アストンマーティンは、先日発表したDB12 Coupeに続き、次世代スポーツカーのオープントップモデルとなる「DB12 Volante」を発表した。このモデルは、壮観なスーパーツアラーのパフォーマンスとオープントップドライビングの魅力的なスリルを兼ね備えている。
このクラスの新たなベンチマークとなる比類なき優雅さとスポーティなキャラクターを有するDB12 Volanteは、アストンマーティンの高性能コンバーチブルの輝かしい伝統に新たに加わったモデルとなる。
最先端のテクノロジーとエンジニアリングにより、質の高いスタイルと匠の技が時を超えて甦り、ドライビング・エクスペリエンスを最大限に研ぎ澄ます。
アストンマーティンの最高経営責任者であるアメデオ・フェリーサ氏は、次のように述べている。
「多くの顧客にとって、オープントップドライビングは、至極の楽しみとなっています。アストンマーティンのVolanteは、こうした喜びを生み出すため、60年以上にわたり独自のスタイルで表現し続けてきました。
新しいDB12 Volanteでは、やや発想を変え、DB12 Coupeの純粋さと傑出したスポーティさをそのまま活かすことで、このような喜びを強調する車を生み出しました。あらゆる点で本物かつ希少なスポーティング・コンバーチブルであるDB12 Volanteは、先入観を覆し、新世代の顧客層にアプローチします」
クーペ・モデルと並行して開発されたDB12 Volanteは、アストンマーティンを象徴するDBシリーズの最新モデルとして、革新的なデザイン、エンジニアリング、先進的なテクノロジーを取り入れている。
そしてクラス最高のパワーとパフォーマンス、スポーツカーの純粋なダイナミクスにより、革新的な変化をもたらす。DB12 Volanteは何よりも真のドライバーズカーであることを最重視して開発された。
そして妥協のないパフォーマンスとハンドリングは、極めて剛性が高いDB12の接着アルミニウム構造を基盤として生み出された。このテクノロジーは、DB12 Coupeのダイナミクスを新たなレベルに高めただけでなく、他に匹敵するもののないドライビング・エクスペリエンスをDB12 Volanteにもたらした。
このボディ構造がもたらす基本性能を引き出すため、Volanteのアンダーボディは、細部のエンジニアリングやスペックについて徹底的に検証が行われた。
リアサスペンションのアッパーマウンティングポイント、横方向の連結などの重要な構造要素や、エンジン・クロスブレースなどによるパフォーマンス強化により、DB12 Volanteの全体的なねじり剛性を5%近く向上させた。
さらに、車両の剛性やダイナミックなパフォーマンスの向上と同じくらい重要なポイントとして、すべてのサスペンション取付部の横剛性を大幅にアップグレードしたことが挙げられる(フロント車軸で140%)。
DB12 Coupeの開発と並行して行われたこれらの変更によって、ノンアイソレイテッド・ステアリング・コラムとこれを補完するステアリング・システムの採用が可能になり、さらにはダンパーを調整することで、正確なオンおよびオフ・センター・ステアリングのフィーリングを、このクラス随一のリアリティ溢れるレスポンスとともに実現した。
また、エンジン・クロスブレースを含むアンダーボディコンポーネントを変更したため、DB12 Volanteでは、横剛性の改善によってサスペンションのパフォーマンスと洗練度を高めるとともに、全体的なねじり剛性が3.7%向上した。
ノンアイソレイテッド・ステアリング・コラムとフロント車軸の剛性向上(140%)は、オンおよびオフセンターのステアリングフィールとドライバーとの一体感の向上に貢献する。
Volanteの優れたパフォーマンスは、そのスペックに明確に表れている。4.0LツインターボV8エンジンが生み出すクラストップの性能は、DB12 Volanteに圧倒的なパフォーマンスとともに、素晴らしいサウンドトラックをもたらす。
アストンマーティンのエンジニアがチューンナップし、クラストップの最高出力680PS/6000rpm、最大トルク800Nm/2750-6000rpmを発揮するハンドビルドエンジンは、カムプロファイルの変更、圧縮率の最適化、ターボの大型化、冷却の強化により、DB11と比べて出力が34%増加した。0-100km/hを3.7秒で加速し、325km/hの最高速度を誇るDB12 Volanteのパフォーマンスは、まさに驚異的。
DB12 Coupe同様、Volanteの駆動力はZF 8速オートマチック・トランスミッションによって伝えられ、ダイナミックドライビングモードに応じてシフトプラグラムは様々に変化する。
また、Volanteでも同じ最終減速比を用いることで、同一ギア内の加速感を強調するとともに、電子制御ディファレンシャル(E-Diff)との連携により、必要に応じてアジリティを改善することも、スタビリティを向上させることもできる。
さらに、4段階に調整可能なエレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)とあらかじめ設定された5つのダイナミックモードにより、ドライバーがその挙動を厳密に調整することができる。
その他のハイライトとして、新世代インテリジェント・アダプティブダンパーがある。これは、従来型と比較して減衰力の可変幅を500%増加させ、クラス内の競合車種を大きく上回る幅広いダイナミック能力とキャラクターをDB12 Volanteに与えている。
なお、DB12 CoupeとVolanteの主な違いは、リアスプリングレートの細かな変更と専用のダンパーセッティングのみとなる。
標準装備の21インチ鍛造アロイ・ホイールは、アストンマーティンの厳密な要件に沿って開発され、「AML」コードが与えられたミシュランPilot S 5タイヤを装備している。
ブレーキは、400mmフロントディスク、360mmリアディスクが標準で、オプションのカーボンセラミック・ブレーキ(CCB)システムは、ブレーキ性能を強化するとともにフェード現象を抑制し、バネ下重量を27kg削減する。
アストンマーティンの最高技術責任者であるロベルト・フェデリ氏は、次のように話している。
「DB12 Volanteは、Coupeに与えられたスーパーツアラーの特徴をすべて有しています。クラス最高のパフォーマンスとハンドリングを維持するため、DB12の卓越したプラットフォームと優れたパワートレインやシャシーを基盤としながら、これをオープントップバージョンで活かすべく努力をしました。
DB12 Volanteは、『よりソフト』な選択肢ではなく、独自の喜びや満足感とともに本物のスポーツカーならではの刺激をもたらしてくれます。これは、アストンマーティンのコンバーティブルだからこそできることです」
DB12 Volanteのさらなる特徴は、電子制御される「Kフォールド」ルーフとなる。2段階の折りたたみプロセスにより、たたまれたルーフの高さをクラス最小の260mmに留めたKフォールドは、優れたパッケージングソリューション、最大限の積載スペース、迅速な操作、そして驚くべき美しさを兼ね備えている。
8層の遮音素材を採用したファブリック製ルーフキャノピーは、静粛性を改善し、キャビンの快適性を高めてくれる。ルーフを閉じると、美しいルーフラインがDB12の完璧なプロポーションを描き出す。一方ルーフを開けると、Kフォールドのメカニズムはトノカバーの下に収容され、優雅で美しいテールのデザインを作り出す。
ルーフ操作は、開けるのに14秒、閉じるのに16秒しかからず、50km/hまでの車速でも、向かい風が吹いていても使用できる。さらに、便利で楽しい機能として、車から2メートルの範囲であればリモートキーでルーフを開閉できることが挙げられる。
ソフトトップのカラーは、4色の中から選べるようになっている。標準はブラックで、レッド、ブルー、ブラック&シルバーがオプションとして用意されている。
このカラーパレットにより、さまざまなカスタマイズが可能となり、ボディやインテリアのカラーとともにほぼ無限に近い組み合わせを実現している。
アストンマーティンの最高クリエイティブ責任者であるマレク・ライヒマン氏は、以下のように語っている。
「ドライバーのためのオープン・エア・パフォーマンス・マシンを生み出すことは、アストンマーティンにとって常に特別な意味をもってきました。これまでも、そしてこれからも、DB12は私たちにとってデザインの道標であり続けるでしょう。
DB12 Volanteは、(クルマ自身が)ドライブされたいと願っている思いを表現した、エモーショナルなことで知られるアストンマーティンの新たなデザインです。私たちは、類まれなるパフォーマンスを反映する優美で筋肉質なエクステリア・シェイプを、極めて高度な構造要素に据え、クリーンでコンテンポラリーなインテリアとともにデザインしました。
パフォーマンスデザインによって作り上げられた新型DB12 Volanteは、オープンエアで冒険する喜びと幸福を分かち合うべく、アストンマーティンの歴史に華を添え爽快な体験を提供する1台です」
DB12 Volanteの生産は2023年第3四半期に開始される予定であり、最初のデリバリーは2023年第4四半期に始まる見通しとしている。