ロールス・ロイス・モーター・カーズは、ハイキングやアウトドアを愛する、あるオーナーの想いを形にしたブラック・バッジ・カリナン・シリーズIIの最新のビスポーク・コミッションとなる世界に一台だけの「カリナン・デイジー」を発表した。ハイタトラス山脈にある、オーナーお気に入りのハイキングコースに広がるデイジーの花畑からインスピレーションを得た「カリナン・デイジー」は、様々な環境の中でも力強く咲き誇るデイジーの、たくましさと粘り強さを象徴している。アウトドアおよびアドベンチャー用品の分野で成功を収めた個人によって依頼されたこの1台は、その成功への歩みを映し出す。

デイジーの花はコーチラインのモチーフとしてあしらわれ、パウダーブルーのエクステリアに描かれた一本のコーチラインと美しく調和するように、細部まで丁寧に手作業で描かれている。その繊細な色使いは、ブラック・バッジ特有のダークトーンのパンテオン・グリル、スピリット・オブ・エクスタシー、エクステリアのブライトワークとの印象的なコントラストを生み出している。

インテリアにおけるデイジーのモチーフは、フロント・フェイシアとリアシートの間のウォーターフォール・セクションにあしらわれている。ブラックウッドの表面にはサンドブラスト技術を用い、細部に至るまで丁寧にこのデザインが施されている。この加工では、木材に精密なブラスト処理を加え、微細な鉱物粒子をベニヤに噴射し、表面のごく薄い層を精緻なエッチングで削り取る。光と影が交錯することで立体的な効果が生まれ、仕上がった表面の視覚的な魅力がより一層際立ちつ。

さらにブラックウッドのベニヤには、インテリアを彩る繊細な3色のカラーパレットが組み合わされている。メインとなるフリート・ブルー（Fleet Blue）のレザーは、ロータリー・コントロールからBピラー、Cピラーへ広がっている。これにセルビー・グレー（Selby Grey）とブラック（Black）のレザーが組み合わされ、フリート・ブルーのシート・パイピング、セルビー・グレーのコントラスト・ステッチ、そしてヘッドレストのモノグラムがアクセントを加えている。そしてインテリアの仕上げとなるのが、デイジーのデザインをあしらったビスポークのイルミネーテッド・トレッドプレートとなる。

雨の中で咲く花「ビスポーク・アンブレラ」

そしてデイジーのモチーフは、カリナンのリア・コーチドアに隠されたビスポーク・アンブレラの内側にも施されている。この遊び心のあるパターンはアンブレラの内側のみに施され、雨の日に咲く満開のデイジー畑の雰囲気を想起させる。

天空への窓「ビスポーク・スターライト・ヘッドライナー」

カリナン・デイジーには、北半球の夜空に輝く4つの代表的な星座を映し出す、特別にあつらえたビスポーク・スターライト・ヘッドライナーが備えられている。北斗七星を含むおおぐま座、北極星を含むこぐま座、明るく輝くカストルとポルックスが特徴のふたご座、そして赤色巨星アルデバランとプレアデス星団で知られるおうし座が、車内の天井にきらめく。そして、カリナン・デイジーのオーナーは以下のようにコメントしている。

「アウトドアへの愛情は、私の個人的な情熱、そして専門分野における成功の両方を支えてきました。このビスポークのインスピレーションは、ハイタトラス山脈にある、私のお気に入りのハイキングコースで見かけたデイジーの咲く野原から生まれました。心を整えたいときに、私が何度も足を運ぶ場所です。この小さな花が持つ美しさだけでなく、自然の厳しさのなかでたくましく咲き誇るその強靭さには常に驚かされます。私はカリナン・デイジーを、強さと静寂のバランスを保ち続ける、しなやかな強さの象徴として描きました」

また、ロールス・ロイス・モーター・カーズ ビスポークデザイン担当ゼネラルマネージャーのマルティナ・スターク氏もコメントを寄せている。

「このビスポーク・コミッションでは、自然のモチーフをいかに職人技と素材によって表現するかという、大きな挑戦が課せられました。繊細なエッチングが施されたブラックウッドから、アンブレラの内側にさりげなく配されたデイジーのディテールに至るまで、予想外のテクスチャーとまったく新しいカラーパレットを駆使して、お客様の特別な物語を形にしました。カリナン・デイジーは静かな自信を湛え、豊かな象徴性を携えながら、現代的な仕上がりになっています。また、控えめで思慮深いコントラストを通じて感情を捉えるという、新たなビスポークの言語を体現しています」

関連情報：https://www.rolls-roycemotorcars.com/ja_JP/bespoke/discover.html

構成／土屋嘉久