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2024.02.24

優雅で洗練されたマセラティのスーパースポーツ「グラントゥーリズモ トロフェオ」が魅せる世界

 初代「グラントゥーリズモ」がデビューしたのが2007年3月。ピニンファリーナが担当したボディーデザインは、ロングノーズ、ショートデッキの2ドアクーペ。全長5m、ホイールベース3mに近い大柄なボディーを、古典的なスポーツカープロポーションでまとめあげていた。

 マセラティは、この美しいボディーのプロポーションを崩すことなく、2019年まで12年間造り続けた。ホイールベースが長いことから、室内は大人4人が快適に過ごせる広さを確保していた。文字どおり、ヨーロッパ大陸を大人4名がラゲージと共にラクに移動できるGTカーであった。

 2019年でいったん、生産を停止した「グラントゥーリズモ」が2023年4月に、日本でのオーダー受付を開始した。新型のパワーユニットには、フル電動の「グラントゥーリズモ」があるのだが、今回受付けたのは、マセラティが新開発したV6、3.0Lガソリンツインターボを搭載した「モデナ」と、そのエンジンをベースに60PSもパワーアップして載せた「トロフェオ」だった。

スーパーカーとは思えないほどの扱いやすさ

 新型のスタイリングは、先代からのキャリーオーバーのように見えるが、ピニンファリーナではなく、マセラティ・イノベーション・ラボで手がけたモデルは、先代より全長55mm、全幅40mm、全高30mmも大きくなっている。ただし、ホイールベースだけ10mm短いというプロポーションが特徴だ。

 前後のサスペンションも前はダブルウィッシュボーン、後ろはマルチリンクで、エアサスペンションと電子制御ダンパーを組み合わせている。ブレーキも強化された。後輪駆動形式は生地と同じだが、ミッションは6速から8速に進化している。

 新型「グランツーリズモ」のトピックはこれだけではない。実は、V6ツインターボ以外のパワーユニットに、電気モーターが搭載されたのだ。もちろん、マセラティ初のフルEV。しかも、V6モデルとシャーシなどは共通のものを採用しているらしい。情報の段階だが、フレームの空間などを利用して、電池を搭載することで、車体前後の重量配分も前50、後50の理想に近い配分を実現。その操縦性はガソリンの「グランツーリズモ」と同じレベルだという。

 EVのネーミングも決定している。「フォルゴーレ」。イタリア語で雷を意味する。その実力は、まだ試乗できていないので想像の域を出ないが、マセラティがフォーミュラEに出場し、蓄えたノウハウが生かされていることは間違いない。フォーミュラEで開発された800V技術をベースに300kWの磁石モーターを3基搭載している。電池容量は92.5kWh、約760PSのパワーを発生すると伝えられている。

 早く、フルEVの「グランツーリズモ」に乗ってみたい!という気持ちを抑えながら、V6、3.0Lツインターボ「トルフェオ」のハンドルを握った。ハンドルスポーク左下に不随するスターターボタンを押し、センターコンソール上部の変速スイッチでDモードを選ぶ。スイッチは左からP/R/N/D・Mの4つが並んでいる。

 さらに、ハンドルスポークの右下にあるドライブモードダイヤルで、ドライブモードも選択する。ダイヤルを回すと、コンフォート/GT/スポーツ/コルサの4モードが選べる。スタートはノーマルモードに相当するGTモードをチョイス。やや重めのハンドルを操りながら、街中の乗り出した。V6、3.0lLツインターボと8速ATの組み合わせは実にスムーズだ。

 低い回転数でシフトを重ねていく。60km/hでの走行はDレンジで6速1400回転で、流すように走行する。その姿は、優雅で、美しい。とても0→100km/hが3秒台、最高速320km/hという動力性能を秘めているスーパーカーとは思えないほどに扱いやすい。

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リアシートも大人2名が長時間座るのに耐えられる広さを確保

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