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2025.06.18

BMWをお洒落に乗りこなしたい人に勧めたい「420i グランクーペ M Sport」の魅力

BMW

 BMWの「4シリーズ」は2013年に誕生した新しいシリーズ。ベースになったのは、プレミアムコンパクトセグメントでスポーツセダンの代名詞にもなっている「3シリーズ」。その派生モデルとして登場した。当時のマーケティングで「3シリーズ」は4ドアセダンやツーリングと呼ばれるステーションワゴンのシリーズとして、2ドアクーペやカブリオレ・グランクーペという遊び心の強いモデルを「4シリーズ」と名付けたのだ。2013年に初代が登場し、2020年に2世代目へと進化した。最新型は2024年6月に一部改良を受けたモデルだ。

0-100km/h 7秒台の実力、直4ターボの“万人向け”でクセのない走り

 スタイリングの基本は変わっていないが、ヘッドライトは新デザインのLEDヘッドライトを採用している。さらに試乗車はオプションとして赤くペイントされたMスポーツブレーキ、黒で塗装されたリアスポイラーを装着。グリル周辺のメッキ部分はブラック塗装を施し、迫力を増している。

 パワーユニットは直列4気筒、ガソリンターボ。排気量は2.0L、最高出力184PS、最大トルク300Nmが今回のモデル用。この他に直6、3.0Lガソリンが、上級スポーツモデルの「M440iクーペ XDrive」もラインアップしている。こちらはメルセデスのAMG、アウディのS-Lineのようなスポーティーさを追い求めたモデルだ。このモデルは後日、詳しく書くことにする。

「420iグランクーペ」のミッションは8速AT。ドライブモードは「スポーツ」「コンフォート」「エコプロ」を選べる。まずは「コンフォート」モードでスタート。直4ガソリンエンジンは音、振動ともに小さく、室内への侵入が抑えられている。エンジン音は、車体のはるか先方でちょっとだけ音を発しているかのよう。「420iクーペ」の遮音性は、最近のBMW車の中ではかなりレベルが高いように感じる。トルクは1800~2000回転あたりからアクセルレスポンスが良くなってくる。

8速ATは100km/hで、8速にようやくシフトアップされる設定でエンジン回転は1200回転。日本での高速道路をのんびり走っている時は、7速止まり。8速には入ってくれない。その7速は1800回転なので、巡航中にアクセルを踏めば、即座に反応してくれる。0→100km/hの加速は7秒台。このとき直4エンジンは6200回転あたりまで上昇し、シフトアップした。エンジンの回転計は、6500回転からレッドゾーンで、7500回転スケールなので、ATのシフトアッププログラムは、エンジン特性とマッチしている。

 ハンドリングは、「コンフォート」モードではやや重めの操舵力を低速から高速までキープする。乗り心地もゴツゴツ感やザラザラとした感覚は抑えられている。高速での上下動もマイルド。目地での突き上げも少なかった。装着しているタイヤは、ミシュランの「パイロットスポーツ4S」。サイズはフロントが225/40R19、リアは255/35R19だった。

 ハンドリング、乗り心地に関しては「スポーツ」モードに切り換えると、低速域では上下動が硬めになり、ゴツゴツ感も強くなる。高速での上下動もキツめだ。明らかにモードにより、乗り心地とハンドリングの特性は変わっている。街中では「コンフォート」、高速巡航も、乗り心地重視なら「コンフォート」の選択をすすめる。ワインディングをスポーツ走行するなら「スポーツ」モード、2駆での軽快な走りを楽しむことができる。この時、直4、184PS、300Nmの性能は、バランスが良く、万人向けのクセのない走りを楽しむことができる。

スポーティーさと快適性の黄金比

 燃費は、全試乗を通して、9~11km/Lをキープしていた。カタログ燃費13.5km/L(WLTCモード)には届かなかった。あと1割程度の燃費減少を期待したいところだ。クーペの居住性だが、フロントシートはややAピラーが顔に迫ってくる印象はあるが、着座位置も低めで、頭上のスペースも確保されている。

リアシートは座面中央が盛り上がり、乗車定員も左右2名。着座は低めで、頭上スペースを確保しているので身長170cmまではOK。リアウインドウもギリギリで頭上には達していない。フロントのハイバックシート背もたれが目の前にドンッとあるが、シート下にツマ先も入るので、近距離のドライブなら、なんとか耐えられそうだ。背もたれの中央部はアームレストを兼ねているが、この部分だけ可倒するのも使い勝手がよかった。長尺物を収納しながら、左右に乗員が座ることができる。

 トランクスペースもハッチゲートを開けると、奥行きは約1m、左右幅も1m近く、ゲート手前側は左右側面に深さ10cmほどのポケットがある。トノカバーは約69cmと低い。ただし、床面が開口部から約15mm下なので、重量物の出し入れはやりづらかった。「4シリーズクーペ」は第2世代に変わったときに最新世代の安全機能・運転支援システムが搭載されている。改良モデルもそれは引き継がれており、標準装備のデジタルキーは、車両のキーを持っていなくても、対応のスマートフォンをドアハンドルにかざすだけで施錠と解除ができるほか、エンジンの始動も可能になった。

 このクラスの2ドアクーペはほかにメルセデス・ベンツの「CLE」ぐらいしか販売されていない。国産車も少ないクラスだが、プライベートでおしゃれに乗りこなせる数少ないクルマとして知っておきたい。

■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/4-series/gran-coupe/bmw-4-series-gran-coupe.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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