ウルフ・シュピラーさん
オペルとともに成長し、OPELの魅力に取り憑かれた、ドイツ・マインツ在住のOPEL・コレクターを訪問。あふれ出る〝OPEL愛〟は、彼の仕事にまで及んでいた。
Profile
1972年生まれのウルフ・シュピラーさんは、自身もリュッセルスハイムで用品開発を行なうオペルの社員。あまりに知識が豊富なので、同僚からも「オペル博士」と呼ばれるほどのOPEL・マニアだ。運転も好きで、これまでにニュルブルクリンク・ノルトシュライフェを2000ラップ以上走行しているという。膨大な数のスニーカーも集めている。
リュッセルスハイム近郊の街、マインツ在住のウルフ・シュピラーさんは、歴代オペルのコレクターとして有名な存在。なぜなら自身がオペルの社員でありながら、プライベートでオペルをコレクションしているからだ。
1972年生まれで現在49歳のシュピラーさんは、オペル・ディーラーで働く父親の影響で幼少期からオペルとともに育った。小学校の入学式前日、父親が試乗車の『MONZA』に乗って帰ってきた時に、あまりのカッコよさに大興奮したのを覚えているという。それほどオペルにのめり込んでいた。
初めてのマイカーは18歳の時に母親からもらった『KADETT C』。その後、1993年に中古の『CORSA』に買い替える。01年に友人から『KADETT E GSI』のカブリオレを譲り受け、初めて2台持ちとなる。02年には『ASTRA G OPC』を新車で購入。その後は売ると後悔するため、できるだけ売らないようになり、気がつけばコレクターに。
その間、マインツ大学で経営学を学ぶ傍らオペルのディーラーで働き、2000年にオペルに入社。商用モデルの製品マネージャーや、国際マーケティングチームのアクセサリー担当製品マネージャーなどを務め、現在はオペルの純正用品を開発している。1年中オペルのことだけを考える仕事に就いているのは、まさに「夢がかなった気分」だという。
コレクションは年々増え続け、シュピラーさんは現在、90年代以降の『CORSA』や『ASTRA』『KADETT』『SENATOR』『VECTRA』『OMEGA』など、計15台を所有している。ハイパフォーマンス・バージョンであるOPC(オペル・パフォーマンス・センター)モデルも3台ある。
特筆すべきは『OMEGA』で、セダン4台とステーションワゴン2台の計6台もある。うち2台は、ニコ・コヴァチ元監督が現役時代に、また〝皇帝〟フランツ・ベッケンバウアー名誉会長が監督時代に、FCバイエルン・ミュンヘンで使用していた車両そのものだというから驚きだ。
現在は長年憧れている『MONZA』とロータス『OMEGA』を探しているというシュピラーさん。いつかプライベートミュージアムを建てるかもしれない。
シュピラーさんのコレクションは、自宅周辺のガレージで保管されている。上は白いクルマが92年型『ASTRA F』のGSi 16Vで、ブルーのクルマは02年型『ASTRA G』のOPC II。中段は今やドイツでもかなり珍しい90年型『SENATOR B』3.0i。普段は11年型の『CORSA D』OPCニュルブルクリンク・エディションを足に使っている。
シュピラーさんが90年に母親から譲り受けた、アンバーゴールドメタリックの『KADETT C』。その後売ってしまい、今は後悔しているという。
小学校の入学直前の78年8月に、自宅前に並ぶ母親の『KADETT C』と父親が乗ってきた『MONZA』。『MONZA』は今でも憧れの1台だそうだ。
20年以上OPELに勤めるシュピラーさんは、アクセサリー担当製品マネージャーとして、純正用品の開発を行なっている。すべてのニューモデルに携わることができ、フルスケールのクレイモデルも見られる、「まさに夢のような仕事!」だそうだ。
取材・文/竹花寿実 撮影/吉田タイスケ
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