ハンドリングは常に重め。コーナーをそれなりのスピードで曲がる時は、ドライバーはハンドルと戦うことになる。しかし、サーキットならともかく、一般道ではその実力を十分に試すことはできなかった。むしろ、ハンドルの重さを別にすれば、V8、5.5Lエンジンの646PS、623Nmも、アクセルワークで、自在にパワーを発揮させられるので、意外に扱いやすかった。これが、欧州のセミレーシングスーパーカーなら、とても公道を走らせることはできないだろう。アメリカ車は、基本的に高齢者から若者まで、誰でも運転できるクルマ造りをしている。
それは「コルベット」のようなスーパースポーツでも同じ。だからその血を受け継いでいる「Z06」も、とりあえずレーシングドライバーでない僕でも、ある程度は乗りこなせる運転しやすさを残しているのだろう。そういった意味では最も気を使わずに、フツーの人が乗ることのできるセミレーシングスーパースポーツだといえる。
■関連情報
https://www.chevroletjapan.com/campaigns-events/corvette-z06
文/石川真禧照 撮影/萩原文博