ポルシェジャパンは、新型911カレラTの予約受注を2024年10月30日より開始した。
ポルシェの911カレラTは俊敏性、軽量設計、感動的なサウンドスケープ、そして6速マニュアルトランスミッションに重点を置いたクルマ好きとって理想的なモデルとなる。今回の新型911カレラTには、初めてカブリオレも用意されており、カレラT専用にカスタマイズされた装備パッケージがスタイリッシュな個性を演出してくれる。
モデル名の「T」は、ツーリングを意味し、ポルシェでは1968年に911 Tがツーリングカーとしてホモロゲーションを取得したときまで遡る。初代911 Tは1973年まで生産された。2017年以来、911カレラTはカレラとカレラSの間に位置するモデルシリーズと位置づけられている。純粋なドライビングプレジャー、俊敏なハンドリング、感動的なサウンド、そして後輪駆動スポーツカーの本質を追求したのが、911カレラTとなる。
911カレラTは、3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力は290kW(394PS)、最大トルクは450Nmとなる。標準装備の6速マニュアルトランスミッションが駆動力をリアアクスルに伝達。シフトダウン時には、エンジンとギアボックスの回転数差を自動的かつ特別に補正するオートブリッピング機能を選択することができる。
標準装備のスポーツクロノパッケージを装着した場合、100km/h加速をカレラTクーペは4.5秒(カブリオレでは4.7秒)で到達。最高速度は295km/h(同293km/h)となる。さらに、先代モデルに比べてパワーが向上したのに伴いカレラのブレーキシステムも大型化され、ブレーキディスクの直径は350mm、フロントには6ピストン固定式キャリパーが装備されている。車内断熱の低減やオートブリップ機能との組み合わせにより、標準装備のスポーツエグゾーストシステムは、特に感動的なサウンドスケープを生み出す。
トラックプレシジョンアプリを含むスポーツクロノパッケージは、これまで同様に911カレラTの標準装備となる。さらにポルシェは、このモデルに初めてリアアクスルステアリングを標準装備し、フロントアクスルにはよりダイレクトなステアリングレシオを組み合わせることでハンドリングを大幅に最適化している。これによりステアリングがよりダイレクトに反応すると同時に、安定性も向上。このリアアクスルステアリングのチューニングは911カレラT専用に開発された。
また10mm低く設定したPASMアダプティブスポーツサスペンションも標準装備され、カレラTの走りをより俊敏にするためにモデル特有のスポーティなチューニングが施されている。標準装備のリアアクスルステアリングと911カレラT専用に最適化されたエアロダイナミクスバランスによって、フロントおよびリアアクスルのアンチロールバーをニュートラルなハンドリングへとチューニングすることが可能になった。なお911カレラTには、20/21インチのカレラS軽合金製ホイールを装着。フロントタイヤは245/35 ZR20、リアタイヤは305/30 ZR21となる。
911カレラTは、シリーズのほかのモデルとは異なる数多くの特徴を備えている。三角形のリアウインドウには、シフトパターンのロゴが入ったステッカーが貼られ、マニュアルシフトを採用した純血主義のモデルであることがわかる。またリアのモデルロゴは、コントラストカラーのバナジウムグレーとなり、リアリッドグリルのインレイ、エクステリアミラーのアッパーおよびロアトリム、機械研磨仕上げの軽合金製ホイールは同色のバナジウムグレーメタリックで塗装されている。カレラTのもう一つの特徴は、911カレラGTSから採用された空力的に最適化されたリップスポイラー。
カレラTのレジェンドカラーには、シェードグリーンメタリック、クレヨン、スレートグレーネオのボディカラーが用意され、ドリームカラーには、ガーズレッド、ルガーノブルー、ゲンチアンブルーメタリック、カルタヘナイエローメタリックのボディカラーが用意されている。シェードカラーは、より落ち着いたジェットブラックメタリック、GTシルバーメタリック、アイスグレーメタリックから選ぶことができる。コントラストは、ソリッドカラーのブラックとホワイトを提供し、ペイント・トゥ・サンプルおよびペイント・トゥ・サンプルプラスプログラムでは、さらに多くのボディカラーが用意されている。なお911カレラTカブリオレのトップは、オプションでブラック、レッド、ブルー、ブラウンの4色から選ぶことができる。
スポーティなブラックにコントラストカラーのステッチ(オプション)を施したカレラTのインテリアは、Tモデルらしいピュアな印象。ダッシュボードでひときわ目を引くのは、標準装備のスポーツクロノパッケージのストップウォッチ。数多くの特別なディテールが、マニュアルスポーツカーとしての911カレラTの独自性を強調している。短いシフトレバーの上部にはオープンポア仕上げのウォルナット積層木材ギアノブが装備され、見た目とともに手触りでも特別な体験を提供。
ギアレバーの前には“MT”(マニュアルトランスミッション)のロゴ入りバッジが付いている。また、ダッシュボードの助手席側にはシフトパターンのロゴがプリントされている。標準装備には、レザー張りヒーテッドGTスポーツステアリングホイール(モードスイッチ付)も含まれている。さらに、Race-Texステアリングホイールも用意。ダッシュボードとセンターコンソールの装飾インレイはバナジウムグレー、ドアパネルのインレイはブラックブラッシュアルミニウムとなる。
そしてスポーティなインテリアにふさわしくカレラTには、ブラックの4way電動調節式スポーツシートとSport-Texシートセンターが標準装備されている。なおインテリアのタータンチェック柄は、911カレラT専用となる。さらにヘッドレストには、911ロゴを刺繍。そのほかアダプティブスポーツシートプラス(18way調節機能付)または特に軽量なフルバケットシートをオプションで選択できる。
911カレラTの特別感は、エクステリアとインテリアのカレラTデザインパッケージによってさらに強調される。ポルシェのクラシックカラーであるゲンチアンブルー仕上げが印象的なカラーコントラストを生み出す。エクステリアでは、リアリッドのインレイ、フロントおよびリアリッドとドアのCarrera Tデカール、MTステッカー、前面をグロス加工した軽合金製ホイールにこのカラーが使用される。エクステリアミラーのアッパーシェルはブラックとなる。
さらに標準装備のブラックステッチの代わりにゲンチアンブルーのコントラストステッチがインテリアを引き立て、シートにもゲンチアンブルーのコントラストストライプが施されている。シートベルト、センターコンソールとドアパネルのトリム、ヘッドレストのコントラストインレイと911の刺繍ロゴも同色となる。
関連情報:https://www.porsche.com/japan/jp/models/911/carrera-models/911-carrera/
構成/土屋嘉久