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2022.10.29

メルセデス・ベンツが直列4気筒エンジンM139を搭載した新型ロードスター「AMG SL」を発売

メルセデス・ベンツ日本は、ラグジュアリーロードスターの新型「メルセデス AMG SL」を10月24日より発売する。

初代300 SLの誕生から70年、メルセデスAMGによる完全自社開発モデルとして新登場

「Super」と「Light」(軽量)を略したモデル呼称であるSLは、1952年に公道を走行できるレーシングスポーツカーとして発表され、ルマン24時間レースで見事なワンツーフィニッシュを飾ったほか、世界各地のレースで輝かしい戦績を重ねた「300 SL(W194)」をベースに、1954年に「300 SL(W198)」として発売された。

初代300 SLの誕生から70年を迎え、新型SLはメルセデスAMGによる完全自社開発モデルとして生まれ変わった。SL専用の高剛性プラットフォームによる卓越したドライビングパフォーマンスと快適性を兼ね備えたドライバビリティ、2+2シートレイアウト、そしてF1TMの技術を採用した新型直列4気筒ターボエンジンがもたらす軽快でパワフルなドライビングを楽しむことができるモデルとなっている。

また、インテリアはアナログとデジタルを融合した「ハイパーアナログ」デザインを採用することで、300 SLのデザインをオマージュしながらもラグジュアリーで快適な空間を実現している。 

スポーツカーとして原点回帰を果たしたプロポーション

新型SLのエクステリアデザインは、メルセデス・ベンツのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」に、AMGのスポーティな要素を取り入れたデザインとなっている。ボンネットのパワードームなど、随所にSLの長い伝統を受け継ぐ特徴的な要素が施されている。さらに、光と影の交錯によって全体に軽やかなエクステリアとなっており、高い質感と高級感も演出している。また、新型SLがスポーツカーとしての原点回帰したことを裏付ける筋肉質なプロポーションも特長となっている。

パワフルでワイドなフロントエンドは、AMG専用のフロントグリルが最大の特長となっている。下側が幅広の輪郭と14本の垂直ルーバーは、すべてのSLの原点であり、世界的な成功を収めた1952年製レーシングスポーツカー「300 SL」から取り入れたデザイン。このフロントグリルは近年、AMGのあらゆるモデルに採用され、最も目を惹くアイテムとなっているが、新型SLでは立体形状となったほか、きわめて低い位置に取り付けられることで、ダイナミックなフォルムをさらに強調している。前後に長い平たいボンネットは、AMG独自のスポーツカー遺伝子をはっきりと表現しているデザインで、2本のパワードームもSLの歴史に対するオマージュとなっている。

サイドは、力強く際立つショルダーとAMGアルミホイールの組み合わせによって、エレガンスとスポーツ性との間のバランスが確保されている。くびれのあるサイドの形状もSLが持つパワーを強調するデザインで、特にリアホイールアーチまわりの大きな膨らみが目を惹く。フェンダートリムは細部にわたり精密なデザインが施されており、明確で充実した表面デザインに対してアクセントを与えるコントラストを生み出しています。

リアエンドは、省スペース軽量型Zフォールドのソフトトップを採用することで、高さを抑えたパワフルなデザインとなった。アクティブに作動するリトラクタブルリアスポイラーはトランクリッドにほぼ境目を感じさせることなく組み込まれている。丸味が際立つリアエンドは、広いトレッドとあいまって、新型SLの幅を強調。スリムな LEDリアコンビネーションランプのデザインは、ヘッドライトの形状に対応している。水平に伸びる直線状の部分と光るドット部分により、SLと見分けられるデザインとなっている。

上質な素材とクラフトマンシップが発揮されたラグジュアリーなインテリアデザイン

新型SLの室内は、初代300 SLロードスターに始まる伝統を現代的に蘇らせたもので、メルセデスAMGのドライビングパフォーマンスの遺伝子を受け継ぐことで、スポーティかつ快適性に優れたモデルとなった。さらに、上質な素材と丹念なクラフトマンシップ、ディテールに対する配慮により、ラグジュアリーを感じるインテリアに仕上がっている。

コックピットは、センターコンソールに配置された電動角度調整機能を備えたメディアディスプレイに至るまで、ドライバー重視のデザインとし、全体に調和の取れた空間となった。2+2シートレイアウトの採用で一新されたサイズコンセプトにより、先代に比べて機能とスペースが同時に拡大された。

リアシートは日常的に使うための実用性を高めるもので、着座できる乗員の身長は 150cmまでとなっている(チャイルドセーフティシート装着時は135cmまで)。後ろに誰も座らない場合は、リアシート背後にドラフトストップを装着することで、室内に乱気流が侵入することを防ぐ。また後席シートは、ゴルフバッグなどを積み込む追加の収納スペースとしても利用できる。

新しい車両アーキテクチャーにより高い剛性を実現

新型SLのボディシェルには、メルセデスAMGが開発したまったく新しい車両アーキテクチャーを採用している。軽量なアルミニウム複合シャーシにより最大限の剛性を生み出すもので、精度の高いドライビングダイナミクスや優れた快適性、最適なパッケージング、それにスポーティなボディプロポーションを実現するベースとなっている。

また、2+2シートを採用するための基本レイアウトと多種多様な駆動システムへの対応、AMGならではのドライビングパフォーマンスを実現すると同時に、快適性や安全性に関するメルセデス・ベンツの厳しい基準の両方を満たす必要があった。

そこで、アルミニウム、スチール、マグネシウム、繊維複合材を使用した材料の組み合わせによって、重量を抑えつつ可能なかぎり最も高い剛性を実現。同時に、快適性および安全性に関する先進の機能・装備や洗練されたテクノロジー、さらにソフトトップを搭載することも可能とした。なお、中空の熱間成形高張力スチールによるウインドスクリーンフレームは、リアシートの後ろにあるオートマティックロールバーとともに、横転時に乗員を保護する安全装備となっている。

そして、ボディシェル構造のねじり剛性は、先代モデルに比べて18%高くなり、横方向剛性は、きわめて優れているAMG GTロードスターに比べ50%増、前後方向剛性は 40%増となった。また、シャシーマウントの負荷導入剛性も同じく改善され、きわめて正確なハンドリングと優れたアジリティを実現。ホワイトボディの重量は約270kg となっている。

約15秒で開閉可能なソフトトップ

ルーフについては、新型SLがスポーツ性をより重視したポジショニングを与えられたことから、先代の金属製バリオルーフに代えて電動ソフトトップを採用することとなった。21kgも軽く、重心が低くなったことから、ドライビングダイナミクスやハンドリングにプラスの効果が生まれている。しかし、これと同時に開発プロセスでは、日常的に使える高い実用性と優れた静粛性を保つことが課題となった。

これを実現したのが3層構造で、ピンと貼りつめた外側シェルと精度よく仕上げたルーフライナーの間に、防音マットを挟んでいる。このマットは面積当たり重量が450g/平米の上質素材を使用しており、優れた防音効果を発揮。

さらに省スペース軽量型Zフォールドの採用によって、一般的なソフトトップコンパートメントカバーが不要となった。前部にルーフキャップが付いていることから、ソフトトップを完全に開いた後も、周囲の面より突き出ることもなくきれいに収納される。開閉は約15秒で完了し、車速60km/hであれば走行中でも開閉できる。

F1由来の新技術を採用した直列4気筒エンジン「M139」

SL43は、直列4気筒エンジンとして初めて「One man, One engine」の主義に従い熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げる「M139」を搭載している。その最高出力381PS(280kW)、最大トルク480Nmを発生。このM139には量産車としては世界初となるエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用している。このターボチャージャーは F1由来の技術で、メルセデスAMGペトロナスF1チームがモータースポーツの最高峰であるF1において長年採用して実績を上げているシステムを直接のベースとしている。

トランスミッションには、従来63モデルにのみ搭載されていた「AMG スピードシフト MCT」(9速オートマティックトランスミッション)を採用している。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現。トルクコンバーターに見られる損失を低減し、軽量化も相まってレスポンス向上に貢献している。

その走行性能は、0-100km/h加速4.9秒、最高速度275km/h と、高いレベルを実現している。

関連情報:https://www.mercedes-benz.co.jp/

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