マクラーレンは、寒冷地における「W1」の過酷な負荷テストと評価プログラムを2025年初めに完了した。今回、通常では秘密裏に行われる開発活動の一部を公開した。1275PSのマクラーレン「W1」は、マクラーレン史上最速の加速性能と最速ラップを誇る公道仕様車。しかし、マクラーレンのエンジニアたちは常に、スーパーカーは世界をリードするパフォーマンスと、地球上で最も過酷な環境下における性能を両立させる必要があると強く主張してきた。北極圏でのプロトタイプによる「W1」の徹底的なテストは、新しい「1」モデルがその約束を果たすための重要なマイルストーンとなった。
リードテストドライバーのダニ・マルコス氏は、以下のように述べている。
「当社は常に『1』モデルの限界に挑戦してきましたが、W1ではそれが実現できたと確信しています」
「W1」のパワーを極寒の地で最大限に発揮できるよう、シャシーとシステムを最適化することが最優先事項であった。「1275PSのマシンなので、低グリップの路面でトラクションを確保するのは大きな課題です」と、マクラーレンのリードテストドライバー、ダニ・マルコス氏は説明する。さらに「トルク伝達システムだけでなく、トラクションコントロール、スタビリティコントロール(ESP)、ABSブレーキシステムからも最高のパフォーマンスを引き出すよう尽力しました」と語った。
「W1」のエンジンとギアボックスからハイブリッドバッテリー、電気モーターに至るまで、すべてが氷点下の条件下でストレステストを受けた。さらに圧縮された雪や氷が冷却システムの通気口に与える影響さえも厳密にチェックされた。チーフエンジニアのアンディ・ビール氏は、「日照時間が短くテスト時間が長い」ことが冬季テストの最大の課題だと説明しますが、「こうした条件での性能を証明し、調整することは、私たちのテストの重要な部分です」と述べている。さらにビール氏は、次のように話している。
「私たちは、この車をあらゆる状況に対応できる車にすることに真剣に取り組んでいます。このテストを完了することで、車の性能を最大限に引き出すことができます」
ビール氏とマルコス氏は、「W1」の開発における光栄さと責任について語っている。マクラーレンF1とP1の後継車の開発に携わることの意義は、関係者全員が深く感じており、その情熱は完成品にもはっきりと表れている。マルコス氏はこう語っている。
「この車はパワフルで、エアロダイナミクスは驚異的です。まさに運転する喜びに満ちた、最高のスーパーカーです」
関連情報:https://cars.mclaren.com/jp-ja/W1
構成/土屋嘉久