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2024.12.19

限定999台!最高出力1079PS、最大トルク1100Nmを誇るアストンマーティンのスーパーPHEV「ヴァルハラ」の全貌

F1で培ったパフォーマンス重視の手法とテクノロジー、目を見張るデザイン、スリリングなドライビング・ダイナミクスを融合したValhalla(ヴァルハラ)は、類まれな性能を誇るスーパーカー。現在、開発は最終段階を迎え、このアストンマーティンの画期的なミッドエンジン・ハイブリッド・スーパーカーの全貌がついに明らかになった。

ヴァルハラは、究極のドライバーズ・スーパーカーに相応しく、数々の「初」を達成している。アストンマーティン初の量産ミッドエンジン・スーパーカーであり、初のプラグインハイブリッド車、EV専用モードでの走行性能を持つ初の量産車でもある。さらに、アストンマーティン史上最高のパフォーマンスを誇るV8エンジンである、ビスポークの4.0リッターツインターボ・フラットプレーンクランクV8エンジンを搭載した初のモデルとなる。また、電気モーターとリア電子制御ディファレンシャル(E-デフ)を備えた、新しい8速デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)を初めて採用している。

そしてヴァルハラは、新たなデザイン言語を取り入れている。エクストリーム・スーパーカーとしてのパフォーマンスを新しいフォルムとプロポーションで表現し、アストンマーティンならではの完璧でピュアなラインが、強力なダウンフォースを生み出す革新的なアクティブ・エアロダイナミクスと見事に融合。

ダイナミクス、エアロダイナミクス、素材に関しては、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのコンサルティング部門であるアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ(AMPT)との緊密に協力し、ヴァルハラのデザインと開発に新たな次元の知識と技術がもたらされた。この重要な貢献によって、アストンマーティンは、スーパーカーのエンジニアリングとパフォーマンスの限界を押し広げ、公道で輝き、サーキットでその真価を発揮する車を実現した。

アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)であるエイドリアン・ホールマーク氏にとってヴァルハラは、ウルトラ・ラグジュアリー・ハイパフォーマンス・ブランドとしての未来のビジョンを体現するもので、次のように述べている。

「4年前、私たちはアストンマーティンブランドの変革の旅に出ました。長年にわたって築き上げてきた比類のないラグジュアリーの名声に、F1からインスピレーションを得た最先端のテクノロジーと、クラス最高水準のパフォーマンスを融合させ、世界で最も成功を収めるブランドとなることを目指したのです。次世代スポーツカーが、発売以来高い評価を受ける中、アストンマーティン初のミッドエンジンの量産モデルである究極のドライバーズ・スーパーカー、ヴァルハラをポートフォリオに加えました。

スペック上でもサーキットでの走行でも、最もドライバーにフォーカスした、技術的に最も進化したスーパーカーであるヴァルハラは、真のハイパーカー性能を備えながら、公道では他のアストンマーティン車同様、実用性と快適さを実現しています。市場で最もエレガントでエキサイティングな車として設計された、唯一無二の存在です。究極のハイパーカーであるアストンマーティン・ヴァルキリーの開発や、エイドリアン・ニューウェイとの協業を通じて、私たちは新たな視点で考える方法を学びました。この知識と新たな手法により、これまでの成功の強みをさらに発展させ、アストンマーティンの新たな歴史の一画を担うヴァルハラを見守るお客様のために、テクノロジー、パフォーマンス、顧客体験において、クラスをリードする企業としての地位を確立することができました」

アストンマーティンの卓越性を追求する飽くなき挑戦により、ヴァルハラの仕様は当初のコンセプトから大幅に進化し、最高出力、ダウンフォース、動的性能において飛躍的な向上を遂げている。その中心にあるのは、828PSを発揮する4.0リッター・ツインターボV8エンジンと、さらに251PSを供給する3基の電気モーター(そのうち2基はフロント・アクスルを駆動)が構成するハイブリッド・パワートレインで、クラス最高水準の最高出力1,079PSと最大トルク1,100Nmを誇る。

内燃エンジン(ICE)は、1リッターあたり207PSというアストンマーティン史上最高の比出力を実現している。新開発の8速DCTトランスミッションはリア・アクスル駆動力を伝達し、瞬時のシフトタイムとスリリングなシフト特性を提供する。パフォーマンス目標値としては、0-100km/h(62mph)加速が2.5秒、最高速度は電子制御リミッターにより350km/h(217mph)に設定している。

さらに、革新的なアストンマーティン・ヴァルキリーで得た知見をフィードバックしたアクティブ・エアロダイナミクスにより、600kgを超えるダウンフォースを生み出す。この数値は240km/h(149mph)で達成され、その後、350km/h(217mph)の最高速度に至るまで維持される。このアクティブ・エアロダイナミクスは、速度が増すにつれてフロントおよびリアウイングの迎角を徐々に小さくすることで、過剰なダウンフォースを「逃がす」。これにより、幅広い性能域にわたって空力バランスを一定に保ち、ドライバーは自信に溢れた走行が可能となる。

そして先進的なインテグレーテッド・ビークル・ダイナミクス・コントロール(IVC)は、サスペンション、ブレーキ、ステアリング、アクティブ・エアロダイナミクス、パワートレイン・システムを監視し、あらゆる状況での最適なパフォーマンスとドライバーとの一体感を実現。ヴァルハラのドライブモードは4つから選択可能でそれぞれと連動して作動するIVCは、車両の挙動やドライバーの要求を継続して把握し、ダイナミックな特性を調整する。この高度に複雑で洗練されたシステムは、精緻なキャリブレーションにより有機的で自然なドライビング体験を提供し、エフォートレスかつシームレスに性能を高め、パフォーマンスとドライバーエンゲージメントを新たな次元へと引き上げている。

なお、始動時のヴァルハラのデフォルトは、スポーツ・モードだが、ドライバーは手動でピュアEV、スポーツプラス、レースのいずれかのドライブモードを選択することが可能。各モードは、パワートレイン(トルクベクタリングやハイブリッドシステムの統合を含む)、サスペンションの硬さ、アクティブ・エアロ、ステアリング・キャリブレーションの設定が異なり、それぞれ特徴ある走行特性を実現。ピュアEV・モードでは、フロント・アクスルのモーターのみで駆動し、航続距離は14km、最高速度は140km/h(80mph)に制限されている。

また4つのドライブモードが事前設定で用意されており、ドライバーはセンタースタックにあるロータリースイッチで自由にモードを選択できる。この触覚的な操作は、ドライバーと車の一体感を最大限に高めてくれる。各ドライブモードはそれぞれ明確な意図をもってキャリブレーションされており、ドライバーは差別化された走行体験を楽しむことができる。静かに始動するピュアEV・モードは、ユーザーに旅の始まりと終わりに利用することを想定している。

なおバッテリー残量が少なくなると、ヴァルハラは自動的にスポーツ・モードに切り替わりる。スポーツ・モードでは、4.0リッター・ツインターボV8エンジンが作動し、電動フロント・アクスルによる瞬時のトルクと、V8エンジンの圧倒的なパワーを組み合わせたハイブリッドスーパーカーの走行性能を実現。スポーツプラス・モードは、公道でのダイナミックなスリルを最大限に引き出す。レース・モードは、究極のパフォーマンスを追求し、サーキット走行を念頭に置いて、アクティブ・エアロダイナミクスがフルに活用される。

そしてピュアEV、スポーツ、スポーツプラス・モードでは、アクティブ・リアウイングは格納されたままで、ヴァルハラのエレガントなシルエットが保たれる。レース・モードでは、リアのTウイングが強力な油圧ラムによって255mm持ち上げられ、最大限のダウンフォースを生み出す。またヴァルハラのフロント・アクスルの前方には、特徴的なアクティブ・リアウイングと連動するアクティブ・フロントウイングが隠されている。このコンポーネントは、レース・モードでの空力制御において重要な役割を果たす。

革新的な技術を採用したアクティブ・フロントウイングは、単一のメカニズムで複数の表面にわたる空気の流れを制御・管理できる設計となっている。デフォルトでは、ドラッグを最小限に抑える位置に設定されているが、レース・モードを選択すると、フロントウイングはダウンフォースを最大化するモードに切り替わり、フルレンジで動作。また、車両が不要なダウンフォースを逃がす必要があると判断した場合には、自動的にDRS(ドラッグリダクションシステム)が作動する。レース・モードでのブレーキング時には、リアウイングは主にエアブレーキとして機能し、アクティブ・フロントウイングと連携して圧力のバランスを調整。これにより、優れたブレーキング性能を発揮しつつ、最適な安定性を確保する。

アストンマーティンのビークルパフォーマンス担当取締役であるサイモン・ニュートン氏は、ユニークでやりがいのある旅となったヴァルハラの開発について、以下のように語っている。

「エンジニアリングチームとビークルダイナミクスチームにとっての大きな挑戦は、ヴァルハラのハイブリッド・パワートレインの膨大なパワーを、アクティブ・エアロダイナミクスと統合したダイナミック・コントロール・システムの組み合わせにより初めて活用することでした。1,079PSと1,100Nmという驚異的なパフォーマンスを当然の前提としながらも、さらにサーキットでは次のレベルのスピード、精密性、そして興奮を実現し、公道では楽しく、エモーショナルなスーパーカーとしての特性を維持することが課題でした。この前例のないダイナミックな帯域幅こそが、ヴァルハラを同クラスのライバルと一線を画す存在にしています」

関連情報:https://www.astonmartin.com/ja/models/valhalla

構成/土屋嘉久

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