「自動車の購入は恋愛に似ている」という人がいる。確かにどちらもタイミングが大切。そして1台を長く愛でる人や次々と新しい出会いを求めていく人もいて、かなり当たっていると思う。今回、紹介するGucciさんは、名だたるスポーツカーやプレミアムブランドの車を乗り継いでいる。しかし約19年前に手に入れてから、ずっと傍らにあるのが2004年式のアストンマーティン「V12ヴァンキッシュ」だ。
Gucciさんの所有するアストンマーティンの初代「V12ヴァンキッシュ」は、2001年~2007年に販売されたアストンマーティンのフラッグシップモデル。カーボンファイバーとアルミニウムを採用した軽量のプラットフォームに職人による叩き出しのアルミパネルを外装に採用している。
搭載するパワートレインは、最高出力450ps、最大トルク56.7kg-mを発生する6LV12DOHCエンジン+シングルクラッチのセミ6速ATが組み合わされている。駆動方式はFRで、ハイパワーをしっかりと路面に伝えるため、フロントタイヤは255/40ZR18、リアタイヤは285/40ZR19と前後異なるサイズとなっている。
もともとは、アストンマーティン「V8」を考えていたGucciさんだが、偶然ショップで見かけた「V12ヴァンキッシュ」にひと目惚れして購入したという。これまでひと目惚れして購入することはあったのかという問いには、女性に対してもひと目惚れすることはほとんどないのに、この「V12ヴァンキッシュ」だけはひと目見たときに衝撃が走ったとのこと。それが19年も所有するきっかけとなったのかもしれないと話す。
「V12ヴァンキッシュ」のどこにひと目惚れしたのかと尋ねると、まずはアストンマーティンのアイコンでもあるグリル。そして職人が作り出した唯一無二のスタイリングと答えてくれた。Gucciさんの「V12ヴァンキッシュ」は、20年が経過した車とは思えないほど艶やかで、時間の経過をまったく感じることがない。グリーンとベージュの内装は、今見ても非常にモダンで、ナビゲーションを装着した以外はフルノーマルの状態をキープしている。
Gucciさんは、この「V12ヴァンキッシュ」以外にも様々な車を所有していており、そのラインアップにはホンダの「シティターボII」も。どういう基準で車を購入しているのかと尋ねるとひと言。自分が乗って似合うかどうかだと答えてくれた。それは身の丈に合うというのではなく、自分がドライバーズシートに座ったときに、車との一体感、馴染むかどうかということで選んでいるという。だから逆に統一性がないというのがGucciさん流の車選びなのだ。
撮影したガレージは、Gucciさんが所有する車を保管するためだけでなく、車仲間を呼んでパーティなどを開くために作った大人の秘密基地。修理のため、工場に入っている車もあるためすべてを並べたことはないと話すが、勢揃いした時はどれだけ壮観な空間になるのだろうかと想像しただけでワクワクしてしまった。
取材・文/萩原文博