイール。ブレーキキャリパーは標準のブラックのほかにレッド、イエロー、シルバーから選べる。ボディカラーも6色から選べ、フロント、サイドシル、リアディフューザーがブラックで仕上げられている。ライト類もLEDが標準になり、チタニウムエキゾーストテールパイプもリアパーキングセンサーも標準になる。内装も追加料金がかからず7種類から選択でき、標準装備だ。
パワーユニットのV6、3.5Lスーパーチャージャーは、これまでも「エヴーラ」や「エキシージ」にも供給されている熟成エンジン。前席の後方にタテ置きにされているのが、バックミラーを通して見える。最高出力は420PS、最大トルクは420Nm/430Nm。トルク値の違いは6速MTと6速AT用の違いだ。