ピアッジオグループジャパンは、世界中の若いライダーにとって、技術的にもスタイル的にも新基準となる全く新しい本格ライトウェイトスポーツバイク「RS 457」を日本市場に導入し、販売することを発表した。このRSの称号をあたえられた生粋のレーシングラインを備えた扱いやすく軽量でパワフルな「RS 457」は、水冷DOHC4バルブのパラレルツインシリンダーエンジンと、アルミニウム合金製フレームにライド・バイ・ワイヤ、調整可能なトラクションコントロール、3つのライディングモードを備えたフル電子制御パッケージなどの洗練された装備を誇る。
また、アプリリアのMotoGPマシンである「RS-GP」のグラフィックを彷彿とさせる、黒、赤、紫を巧みに組み合わせたカラーを採用し、さらに、フロントエンドを強く特徴づけるウィングレットのapriliaロゴや、フロントホイールリムの赤いストライプなど、GPマシンからインスピレーションを得たデザインも魅力となっている。
新型「RS 457」のスタイリングは、バイクの歴史を築いたスーパースポーツバイクである伝統のRSシリーズを踏襲しており、特に空力的な機能を有し、未来的な形状のダブルフロントフェアリングを2020年に初めて導入した「RS 660」が切り開いた革新的な道をたどっている。その結果、アプリリアのスタイルを特徴付けるウィンカーを内蔵したトリプルフルLEDヘッドライトユニットからはじまるスリム化されたフロントエンドが、軽快でダイナミックな印象を与えるバイクが誕生した。
そして、まさにそのヘッドライトユニットの中心から、数多くの風洞実験とCFDシミュレーションを通じて導入されたMotoGPプロトタイプマシンを彷彿とさせる2つのエアロエレメントを経て、ダブルフェアリングへと通じている。実際、小型エンジンのバイクでは、空気力学が重要な役割を果たしており、車体のコンパクトさを高めるために、なだらかな表面を採用すると同時に、効率的な形状を実現する必要がある。「RS 457」のダブルウォールフェアリングには、スリット状のスプリットと、フレームに接続する特殊なスポイラーを採用し、走行風圧とエンジンやラジエーターからの熱気を逸らし、ライダーの快適性を高めている。
そしてライディングポジションは、ステアリングトップブリッジの上に取り付けられたセパレートハンドルバーと、低めにセットされたステップにより、スポーティなポジションでありながら街乗りでの快適性を完璧にバランスさせている。燃料タンクの形状もライダーの胸部とヘルメットにフィットするようにデザインされており、バイクとの完璧な一体感に貢献している。そのため、いかなる身長のライダーであっても、最大限のコントロール性とリラックスした ポジションを提供する。
さらに「RS 457」のスポーティでダイナミックなボディラインは、2 in 1エキゾーストの取り回しにも大きく影響しており、エンジン下部のサイレンサーはアンダーカウルと一体化しているかのように美しく収められている。これによりバイ ク後部のデザインに自由度が増し、リアステップブラケットの位置を適切に配置できるようになった。わずか800mmの低いシートは、地面にしっかりと足がつくように細い形状となっている。
また洗練されたテールフェアリングには、LEDリアライトユニットが組み込まれ、側面の2つのウィングレット形状のグラブハンドルが特徴的。広いパッセンジャーシートは、アクセサリー(別売り)のシングルシートカウルに交換が可能となっている。
「RS 457」は、新しい超近代的なツインシリンダー エンジンを軸に構築されており、その排気量である457ccが、このプロジェクトにおける中心的な役割の証として、新しいイタリアンスポーツバイクの名前にその数字が与えられている。この新しいパワーユニットは、水冷DOHC4バルブ並列2気筒エンジンで、9,400rpmで最高出力35kW(47.6HP)に達する。これはA2ライセンスで運転できる最高出力の上限。また、6,700rpmで43.5Nmのトルクを発生し、3,000rpmで既に最大トルクの82%を発生させる。この最新世代のパワーユニットはコンパクトかつ軽量で、アプリリアの設計者にとって最優先目標である、非常に優れたパワーウェイトレシオの達成にも貢献している。実際、バイクの乾燥重量は、159kg で、フルード類や90%の燃料を搭載した際の車両重量を175kgに抑える事に成功した。
また「RS 660」と同様に、エンジン設計時のレイアウトは、軽量かつコンパクトな寸法を最適化するために選択され、シャーシ設計の面で大きな自由度が与えられる。エンジン後部にはスイングアームピボット機能も備えており、コンパクト化と車体全体の軽量化に貢献している。このアプリリアの新しいツインシリンダーユニットは、「RSV4」に搭載されたパワフルな1100cc V4エンジン、そして RS、Tuono、Tuaregの660シリーズ全体に搭載された659ccツインシリンダーユニットから得られたすべてのノウハウを活用して新たに設計されている。アプリリアのエンジニアは、確固たる技術基盤を基に、体積の最適化、冷却水のバイパス回路と、ブローバイの回路をエンジンに完全に統合し、エンジンの外部からホース類を極力見えなくすることに取り組んだ。クランクケースは水平方向に2つに分割されており、さらに容積が削減され、より堅牢な構造が実現している。
さらに、内部摩擦を最小限に抑えるために、さまざまなソリューションが採用された。シリンダーは、クランクシャフトに 対して6.5mmオフセットされており、ピストンによるの押し込み摩擦を軽減。カウンターシャフトとウォーターポンプにはメタルブッシュではなくニードルベアリングを採用し、ピストンピンにはDLC(ダイヤモンド・ライク・カ ーボン)コーティング処理が施されている。ギアボックスはシンクロギアのシャフトにもブッシュではなく、アプリリアV4エンジンと同じくローラーベアリングを使用し、さらにギアボックスのフォークアクスルには、特許取得済みの統合された潤滑システムを採用している。
またサイドカムチェーン駆動によって制御されるカムシャフトは中空で、バケットタペットを使用してバルブ駆動時の慣性を低減している。湿式多板クラッチはアシスト機能付きで、スリッパーシステムも備えている。エンジンのレスポンスは、ライド・バイ・ワイヤ電子制御マルチマップスロットルによる、3つのライディングモードからの選択が可能となっている。メーカー希望小売価格は858,000円(税込)。
エンジン形式:4ストローク水冷並列2気筒DOHC4バルブ
総排気量:457cc
ボア×ストローク:69mm×61.1mm
最高出力:47.6HP (35kW) / 9,400rpm
最大トルク:43.5Nm/ 6,700rpm
燃料供給方式:電子制御燃料噴射システムΦ36 mmツインスロットルボディライド・バイ・ワイヤ アクセルマネージメントシステム
潤滑方式:ウェットサンプ
始動方式:セルフ式
トランスミッション:6速リターン(アプリリアクイックシフトUP/DOWNをオプション設定)
クラッチ:アシスト及びスリッパ―システム付き湿式多板クラッチ
フレーム:ダブルスパーアルミニウム製フレーム
サスペンション(F):Φ41mmテレスコピック倒立フォーク スプリングプリロードアジャスタブル
ホイールトラベル120mm
サスペンション(R):スチール製スイングアーム モノショックアブソーバースプリングプリロード調整式 ホイールトラベル130mm
ブレーキ(F):320mm径ディスク、ByBre製ラジアルマウント32 mm 4ピストンキャリパー
ブレーキ(R):220mm径ディスク、ByBre製 1ピストンキャリパー
全長/全幅:1,982.5mm/760mm
シート高:800mm
ホイールベース:1,350mm
タイヤ(F):110/70ZR17 アルミ製ホイール3.0”×17”
タイヤ(R):150/60ZR17 アルミ製ホイール4.5”×17”
重量:装備重量175kg (燃料90%搭載時)、乾燥重量159Kg
燃料タンク容量:13L
生産国:インド