ランボルギーニは、20周年を迎えるLamborghini Centro Stileのアイコニックなデザインを記念し、29台限定のFew Offモデル「Fenomeno(フェノメノ)」をモントレー・カー・ウィーク2025にて初披露した。
このFenomenoは、ランボルギーニの最も代表的なスタイルを極限まで突き詰めた、独自の「デザインマニフェスト」となる。個性的なデザインと専用開発されたエアロダイナミクスに加え、ランボルギーニ史上最もパワフルなV12エンジンに3 基の電気モーターを組み合わせて搭載。システム最高出力は、自然吸気V12エンジンの驚異的な835PSに3基の電気モーターによる245PSが加わった1080PS。Fenomenoは、前例のないほどに優れた出力レベルを特徴とし、ランボルギーニで初めて採用される6DセンサーやCCM-R Plusカーボンセラミックブレーキが、そのパワーの最大限に活用することを可能にしている。アウトモビリ・ランボルギーニChairman and CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は、次のようにコメントしている。
「2007年にReventónを発表したときに私たちが目指したのは、ランボルギーニの真髄を究極的に表現する、至高のスーパースポーツカーを創り出すことでした。この新たなFew Offモデルも、ランボルギーニのDNAを構成する卓越性とイノベーションの理念を受け継いでいます」
今回のモントレー・カー・ウィーク2025の目玉となるFenomenoは、Reventón(レヴェントン)から始まりSesto Elemento(セスト・エレメント:2010)、Veneno(ヴェネーノ:2013)、Centenario(チェンテナリオ:2016)、Sián(シアン:2019)、Countach(カウンタック:2021)へと連なるランボルギーニの伝統的な限定モデルの集大成。なおFenomenoという名は、ランボルギーニの伝統に則り、2002年にメキシコのモレリアで勇敢に闘った有名な闘牛に由来する。2人の闘牛士を相手に見事な闘いぶりを示し、命を救われたという話が伝わっている。さらにFenomenoには、イタリア語とスペイン語で「驚異的な」という意味があり、真に卓越した唯一無二のものを表す。
ステファン・ヴィンケルマン氏は、次のように続けた。
「Fenomenoは、ランボルギーニのパフォーマンス、スタイル、革新的な表現という側面で、類いまれなるモデルとなります。当ブランドの価値と功績を称えるために創り出され、また、ランボルギーニに洗練された特別感を求めるお客様に向けたモデルです。しかしながら、Fenomenoはその卓越したデザインとパワーにとどまらず、ランボルギーニのどの歴代モデルよりも革新的な技術を導入しており、真に唯一無二のドライビングを実現するFew Offモデルとなっています」
そしてパワートレインは、ランボルギーニが航空工学にインスピレーションを得て生み出した革新的なシャシーである「monofuselage(モノフューズレージ)」に搭載される。モノフューズレージは、複数技術を駆使したカーボンファイバー製のモノコックと、樹脂を含侵させた短繊維のカーボンファイバーで作られる特殊素材のForged Composite(フォージドコンポジット)製のフロントの骨組みで構成される。ランボルギーニでは、すべてのFew Offモデルの先駆けであり、カーボンファイバーのみを使用する未来的なボディワークでもある2007年のReventón以来、この特殊素材を生産および使用している。
Fenomenoは、一般的にレーシングカーで使用される技術も装備し、動的特性を最適化することによりV12で得られる最高の体験をドライバーに届けるほか、カーボンセラミックディスクを備えたブレーキシステムであるCCM-R Plusにより、公道でもサーキットでも最高の効率性を保証。また、シングルナットの鍛造ホイールが優れた敏捷性に貢献する一方、ブリヂストンによって専用開発されたサーキット向けの特別タイヤが傑出したグリップ力を発揮。そして、スポーツ用にチューニングされたサスペンションにより、スポーツドライビング時のFenomenoの挙動を極めて正確で安定感のあるものにしてくれる。
これらの特性と並外れたパワーが、Fenomenoを最速のランボルギーニにしている。その0-100km/h加速は、驚異の2.4秒を記録し、0-200km/h加速はわずか6.7秒、最高速度は350km/hを超える。さらにパワーウェイトレシオもランボルギーニ史上ベストの1.64kg/PSとなる。
Fenomenoは、ランボルギーニの新たな「デザインマニフェスト」であり、意外性のある極めて上品質なテーマ性をロングテールのスーパースポーツモデルに展開。一目でそれとわかるアイコニックなデザインDNAを持ちながら常に新鮮でエキサイティングであるのは、ランボルギーニの本質的な特徴となっている。イタリアならではのクラフトマンシップの中心を成すのは、単一の線で描かれるシルエットやメインキャビンの上質なアーキテクチャ、先進的な外観。削ぎ落しながらも、明確で純粋なラインと高いパフォーマンスを生み出す洗練された面構成により、すべてのラインにおいて最高レベルの機能性と至高の純度を誇る美しさを融合。まさに、デザインとパフォーマンスの出会いを示すものとなっている。
Fenomenoは、Lamborghini Centro Stileの20周年を記念するモデルでもあり、2005年の開設以来、Lamborghini Centro Stileは、スーパースポーツカーのデザインにおけるクリエイティビティの中心を担っている。Director of Designのミィティア・ボルケルト氏は、以下のように語っている。
「Fenomenoは、私たちの先進的なデザイン言語に、新しく、正統的で勇敢な針路を定めています。私たちは上品で洗練されていると同時に美的で本質的な、極めて優雅なデザインを創り出しました。それは意外性を持ったエレガントな宇宙船で、すべてがカーボンファイバー製でありながら、伝統を忠実に守っています。Fenomenoは、ランボルギーニ独自のデザインDNAを奏でていますが、変調し、リズムを変えて、お客様やコレクターの皆様の最も高い期待を超える、目を見張るような伝説を新たに生み出しました」
そのフロントは、張り詰めた流線形を広がりのある力強い面と組み合わせた大胆なルックスを特徴としている。フードにはHuracán GT3をはじめとするランボルギーニのレーシングモデルにインスピレーションを得た2つの大きなエアインテークが設けられ、DRLの独特なライトシグネチャーは、ランボルギーニの猛牛の角へのオマージュとなっている。2024年に公開されたランボルギーニの新しいロゴも今回の新型モデルで採用されており、カーボンファイバー製のフロントスプリッターを視覚的にまとめる「Y」の形、ライトクラスターのシャープなデザインなど、ランボルギーニのアイコニックなスタイル要素がちりばめられたフロントをさらに際立たせている。
さらにサイドビューでは、ランボルギーニの典型的なシルエットが再解釈され、フロントフードの先端からリアまでが、Essenza SCV12の「ロングテール」にインスパイアされた1本のラインで描かれる。ローンチモデルのボディの配色「yellow Giallo Crius」は、上部の筋肉質な質感を引き出しながら、レース由来のカーボンファイバー製のフィンが空力的に重要な役割を果たすと同時にホイールアーチのフレームとなっている下部と、スタイルおよびエアロダイナミクスの面で優美な対比を生み出している。
構成/土屋嘉久