ジャガーTCSレーシングは、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10第5戦、チームにとって記念すべき100戦目となる東京E-Prixにおいて、ニック・キャシディ選手が戦略的なドライビングで、19番グリッドから8位まで順位を上げ、貴重なポイントを獲得した。一方、ミッチ・エバンス選手は、厳しい展開に耐えながら15位でレースを終えた。
クオリファイセッションでは、ジャガーTCSレーシングの両ドライバーはグループAからの出走となった。ニック・キャシディ選手はデュエルに進出したものの、テクニカル違反によりファステストラップが抹消され、19番手からのスタートとなる。ミッチ・エバンス選手はグループステージを5位で終え、僅差でトップ4入りを逃した。
そしてデュエル終了時点でミッチ・エバンス選手は6位につけていたが、セッション中に他車の走行を妨害したとしてペナルティが課せられ、その結果3グリッド降格となり、初の東京E-Prixでは9番手スタートとなる。
19番グリッドからスタートしたニック・キャシディ選手は、チームのサポートを受けながら落ちついたドライビングを披露し、9位でチェッカーを受けた。レース後、エドアルド・モルタラ選手(マヒンドラ・レーシング)が失格となったため、最終的に8位へと昇格した。
一方、ミッチ・エバンス選手はチャレンジングなレースを展開した。オープニングラップで2つ順位を落とすも、慎重にエネルギーを温存しながらレースを進めていった。初めての東京のコースは、オーバーテイクが難しく、ロビン・フラインス選手(エンヴィジョン・レーシング)と軽い接触をしてしまい、ノーズ交換のためにピットインを余儀なくされてしまった。18位でコースに復帰し、セーフティカーの導入などもあり、最終的に35周のレースを15位でフィニッシュした。
ジャガーTCSレーシングは、東京でのチャレンジングな日を終えて、チーム・ランキングで2位に17ポイント差の首位をキープし、ドライバーズ・ランキングではニック・キャシディ選手が2位、ミッチ・エバンス選手が6位につけている。
ジャガーTCSレーシングの次戦は、2024年4月13日、14日に開催されるABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10 第6戦、第7戦、ダブルヘッダー開催となるイタリアでのミサノE-Prixに挑む。
「まず第一に、東京でレースができたこと、そしてABB FIAフォーミュラE世界選手権の100戦目のレースを完走できたことを大変光栄に思います。残念ながら、今日はいくつかの問題があり、我々にとっては厳しい1日となりました。基本的にパフォーマンスは悪くなかったのですが、思うような結果を残すことができませんでした。
ニックが19番手スタートからポイント圏内の8位まで順位を上げたレース展開はとても印象的ですし、彼とチームは素晴らしい仕事をしてくれました。このポイントはチャンピオンシップにとって貴重なものです。ミッチは、9番手からジャンプアップする絶好のチャンスをうかがっていたのですが、運悪く後続マシンに追いつかれてしまいました。ここ東京はオーバーテイクがとても難しいコースで、今回は苦戦しました。マシンのパフォーマンスを最適化できない厳しい日もありますが、今日の『I-TYPE6』がまさにそうでした。改善して次のミサノでのレースに挑みたいと思います」
「今日はチャレンジングなレースでした。この東京のようなコースでは、すべてのオーバーテイクにハイリスクがともないます。ポイント圏内でフィニッシュできるパフォーマンスはあっただけにそれが実現できなかったのは残念です。我々には上位を走るためのすべての要素が揃っているし、そのためにチームも懸命に取り組んでくれています。ミサノではいいレースをみせたいと思います」
「今日はチームが本当に素晴らしい仕事をしてくれました。マシンは本当に速かったです。デュエルには進出できましたが、状況的にそれを最大限に生かすことはできませんでした。レースでは最後尾からのスタートでしたが、落ち着いて走ることができ、最終的にポイントも獲得できました。この好調さをキープして次のミサノでは表彰台を狙いたいと思います」