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2025.11.09

これが新しいスタンダード!どこまでも行きたくなるミニバンフォルクスワーゲン「ID.Buzz」

かつてのフォルクスワーゲン『Type2』、通称〝ワーゲンバス〟の精神を現代に蘇らせた話題のEV『ID.Buzz』。AQ編集部の担当・安田と自動車ライターの桐畑がその魅力に迫った。

フォルクスワーゲンの世界観を電気自動車で再構築

安田 ようやく『ID.Buzz』が日本に導入されましたね。今日の試乗はとても楽しみにしていたんです。

桐畑 本国での発売は2022年ですから、待ちに待ったという人も多いんじゃないでしょうか。

安田 実際に目の当たりにしてみるとちょっと大きく感じるかも。でも、乗り込む前からワクワクしますね。ドアを開けて一段高いシートに腰掛けると、メーターやモニターが一気に点灯するし。まるで何かステージが始まるみたい。

桐畑 そうですね。キーを持ってシートに座れば、すぐに走り出す準備が整います。ステアリングコラム右横にあるロータリー式のシフトセレクターを回せば、それだけで発進できます。これはフォルクスワーゲンのEV、『ID』シリーズに共通する特徴ですね。

安田 走り出す前から気分が上がりますね。スタイリングもそうだし、この空間の心地よさもその理由かもしれません。でも、そこかしこに〝ワーゲンバス〟の面影を感じられるのがたまりません。

桐畑 おっしゃるとおりです。『ID.Buzz』は往年の『Type2』、つまり〝ワーゲンバス〟のスピリットを継承したモデルです。60〜70年代にはアメリカでヒッピー文化やサーフカルチャーの象徴にもなったクルマで、自由の象徴的存在でした。その文脈を現代のEVとして再構築したのがこのクルマです。

安田 外観もどこか懐かしい雰囲気があります。2トーンカラーに大きなVWマーク、サイドウィンドウのデザイン。レトロとモダンが巧くミックスされています。

桐畑 そうですね。ボディーは2種類あって、標準ホイールベースの「Pro」は6人乗り。一方、ホイールベースが250mm長い「Proロングホイールベース」は7人乗り。シートのアレンジや用途の広さもこのモデルの魅力ですね。

安田 実際に座ってみると開放感があってリラックスできるなぁ。

桐畑 明るく開放感のあるキャビンの仕立てが現代的ですね。センターコンソールは着脱式でアレンジも可能。積載性や車内での過ごし方も工夫が施されています。サーフボードやキャンプ道具を積んでも余裕があるし、シートを倒すと広大なフラットスペースができるので車中泊にも向いています。

安田 けっこう大きいクルマですが、走りはどうでしょう?

桐畑 車重が2.7tを超えるのでレスポンスは穏やかですが、最大トルクは560Nmもあって、一般的な走行では力強さも感じられます。大きさが気になるかもしれませんが、視界も開けていて、車幅感覚もつかみやすいので意外と細い路地でも運転はしやすい。また、低重心設計なので高速道路では特に安定感が際立ちますね。

安田 長距離の移動も余裕がありそうですね。1回の充電で500km以上走れると聞きましたが。

桐畑 はい、航続距離はこのロングで約554km、標準型で524km(いずれもWLTCモード)ですから、旅行や週末のアクティビティーでも安心して使えますね。

安田 ライフスタイルに寄り添った「道具」としては理想的ですよ。色の展開も気になりますね。

桐畑 ボディーカラーは6色展開で内装色もうまくコーディネートされています。遊び心を重視する人はビタミンカラーを、都会派なら落ち着いたモノトーンなど、選び方で印象が大きく変わります。こういった多様性も幅広いユーザーに受け入れられそうですね。

みんなが待っていた!ミニバン初の電気自動車

フォルクスワーゲンの電動化戦略として展開が始まった電気自動車(EV)の『ID』シリーズにおけるミニバンが『ID.Buzz』。EV専用プラットフォーム「MEB」を用いた車体は、標準型と、そのホイールベースを250mm延長したロング型の2種類を用意。それぞれ乗車定員と搭載バッテリーの電力量が異なるが、標準型は6人乗りで84kWh、ロングホイールベースは7人乗りで91kWhとなっている。

Specification
■全長×全幅×全高:4965×1985×1925mm
■ホイールベース:3240mm
■車両重量:2720kg
■総電力量:91kWh
■モーター形式:交流同期
■最高出力:286PS/3581~6500rpm
■最大トルク:560Nm/0~3581rpm
■変速機:1段固定式
■一充電走行距離:554km(WLTCモード)
■車両本体価格:997万9000円
※「Pro Long Wheelbase」

『ID.Buzz』とその源流たるフォルクスワーゲン『Type2』、通称〝ワーゲンバス〟(写真右)。この2台には70年強の隔たりがあるが、デザイン、多用途、何より自由な雰囲気をまとっている点が共通する。

シンプルかつスクエアなフォルムも特徴。無駄なプレスラインを省いたプレーンなサイドパネルと広いガラスエリアの対比も『Type2』を彷彿とさせる要素のひとつ。じつはミニバンなのに空力性能も優れている。

インテリジェントデザインやアイデンティティーといった言葉のニュアンスを含んだ次世代電動車シリーズに用いられる『ID』は2016年のEVコンセプトからスタート。フラットなロゴは2019年から使われはじめた。

デザインだけじゃない!本当に使える電動ミニバン

高いヒップポイントで広い視界を実現した、清潔感溢れる『ID.Buzz』のコックピット。センタースタック下部は開閉式の物入れとなっており、容量たっぷりのセンターコンソールはなんと取り外しが可能。

インフォテインメント装備は最新版。12.9インチモニター(左)に機能が集約されており、タッチ操作で切り替えが可能。メーターディスプレイ(右)は小さいが必要十分な情報を表示してくれる。

カメラが先行車や対向車を検知して幻惑を抑えながら、ドライバーにとって最適な配光を実現する最新のLEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」は、ロングホイールベース仕様に標準装備される。

充電口は普通と急速を1か所に集約。140〜150kWの急速充電器に対応しており、より短時間で充電が可能。フォルクスワーゲン グループで展開される充電ネットワークも利用できる。

近しい未来を明るくする新時代の〝人々のクルマ〟

安田 このクルマが欲しくなった人が気になるのは、やはり価格。実際にどれくらいなんですか?

桐畑 標準型は888万9000円で、ロング仕様が997万9000円。機能性、デザイン、EV性能を総合的に考えれば競争力のある設定だと言えるでしょう。

安田 たしかに。暮らしの愉しみ方を広げてくれる存在であれば納得できる価格帯かもしれません。

桐畑 『ID.Buzz』の魅力は、自由でクリエイティブなライフスタイルを後押ししてくれるクルマであること。都市部でのデイリーユースはもちろん、アウトドアでは車中泊もできるから拠点にもなるし、災害時は基地にもなる。様々なシーンで頼れるパートナーです。

安田 防災という観点もそうだし、みんなで移動できる実用性や安心感があるのもうれしいな。

桐畑 『ID.Buzz』はアダプティブクルーズコントロールや車線維持支援といった最新の運転支援システムが備わっています。

安田 都会でも郊外でも場所を選ばず安心して乗れるEVは少ない。それに見ているだけで笑顔になるEVはこのクルマだけですね。

桐畑 確かに。サステナビリティーも注目です。シートの素材には再生ファブリックが採用され、製造過程でも二酸化炭素排出を抑える工夫が施されています。単に懐かしさを再現するだけでなく、きちんと未来志向も体現しています。

安田 こんなクルマが社用車だったり自治体の公用車だとしたらイメージアップに貢献しそうですね。

桐畑 フォルクスワーゲンが「人々のクルマ」として築いてきたDNAをEVの時代に引き継いだのが『ID.Buzz』です。移動するだけの手段ではなく、生活の幅を広げてくれる存在。それが世界的に注目されている理由と言えるでしょう。

安田 なるほど。クルマがあることで「行きたい場所が増える」や「やってみたいことが生まれる」っていう感覚を思い出させてくれるのは楽しいね。気になった人にはぜひ一度試乗してみてほしい。

桐畑 そうですね。EVとしての先進性と、〝ワーゲンバス〟の自由なスピリット。その両方を兼ね備えた『ID.Buzz』はミニバンの新しいスタンダードになる可能性を秘めたクルマなんです。

『Type2』のそれを彷彿とさせる、大きなVWロゴを中央に据えた『ID.Buzz』のフロントフェイス。2トーンの塗り分けもひと目でそれとわかる。

ボディーの両サイドにあるスライドドアは電動開閉式。室内などのスイッチはもちろん、ボディー下部に足を差し入れると非接触で開閉可能。

スライドドアと同様にテールゲートも電動開閉式。こちらも足をかざしての非接触開閉が可能。荷物などで両手がふさがっている時に便利な機能。

家族や仲間、みんなが快適に過ごせる広々した室内

『ID.Buzz』のインテリアは、リサイクル素材を再利用したポリエステル繊維などを用いてスマートに仕立てられている。運転席はアイポイントが高く運転がしやすい。2列目は6人乗りがセパレート、写真の7人乗りはベンチタイプでスライドできる。シートバックテーブルも便利。3列目もスライドできるし窮屈感も少ない。

日本車顔負け!?かゆいところに手が届く便利な装備が満載

両側スライドドアの小物入れにはウィンドウ(小窓)の開閉スイッチとType-Cのポートがある。

スライドドアのウィンドウ全体を上下することはできないが、左右にある小窓は電動で開閉する。

フォルクスワーゲン車最大のパノラマガラスルーフ(オプション)は透明と半透明の切り替えが可能。

多彩なシートアレンジで使い勝手のよさは抜群!

多彩なシートアレンジができるのも『ID.Buzz』ならではの特徴。2列目/3列目シートは可倒式で、すべて前倒しすればフラットなフロアを生み出すことができる。ラゲージルームの最大容量は標準型で2123L、ロングホイールベースで2469L(※いずれもVDA法)。3列目シートは取り外すこともできる。

文/桐畑恒治 撮影/望月浩彦 編集/安田典人

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