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2026.06.02

現代アーティスト、シリル・コンゴ氏とコラボした5台の特別なロールス・ロイス「ブラック・バッジ・カリナン」

ロールス・ロイスは、現代アート界で高い評価を受けるシリル・コンゴ氏による手描きのアートワークをフィーチャーした「Black Badge Cullinan by Cyril Kongo(ブラック・バッジ・カリナン・バイ・シリル・コンゴ)」を発表した。

同モデルは、世界的に著名なマルチディシプリナリー・アーティストであるシリル・コンゴ氏が、ベニヤやレザーのインテリア素材の1つひとつにハンドペイントを施した、5台の特別なプライベート・コミッションとなる。5台はいずれも共通の創造的テーマを共有しつつも、それぞれがコンゴ氏の個性を反映した異なる表現となっている。同プロジェクトは、ニューヨーク、ソウル、そしてロールス・ロイス本拠地、グッドウッドのプライベート・オフィスを通じてキュレーションされた。

ブラック・バッジ・カリナンは、コンゴ氏の作品にとって力強いキャンバスとなっている。ロールス・ロイスのよりダークで反骨精神あふれるもうひとつの側面を表現するブラック・バッジは、ブランドの最も大胆な表現そのもの。その精神は、コンゴ氏の芸術作品が放つ強烈な存在感と見事に呼応し、スターライト・ヘッドライナー、ピクニック・テーブル、フェイシア、そして後部座席のウォーターフォールなどインテリアの随所に表現されている。

ブラック・バッジ・カリナンのインテリアをキャンバスに、コンゴ氏は今回のコラボレーションのために構想した自身の世界観「コンゴバース」を具現化した。この独創的な表現は、「運命」、「想像力」、「個の力」といったテーマによって形作られており、これらはこの画期的なプロジェクトを通してコンゴ氏にとって重要な核となったもの。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ デザイン・ディレクターのドマゴイ・デュケク氏は、以下のように述べている。

「創造性と想像力こそがロールス・ロイスを形作る原動力であり、オーナー一人ひとりの個性を反映した特別な車を生み出しています。お客様と共に最も複雑なビスポークを創り上げる場であるプライベート・オフィスもまた、この信念を体現しています。こうした場での対話を通じて、斬新で大胆な現代アートを求める、志を同じくする特別なコレクターたちのニーズが見えてきました。この想いを具現化するため、私たちはシリル・コンゴ氏とコラボレーションしました。彼の表現力豊かで妥協を許さないスタイルは、ブラック・バッジの精神と完璧に共鳴したのです。

この前例のないコラボレーションでは、コンゴがロールス・ロイスのデザイナー、職人、エンジニアからなるビスポーク・コレクティブとともに制作し、唯一無二のモーター・カーが実現しました。その結果として誕生したのが、5台の『ブラック・バッジ・カリナン・プライベート・コミッション』です。それぞれが独立したアートピースであり、二つの揺るぎない創造的な世界が交差して生まれた結晶です」

さらに、シリル・コンゴ氏は、次のように語っている。

「ブラック・バッジ・カリナンを初めて目にした時、私はその世界観を自分なりの解釈、つまり『コンゴバース』と呼ぶ形で表現したいという衝動に駆られました。それは、ファンタジーや数式、シンボル、ピラミッド、原子、そして想像上の惑星が交錯する場所です。ロールス・ロイスはこうしたアイディアを温かく迎え入れ、実際の形として具現化してくれました。それこそが、このプロジェクトを特別なものにしたのです。これは、私の視覚言語とロールス・ロイスのものづくりを融合させた、車そのものがキャンバスとして行う対話でした。ロールス・ロイスの職人たちと共に、この世界観を形にできたことは、まさに貴重な体験でした」

シリル・コンゴ氏は、次のように述べている。

「このコラボレーションがこれほど特別なものになったのは、私とロールス・ロイスの世界間で絶え間ない対話が交わされたからです。あらゆるアイディアが、細心の注意と好奇心を持って受け止められ、私はブランドのクリエイティブ・スタジオに完全に没頭することができました」

ロールス・ロイスは、コンゴ氏のビジョンを具現化するため、彼をデザイナー、エンジニア、職人で構成されるビスポーク・コレクティブの一員として迎え入れた。これまでも著名なクリエイターとの協業の実績はあるが、同プロジェクトはこれまでにないレベルでの共創を実現している。プロジェクトの初期段階から、コンゴ氏はロールス・ロイスの本拠地、ホーム・オブ・ロールス・ロイスに常駐し、チームと共に作業を進めた。構想からデザイン、最終的な製作に至るまで、すべての工程に関わり、専用スペースで各パーツに一つひとつ手描きで仕上げていった。ヘッド・オブ・ビスポーク・デザインのフィル・ファーブル・ド・ラ・グランジュ氏は、以下のように話している。

「シリル・コンゴとの共同作業の進め方は、これまでにないものでした。生産開始の6か月前には彼をグッドウッドの本拠地に招き、私たちの世界観を体験してもらいました。スペシャリストや職人たちとの対話、工具や技術の共有、そして全カラーパレットも自由に使用できる環境を提供しました。実際の車づくりでは、ビスポーク部門内に専用の作業スペースを設け、シリルと私たちのスペシャリストが密接に連携し、彼の芸術的表現を車の各要素に落とし込んでいきました。このコラボレーションは、絶え間ないアイディアの交換と、好奇心と創造的な自信を共有するプロセスでした。こうした社内での密接な開発体制により、シリルはその瞬間のインスピレーションを大切にしながら、自由に表現することができたのです」

鮮やかな世界感:コンゴバースでの冒険

シリル・コンゴ氏は、次のように語る。

「私の作品は、想像力の無限の力を映し出しています。実在しないけれど、存在し得る世界を描くこと。そしてそのビジョンをロールス・ロイスと一緒に具現化できたことは、忘れられない体験でした」

すべての車は、共通のインテリアカラーであるブラックを基調に、鮮やかな色彩をアクセントとして取り入れている。今回初めて、インテリアは4つの異なるゾーンに分けられ、それぞれ対照的なカラーリングで構成されている。運転席には「フェニックス・レッド)」、助手席には「ターキーズ」、後部座席には「フォージ・イエロー」と「マンダリン」が用いられている。

これらのカラーは、ステッチ、パイピング、シート・インサート、ヘッドレストの「RR」モノグラム、そしてラムウールのカーペットに至るまで表現されている。この共通のカラーパレットをもとに、コンゴ氏は、5台それぞれに異なるインテリア・アートワークを手描きで制作し、それぞれの車を真に唯一無二のコレクターズ・ピースへと昇華させた。

スターライト・ヘッドライナー:星々に描かれた「コンゴバース」

シリル・コンゴ氏は、以下のように述べている。

「初めてスターライト・ヘッドライナーを目にしたとき、すぐに心を奪われました。それはまるで動き続ける宇宙のようで、没入感のある存在です。この要素は私の作品の核になるだろうと直感しました」

手描きで施されたスターライト・ヘッドライナー(1,344個の光ファイバー製の「星」によって、車内に静謐な夜空のような印象を与えるルーフライニング)は、シリル・コンゴによる各ブラック・バッジ・カリナンの最大の見どころ。

各作品において、コンゴ氏は想像上の惑星や星座に加え、関心を寄せてきた量子物理学へのモチーフも織り交ぜている。これは、物理学者である兄とアトリエを共にして以来、彼を魅了し続けているテーマである。彼の作品には、数式や公式が埋め込まれ、想像力の無限の可能性を象徴している。このテーマは、すべてのロールス・ロイス・ブラック・バッジに刻印されているインフィニティのシンボルにも重なる。

この構想を実現するため、インテリア・サーフェス・センターの職人たちは、70色以上の塗料を用意し、コンゴ氏が自由に表現できる創作環境を整えた。各作品は、スポンジ、エアブラシ、筆を組み合わせて描かれている。

スターライト・ヘッドライナーの塗装が完了した後、コンゴ氏はビスポークのエンジニアと緊密に連携し、すべての「星」の正確な配置と色を決めた。各「星」は、コンゴ氏自身が1つひとつ数え、配置を指定した上で、職人によって丹念に手作業で配置された。各スターライト・ヘッドライナーには、ブルー、フェニックス・レッド、フォージ・イエロー、コバルト・ブルー、トゥイッケナム・グリーン、またはライム・グリーンのイルミネーションが様々な組み合わせで採用され、8つのシューティングスターが配置されている。さらに、天井全体を横断する1本の流れ星もふくまれており、これはロールス・ロイスとして初の試みとなるもの。

そして最後のさりげないディテールとして、コンゴ氏のシグネチャーである「タグ」モチーフがサンバイザーの内側とラゲッジ・コンパートメントの蓋の内側にペイントされている。この特徴的なデザインは、ドアのレザー部分にも精緻な刺繍として忠実に再現されている。

手描きによるインテリア:継ぎ目のない構図

シリル・コンゴ氏は、以下のように語る。

「私たちは、この作品にグルーヴを持たせるにはどうすればよいかを話し合いました。私にとって、絵を描くことはジャズのようなものです。動きがありながらも、全てが繋がっているのです」

ブラック・バッジ・カリナン・バイ・シリル・コンゴには、アーティストが一つひとつ手描きで仕上げた特注の木製パネルが採用されており、フェイシア、センター・コンソール、リア・コンソール、ピクニック・テーブル、そして後部座席間のウォーターフォールにわたり、車内全体が連続したひとつのアート作品として構成されている。制作に先立ち、インテリア・サーフェス・センターの職人たちは、19点のベニヤ・パーツをそれぞれブラックで塗装し、塗装ラボ内に特別に製作された固定具に取り付ける準備を整えた。その上でコンゴ氏は、様々なサイズのエアブラシを用いて、細部まで表現に深みを持たせながら、自身の代名詞とも言える「コンゴバース」のデザインを描き上げた。

そして仕上げとして、アートワークを保護するために、ロールス・ロイスの職人は各パーツに10層のラッカーを施した。その後、丁寧に研磨し、磨き上げ、ロールス・ロイスのインテリアにふさわしい深みと耐久性を備えた、輝きある仕上がりを実現した。

ビスポーク・エクステリア:パワフルなキャンバス

シリル・コンゴ氏は、次のように述べている。

「この作品を、一歩ずつ発見していって欲しい。探求すればするほど、新たな発見があります。エクステリアは、車内に広がる世界をほのかに示唆するヒントに過ぎないのです」

各モデルのエクステリアは、深みのあるブルー・クリスタル・オーバー・ブラック仕上げが施されており、これは、太陽光の下できらめくブルーの粒子を混ぜ込んだラッカーでさらに強調され、光の加減で表面が青く見える効果が施されている。ロールス・ロイスとしては初となるグラデーション・コーチラインも採用され、左側はフェニックス・レッドからフォージ・イエローへ、右側はマンダリンからターキーズへと色が淡く移ろい、それぞれにコンゴ氏の「タグ」モチーフがデザインとして組み込まれている。

また、ロールス・ロイスとしては初めて、23インチのパート・ポリッシュド・ブラック・バッジ・アルミホイールの裏側に、異なる色のブレーキ・キャリパー(フェニックス・レッド、ターキーズ、フォージ・イエロー、マンダリン)が配置されおり、コーチラインやインテリアのビビッドなアクセントカラーにマッチしている。なお、エクステリアのコーチラインに使用されているフェニックス・レッドの「タグ」グラフィックは、イルミネーテッド・トレッドプレートや、ドアに収納されたブラックのビスポーク・アンブレラにも控えめにあしらわれている。

プライベート・オフィスによるキュレーション

同プロジェクトは、ソウル、ニューヨーク、およびグッドウッドのプライベート・オフィスによってキュレーションされた。プライベート・オフィスは、招待制の創造的拠点であり、ロールス・ロイスの本拠地の延長として機能し、ビスポークのモーター・カーのオーダー体験を一層高める役割を担っている。

各地域には、専任のチームが常駐しており、顧客との深い信頼関係を通じて、その地域特有の文化的背景や価値観、コレクター志向といった興味について独自の洞察を得ている。このような視点を通じて、シリル・コンゴ氏とのコラボレーションは、芸術的な表現であると同時に、現代のコレクター文化を反映した表現として形づくられた。なお、今回制作された5台のブラック・バッジ・カリナン・バイ・ シリル・コンゴは、全て世界各地の顧客に提供された。

関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/ja_JP/home.html

構成/土屋嘉久

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