ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、ディフェンダー史上最もダイナミックな新型「OCTA(オクタ)」を発表した。日本市場には「オクタ」130台、生産初年度のみの設定となる「オクタ エディション ONE」は90台の合計220台を導入するとしている。
この「OCTA(オクタ)」という名称は、地球上で最も硬く、最も人々を魅了する鉱物であり、特徴的な外観と耐久性を有する8面体(octahedron)形状のダイヤモンドに由来する。この形状からインスピレーションを得た「オクタ」は、強靭さや弾力性、人目を引く魅力、希少性や価値を象徴している。
すべての「オクタ」の各シグネチャー・グラフィック・パネルには、機械加工とサンドブラスト仕上げを施したチタニウムディスクにグロスブラックの菱形のロゴをはめ込んだ、新たな丸形のダイヤモンド型グラフィックをまとっている。
なお生産初年度のみ設定する限定グレード「オクタ エディション ONE」の専用装備として、新たなエクステリアカラーのフェローグリーン、カーキおよびエボニーのUltrafabricsTM PUおよびシームレスニットのインテリア、チョップドカーボンファイバーの新しいディテール、20インチ鍛造アロイホイール、オールテレインタイヤなどがある。
この新型「オクタ」は、7月11日から14日に開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024で一般公開される予定で、受注はまもなく正式に開始となる。
新型「オクタ」は、従来のディフェンダーを凌駕するパフォーマンスを発揮。そのパワートレインには、最高出力635PSの4.4リッターV型8気筒ツインターボガソリンエンジン(MHEV)と、ハイレンジからローレンジまでをカバーする8速オートマチックトランスミッションを組み合わせ、史上最もパワフルで究極のディフェンダーが誕生した。22インチの軽量アロイホイールとオールシーズンタイヤを選択すると、最高速度は250km/hにまでに達する。
さらに最大トルク750Nm(ダイナミックローンチモードを選択時は最大800Nm)と、傑出したオールテレイン走破能力に合わせたチューニングにより、新型「オクタ」は0-60mph加速を3.8秒(0-100km/h加速は4.0秒)、ピークトルクは1,800回転から約6,000回転近くまで発揮し、卓越したドライバビリティも提供する。
今回、油圧連動式6Dダイナミクスサスペンションテクノロジーをディフェンダーで初めて採用した。ハードウェアとジオメトリーを大幅に変更し、より進化させており、オンロードでもオフロードでも、妥協のないドライビングが可能となっている。
「オクタ」の車高は28mm高く、スタンスは68mm広くなっている。これにより優れた最低地上高と安定性を確保した。より長く、強化されたウィッシュボーンや、独立したアキュムレーターを持つ独自のアクティブダンパーなど、改良版サスペンション・コンポーネントにより、オフロードではホイールアーティキュレーションを最大化し、オンロードではロールを抑え、いかなる路面においても、他に類をみない信頼感と制御性を確保する。また、ブレンボ製キャリパーを備えた400mm径のフロントディスクブレーキと、従来のディフェンダーよりもクイックなステアリングレシオにより、俊敏かつ正確な応答性も特徴となっている。
さらに再設計したバンパーによりアプローチアングルとデパーチャーアングルを向上させ、同時に強靭なアンダーボディプロテクションを備えており、ドライバーは自信をもって悪路走行に挑むことができる。そして、渡河水深は最大1mに進化し、従来のディフェンダーを上回っている。
この「オクタ」の性能や強靭性を前人未到の領域に到達させるために、高速オフロードおよび高速オンロードでの耐久性など、13,960回超の追加のテストを含む、特別な試験・開発プログラムを作り上げた。
油圧連動の連続可変セミアクティブダンパーの先進的なネットワークは、オンロードでのピッチと車体のロールを実質的に排除し、6Dダイナミクスサスペンションシステムも、かつてないほどの快適性と洗練性の実現に貢献。悪路では、6Dダイナミクスサスペンションがより大きなホイールアーティキュレーションを可能にし、過酷な障害物にも対応できるため、さらに遠くまで、そして快適に冒険に出かけることができる。
そして、どの路面を走行しているのかを自動的に検知し、それに合わせてダイナミックセッティングを最適化する。デフォルト設定のコンフォートモードに加えダイナミックモードでは、ステアリングに配置した透明なシグネチャーロゴボタンを一度押すだけで、車両のステアリングやアクセル、サスペンションのセッティングを調整し、オンロードでのパフォーマンスに特化した究極の体験を提供してくれる。
さらに、このボタンを長押しすると、OCTAモードにアクセスできえう。これはディフェンダー初のオフロード走行時のパフォーマンスに特化した専用モードとなり、究極のコントロール性能とドライバーの信頼性を確保するために特別に開発された。このOCTAモードでは、滑りやすい緩い路面での最適な加速を実現するオフロードローンチモードも使用できる。トラクションコントロールの設定をTracDSCまたはDSCオフにすると、独自のオフロードABSキャリブレーションが作動し、滑りやすい路面での最適なブレーキ性能を発揮する。
なお、よりテクニカルなオフロード走行時は、ディフェンダーファミリーのテレインレスポンスの各モード(砂地、泥/轍、草地、砂利、雪、岩場に特化したキャリブレーション)を指先ひとつで簡単に選択できる。そして、ボンネット下の映像を車内中央のスクリーンに表示し視認できる、ClearSightグラウンドビュー2のようなオフロードドライバーエイドがサポートしてくれる。
「オクタ」の大胆で新しいエクステリアは、ディフェンダーの堂々とした存在感とオールテレイン走破能力をさらに強化している。「オクタ」には、これまでで最大の33インチ径のタイヤを装着するが、オフロードに最適なフロントボディワークを補完するべくより大きなホイールアーチにする必要があった。そして、ボンネット下により多くの空気が流れるようにした独自のグリルデザイン、4本出しのアクティブエキゾーストシステムを組み込んだ新しいリアバンパー、グラファイト仕上げのアルミニウム合金フロントアンダーシールドを含む強靭なアンダーボディプロテクションを組み合わせている。
また「オクタ」のカラーパレットには、ペトラカッパーとフェローグリーンという2つの新たな専用プレミアムメタリック仕上げを追加し、カルパチアングレイ、シャラントグレイと合わせて全4色展開となる。そして、すべてに光沢のあるナルヴィックブラックのコントラストルーフとテールゲートを装備。そのほかにも、過酷な環境下でもボディを保護し、特徴的なシルエットと洗練されたサーフェスを際立たせる、マットプロテクティブフィルムもオプションで選択できる。
なおフェローグリーンは「DEFENDER OCTA EDITION ONE」専用に開発したもので、チョップドカーボンファイバーのディテールも同様となる。この独自の仕上げには再生原料が含まれており、ボンネットの「DEFENDER」スクリプトやフェンダーベントサラウンド、ボンネットベントサラウンドに加え、フロントシートの背面、センターコンソールのトリムにも採用している。
「オクタ」のインテリアの素材は、従来のレザーより30%軽量化し、耐久性に優れたUltrafabricsTM PUを2種類用意されている。カーキとエボニーのデュオトーン、ニットテキスタイルで還元的かつシームレスに仕上げたシートは、「オクタ エディション ONE」では標準装備となっている。
さらに「オクタ」のインテリアは、新たなバーントシエナカラーのセミアニリンレザーにエボニーのKvadratTMテキスタイルトリムの組み合わせが標準装備となるが、ライトクラウド/ルナのUltrafabricsTM PUまたはエボニーのセミアニリンレザーを選択することもできる。
そして前席には、サポート力に優れボルスターと一体型のヘッドレストを備えた新型パフォーマンスシートを採用しており、ディフェンダー初採用となるオーディオ技術、ボディ&ソウルシートにより没入型の音楽体験を楽しむことができる。
このボディ&ソウルシートは、音楽業界のエキスパートであるSUBPAC社、コベントリー大学と共同開発したもので、ドライバーと助手席の乗員は、音楽を聴くと同時に体感することができるようになっている。さらに6種類のウェルネスプログラムも利用可能で、乗員をリラックスさせたり、移動中の認知反応を改善する手助けをしてくれる。
「新しい『オクタ』により、私たちはディフェンダーの潜在能力を最大限に引き出します。これは、まさに能力の幅を定義するものであり、当社のエンジニアリング部門の最高のテクノロジーと才能を結集させることで達成できました。パワフルなV型8気筒ガソリンエンジンと、画期的な6Dダイナミクスサスペンションテクノロジー、精巧な仕上げ、独自のディテールなどを備え、希少性が高く、非常にタフで魅力的なクルマが誕生しました」
「当社のハイパフォーマンスモデルのエキスパートたちは、路面状況に関係なく、過去最高のディフェンダーを作り上げるべく、3年にわたって弛まぬ努力を続けてきました。その結果、『オクタ』で不可能を可能にしたのです。車両全体のコンポーネントを再設計しており、『オクタ』は、地球上のあらゆる場所で壮大な冒険を可能にする完璧なパートナーとなるでしょう」
【メーカー予定価格】
ディフェンダー オクタ 20,370,000円
ディフェンダー オクタ エディション ONE 22,240,000円
https://www.landrover.co.jp/defender/defender-octa/
構成/土屋嘉久