F1世界チャンピオンのミカ・ハッキネンが、今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、再びシングルシーターV10エンジンのマクラーレンのステアリングを握り、ヒルクライムで劇的な走りを披露した。
フィンランド人ドライバーであり、マクラーレンで2度のF1ワールドチャンピオンに輝いたハッキネンは、1998年に自身がドライブしたマクラーレンMP4/13へのトリビュートとして、昨年のこのフェスティバル・オブ・スピードにて、マクラーレンのソーラスGTでグッドウッド・ヒルを駆け上がった。
ハッキネンは、1998年と1999年にF1世界ドライバーズ選手権を制しており、そのチームメイトのデビッド・クルサードとともに9勝を挙げ、タイトル獲得に向けて前進した。
今年のグッドウッドでハッキネンがドライブしたソーラスGTは、マクラーレンでの彼の英雄的なレガシーを21世紀に伝えるもので、25台生産されたカスタマーカーのうちの1台となる。ハッキネンのファンであるオーナーは、MP4/13へのトリビュートとして、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)に、彼のソーラスGTのハンドペイントを依頼した。
MSOの特徴であるクラフツマンシップが発揮されたカラーリングは、1998年当時のF1マシンの色合いではなく、現在のMP4/13シャシーに忠実な、巧みにブレンドされたカラーで構成されている。なお、このカラーリングは、1998年シーズンのMP4/13マシンにペイントを実施したMSOのペイントチームのメンバーによって施された。
マクラーレンで2度のF1世界チャンピオンに輝いたミカ・ハッキネンは、以下のように語っている。
「真のシングルシーターで、驚異的なV10パワーとサウンドのソーラスGTのドライビングは、マクラーレンでレースをしていた頃を思い出させる体験でした」
この2022年8月に発表されたソーラスGTは、マクラーレンがバーチャルの世界で表現し続けてきた究極のシングルシートのサーキット専用ハイパーカーを現実にしたものとなる。ビデオゲーム「グランツーリスモ スポーツ」のコンセプトカー「マクラーレン・アルティメット・ビジョン・グランツーリスモ」をベースにしたこのモデルは、25台のみ生産され、現在納車が進められている。
ソーラスGTの車重は、1,000kg未満で、自然吸気の5.2リッターV10エンジンを搭載し、10,000rpmを超える回転数と最高出力840PSを発生。さらに風洞実験と数値流体力学(CFD)によって磨き上げられた、最適化されたボディワークとフロアの驚異的なエアロダイナミクスは、1,200kgを超えるダウンフォースを発生させることができる。超軽量エンジニアリング、パワー、そして驚異的な空力最適化の融合により、ソーラスGTはシングルシターレース以外のマクラーレンで最速のラップタイムを記録し、F1マシン近いドライビング感覚を提供する。
そしてマクラーレンのファクトリードライバーであるマーヴィン・キルホファー選手が、日曜日のタイムドシュートアウト決勝で45秒342を記録し、ソーラスGTで優勝を飾った。こうしてマクラーレンは、2021年の720S GT3Xに続き、3年ぶり2度目のグッドウッド最速マシンを手に入れた。
関連情報:https://cars.mclaren.com/jp-ja
構成/土屋嘉久