アストンマーティンは、2006年にニュルブルクリンク24時間レースに初参戦。出場したのは、ほぼ標準仕様のV8のVantageで、それが爆発的な成功を収めたGT4の土台となった。以来、アストンマーティンは、注目に値する数多くの成功をクラスで収めてきた。2018年には、SP9Tクラスのマキシム・マルタン選手(ベルギー)、ティーム、ダレン・ターナー選手(英国)、マルコ・ソーレンセン選手(デンマーク)が、大雨の中で最終盤まで総合上位を守り、V12 Vantage GT3最後のレースを総合4位でフィニッシュ。これは今もなお、アストンマーティンのニュルブルクリンク24時間のベスト・フィニッシュとなっている。
なお近年では、Vantage GT4が大活躍を見せている。先代(2024年のレースには7台が出場)は、2019年にジェイミー・チャドウィック選手(英国)、アレックス・ブランドル選手(英国)、ピーター・ケイト選手(英国)がSP8Tクラスの優勝を勝ち取った。2020年には、Garage 59がワークスドライバーのジョニー・アダム選手(英国)、アレクサンダー・ウェスト選手(スウェーデン)、クリス・グッドウィン選手(英国)、ターナー選手が乗るアップグレード版GT8Rで、同クラス3位入賞を果たした。
アストンマーティンの最近のクラス優勝は2022年で、Dörr Motorsportが初のアストンマーティン車となるVantage GT4で、SP8Tクラスのワンツーフィニッシュを決めた。Dörr MotorsportはSP10でも2位のPROsportのVantage GT4に続き3位に入った。これはニュルブルクリンクを拠点とする同チームにとって、今でも過去最高の成績となっている。
現在、アストンマーティンが誇る新型Vantage GT3チャレンジャーは、ヨーロッパ、アジア、米国のFIA世界耐久選手権、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、ファナテックGTワールドチャレンジの各シリーズ、さらには日本のSUPER GTなど、10以上の重要なGTシリーズで25台が活躍。この数字は、競技初シーズンが終わるまでに少なくとも35台に増えると予想されている。
この数々の世界選手権を勝ち取ってきた歴代モデルの後継であり、ウルトラ・ラグジュアリーな新型ロードカーのVantageと同じ機械的アーキテクチャを採用する新型Vantage GT3は、今年2月に初公開された。Vantage GT3は、アストンマーティンの実績ある接着アルミシャシーを中心に組み立てられ、迫力の4.0リッターV8ツインターボエンジンを動力源としている。ノーズからテールまで一新された感動的なエアロダイナミクス、全面的に見直されたサスペンション、最先端のエレクトロニクスが、このアストンマーティンの最新世代のGTカーに世界最強のポテンシャルをもたらしている。