ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)は、キャデラック初のバッテリー式電気自動車(BEV)「LYRIQ(リリック)」の販売を開始した。なお日本導入モデルは、全車両が右ハンドル仕様となり、デリバリー開始は2025年5月以降を予定している。
この電動SUV「リリック」は、新時代のラグジュアリーと独自性を追求し、排気ガスゼロを実現するために生まれた、ブランドの未来を切り拓く重要なモデル。米国で92件の特許を取得し、最先端のテクノロジー、卓越したクラフトマンシップ、そして細部に至るまで緻密に作り込まれたデザインを融合させ、“ラグジュアリーカー”の新たなスタンダードを確立した。2023年の米国販売以来、米国はもとより、ドイツのラグジュアリーカー・オブ・ザ・イヤーでは、アメリカ車で初の受賞を果たすなど、キャデラックの名にふさわしい唯一無二のデザイン、かつてないドライビングフィールと極上の快適性が高く評価されている。
そのデザインは、キャデラックであることが一目でわかる縦長LEDヘッドランプなど、モダンかつ伝統を受け継いだエクステリアに、33インチアドバンスドカラーLEDディスプレイをはじめとする最新の装備と細部に至る高品質なパーツで仕上げたインテリアが特長的。またパワートレインには、電気自動車専用のプラットフォームに、パワフルかつエネルギー効率に秀でるデュアルモーターeAWDシステムを搭載することで、高いパフォーマンスとフル充電で510km(参考値)という航続距離を両立した。
そのエクステリアは、流麗なサイドシルエット、ルーフラインや流れるようなAピラーとウエストライン、3mを超えるロングホイールベースが優美で圧倒的なプロポーションを創出。標準装備の21インチホイールとともに、“ラグジュアリーEV”にふさわしい風格を放つ。
キャデラックの伝統をも受け継ぐ、新世代のデザイン言語を採用したフロントフェイスは、ブラックのクリスタルシールドの中央に位置するクリアタイプのキャデラッククレストが、「リリック」が新世代の電気自動車であることを印象付ける。また、キャデラックの象徴ともいえる縦長のLEDヘッドランプが、上部のスワイピングLEDウィンカーとともに、存在感ある美しいワイド&ローのフロントスタイリングを際立たせている。
さらに、往年のキャデラックを彷彿とさせる美しいリアデザインには、1967年型「エルドラド」のオマージュとしてデザインされたテールランプを採用。また、クラストップレベルの広さを誇る電動サンシェード付きガラスルーフを搭載し、差し込む光がインテリアを美しく演出。スポーティなスタイリングを強調するアクセントになっている。
インテリアは、ドアを開けた瞬間、洗練されたシンプルかつダイナミックな造形に心奪われるコックピットを実現した。ドライバーの正面には、湾曲型にデザインされた33インチアドバンスドカラーLEDディスプレイ、宙に浮いているかのようなセンターコンソール、リアルなウッドパネルが上質さと未来的な印象を作る。そしてドアパネルには、業界初のレーザーエッチングバックライトを配してきらめくような光の動きを生み出す「KOMOREBI(こもれび)」が、キャビン全体に温かみのある空間を演出。
また、ロータリーコントローラーには、高級感あふれるローレット加工が施され、ウッドパネルに映える洗練された輝きを創出。シートには、ロングドライブでも快適に過ごせる新開発の高密度フォームを採用し、レザーに代わる動物由来ではないサステナブルな素材「インタラックス」を標準装備している。
なお電動化されたことで生まれたスペースは、クラス最高レベルの広さの後席のレッグルームをはじめ、電動開閉式のテールゲートを備えたラゲージスペースとして通常793L、最大1,722Lの容量を誇る。そしてドアパネルやフットウェルなど好みに応じて照明色を選択できるアンビエントライトは126色を用意し、室内をドラマチックに彩る。
「リリック」は、前後それぞれの車軸にモーターを搭載したデュアルモーター仕様のeAWDシステムにより、優れた俊敏性とよりパワフルかつ長い航続距離を実現した。前後モーターを独立して制御することで、4種類のドライブモード(ツアー、スポーツ、スノー/アイス、マイモード)に準じたトラクションと安定性を確保。通常はエネルギー効率を優先して、電費を抑える一方、必要に応じて前後の駆動トルクの配分を最適化する。
また、フロントサスペンションにはマルチリンク式を採用したほか、ステアリングシステムにはトルクオーバーレイ(STO)を導入し、精密な制御や補正を行うことで、常に正確なハンドリングを実現した。タウンユースからダイナミックなドライビングまで、あらゆるシーンに対応する。
さらに「リリック」は、全く新しい電気自動車専用のプラットフォームを採用。出力タイプを選択できるドライビングモーターなど、電力の変換や制御、供給を統合したパワーエレクトロニクスとバッテリーセルを組み合わせた独自のモジュラーシステムで構成される。車両の下部に沿って路面と水平に配置されたバッテリーを、前後のタイヤ間に収めることで低重心による安定性の向上と構造上の強度を確保。前後重量配分も理想値といわれる50:50を実現した。前後2モーターからのシステムトータル最高出力は384kW (約522PS)・最大トルクは610Nmを発揮する。
また、回生ブレーキ機能により、アクセルペダルだけで加速から停止まで行えるスムーズなワンペダルドライブを実現。回生ブレーキは3つのレベルから選択可能となっている。2モーター仕様では、一般的な電気自動車のほぼ2倍もの最大0.4gの回生ブレーキ機能が得られ、回生されたエネルギーはバッテリーに送られて、結果として航続距離を伸ばすことができる。さらに、ステアリングのパドルを使用した回生ブレーキの操作も可能。パドル操作のみで完全停止まで制御する。
そして「リリック」は、長距離ドライブを可能にするための容量95.7kWhのバッテリーを搭載。1回の充電での走行距離は510kmを達成。自宅で通常使用する100Vで充電できるほか、200Vの電源を用意すれば充電時間を短縮することが可能。外出先では急速充電(日本仕様ではCHAdeMOに対応)を利用して、充電時には希望の充電終了レベルを設定することもできる。