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CARS
2024.03.16

アウディの電動化戦略を牽引する「Q8 55 e-tron quattro S line」の完成度

乗り心地は低速域から高速走行までフラットな味付け

 114kWh、408PS、664Nmのモーターは、自重2.6tの「Q8 e-tron」を軽々とスタートさせ、加速する。動きはスムーズだが、加速時にヒューンというカン高いモーター音系の音が耳に入ってくる。このあたりの走行音に関しては、最上級EVなのだから、もう少し抑えてほしいところだ。

乗り心地は低速域から高速走行まで、ゴツゴツ感もなく、比較的フラット感のある味付け。ホイールベースが3m近い2930mmと、2.6tの車重ならではの重厚感といえる。試しに「コンフォート」モードに切り替えると、低速域でも路面状況で上下の揺れがやや体感でき、高速でもこの揺れは発生していた。

 操縦性でもこの動きは影響しており、「コンフォート」モードでのコーナリングはやや大きめのロールが発生していた。これが「オート」モードではやや重めの操舵感で、切りこみ時の抵抗や戻しの強さなど、スポーティなハンドリングに変化する。通常走行は「オート」モードで十分に楽しめるはずだ。ちなみにタイヤ/ホイールはブリヂストンの「アレンツァ」で225/50R20サイズを装着していた。

 肝心のEV性能だが、車両を受け取った時の状態は、充電状況はメーター読みで、残量が3/4で、走行可能距離は259km。この状態で満充電まで自宅の3kW充電だと、約7時間40分かかると表示された。カタログ表示の一充電可能走行距離は501kmだが、実際は4400kmが目安と考えたほうが無難かもしれない。

 充電口は車体右に200V用、左に急速充電用のプラグ差し込み口が設けられている。走行中の回生モードはパドルレバーで調節可能。左レバーは回生を2段階で強くできる。右レバーは回生モードを弱める時に使用する。実際に街中で回生を最強モードにしてみたが、アクセルオフでの減速は、あまり強力ではなかった。

 当然、回生モードだけで車両が停止することはなく、クリープしているかのようにゆっくり走り続けていた。ブレーキは低速ではツマ先の動きで、ギュッと停止するほど強力だった。高速からの減速も、ブレーキペダルに足を乗せると即座に減速するほど、軽い踏力で、効きも十分だった。

「Q8」の冠を付けたアウディ「Qシリーズ」の最高級車はいくつか残念なところはあるものの、プレステージ感は十分に感じされてくれる。しかし、デビューからまだ数年しか経過していないのに、すでに旧型の装備やデザインになってしまった印象もあった。改めて、EVの進化の早さを実感させられた。

■関連情報
https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/models/q8-e-tron/audi-q8-e-tron.html

文/石川真禧照 撮影/藤岡雅樹

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