ポルシェジャパンは、ドイツ本社と連携して開発された日本市場向け特別限定モデル、新型「911 GT3アルティザンエディション」の予約受注を開始した。同モデルは、ポルシェジャパン設立30周年を記念した特別モデルで、台数は30台限定の生産となる。
この911 GT3アルティザンエディションは、“真のラグジュアリーは細部に宿る”という思想のもと、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチャーによって特別に仕立てられた初めての日本限定モデルとして登場。911 GT3が誇るサーキット由来の純粋なパフォーマンスに、日本の伝統工芸である江戸切子や藍染のエッセンスを融合。機械工学とクラフトマンシップという二つの卓越した世界を結びつけた、唯一無二のモデル。
搭載されるエンジンは、4.0リッターの自然吸気水平対向6気筒で、最高出力510PS、最大トルク450Nmを発生。4ウェイ調整式コイルオーバーサスペンション、ステンレスメッシュブレーキラインなどが含まれるマンタイキットも装着される。このセットアップは、フラハトとモイシュパトでの数十年にわたるレース活動の経験が礎となっており、日本のサーキットにおいて究極のパフォーマンスを求めるエンスージアストのために最適化されている。
同モデルのデザインコンセプトは、日本の伝統工芸である江戸切子と藍染めからインスピレーションを得ている。そのエクステリアは、ホワイトを基調とし、クラブブルーのペイント・トゥ・サンプルで仕上げられている。さらに、藍染めと深く結びついている「ジャパンブルー」をイメージした淡いブルーのアクセントが加えられており、グラデーションのサイドのカラーリングは、空気と時間の流れを象徴し、マンタイの象徴的なレーシングカー“Grello”のカラーリングと視覚的に調和しながら、車両の空力的なフォルムを強調している。
911 GT3の伝統を感じさせる特徴的なエレメントとしては、フロントフェンダーと左リアサイドに大きく配された”GT3”の文字が挙げられ、これは997 II GT3 RSを彷彿とさせる。また、さりげない特別感を演出するエレメントとしては、両Bピラーに配された“GT3 Artisan Edition”バッジと、クラブブルー(サテングロス)で塗装された”GT3”モデルロゴが挙げられる。日本におけるポルシェブランドの体感施設で、間もなく開設5周年を迎えるポルシェ・エクスペリエンスセンター東京の建築と同じく江戸切子のデザインを採用したこの特別なモデルは、ショールームでの美しい佇まいを持ちながら、サーキットでも卓越した能力を発揮する稀有な存在。
さらに、ホイールも特注品としての性格をさらに際立たせている。フロントホイールはハイグロスホワイトに塗装され、ホワイトのセンターキャップにはクラブブルーの”GT3”ロゴが入っている。一方、リアホイールは、サテングロスのクラブブルーで仕上げられ、センターキャップもクラブブルー(ホワイトの”GT3”ロゴ入り)。そしてパフォーマンス重視のデザインディテールは、モータースポーツとの密接なつながりを強調している。マンタイのカーボン製リアウイングは、最適化された空力プロファイル、一体型のガーニーフラップ、内側に傾斜したホワイト仕上げの大型エンドプレート(マンタイロゴ入り)が特徴。
〝Engineered in Flacht, Sharpened in Meuspath, Built for Japan.〟(フラハトで設計され、メウスパスで磨き上げられ、日本のために造られた)という文字が各モデルのリアスポイラーの下部に手書きされており、さりげないデザイナーの遊び心がその特別な系譜を示している。さらにマンタイのカーボン製エアロディスクは、江戸切子にインスパイアされた特注デザインが特徴で、1980年代のレーシングカーのターボファンホイールカバーと、江戸切子に伝統的に見られる幾何学模様を組み合わせることで、機能的な空力性能と職人技による表現を融合させている。
インテリアは、エクステリアのテーマを踏襲し、モータースポーツの機能性と職人技によるディテールを融合させている。ブラックレザーとレーステックスを使用したインテリアには、ホワイトとスピードブルーのツートンカラーのステッチが施され、公道とサーキットという二面性が表現されている。ブラックのブラッシュドアルミニウム製のイルミネイテッド・シルガードには、“GT3 Artisan Edition”のロゴがあしらわれ、特別に仕立てられたインテリア空間へと迎え入れる。
そして特筆すべきは、特注のスポーツバケットシート。シート中央部には新開発のテキスタイルが使用され、ホワイトからクラブブルーへとグラデーションするデザインが施されている。ヘッドレストにはホワイトの”GT3”ロゴが刺繍され、スピードブルーの江戸切子模様がアクセントになっている。シートデザインは、何世紀にもわたり磨き上げられてきた日本の伝統的な藍染から直接着想を得ており、深みのある色調と繊細な濃淡の変化で知られる藍染は、忍耐、精密さ、そしてクラフトマンシップを体現している。
さらにアルティザンエディションには、グラブハンドル付きの軽量カーボンドアパネル、収納ネット、ブラックレーステックス仕上げのダッシュボード上部など、ヴァイザッハパッケージのインテリアが装備されている。カラーテーマは、サテングロスのセラミカデコレーティブトリムにハイグロスのクラブブルーエレメントをアクセントとして加えることで継続され、スチール製ロールケージはセラミカ (サテングロス) で仕上げられている。またGTステアリングホイールは、レーステックス仕上げで、レッドのボタンが付いたホワイトのドライブモードセレクターを備えており、これは日本の国旗へのさりげないオマージュとなっている。PDKギアセレクターは、ホワイトのグラフィックとセラミカのアクセントで洗練され、シフトブーツの下のプレートにはホワイトの”GT3”ロゴが添えられている。
なお専用ディテールは、アクセサリーにも及んでいる。ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチャーが1つひとつ製作したホワイトとスピードブルーのステッチを施したレーステックス製のウォレットとキーポーチ、そしてボディと同色のホワイトにエクステリアのカラーリングから着想を得たグラフィックオーバーレイをあしらった車両キーなどが、パフォーマンス、伝統、そして職人技を融合させた総合的なコンセプトを補完する。
911(992後期型)GT3用マンタイキットは、日常での実用性を損なうことなく、サーキットにおける性能をさらに高めるために設計された包括的なパフォーマンスパッケージとなる。主な構成要素には、アルミニウム製ショックボディとトップマウントを備えた4ウェイ調整式コイルオーバーサスペンション、ペダルフィールを向上させる高性能ブレーキパッドとステンレスメッシュブレーキラインが含まれる。
空力パッケージは、最適化されたエアガイドエレメント、フロントリップおよびフラップ、カーボン製エアロディスク、リアディフューザー、さらに大型エンドプレートを備えた強化カーボン製リアウイングで構成され、高速域におけるダウンフォースと安定性を大幅に向上させる。サーキット志向のディテールやマンタイならではのデザイン要素と相まって、このキットは911 GT3のバランスと精度を一段と洗練させ、メーカーが正式に承認するパッケージとしてサーキットで実測可能なパフォーマンスの向上を実現している。
なお、このマンタイは、ポルシェGTモデルのスペシャリストであり、30年以上の経験を持つ世界有数のポルシェレーシングチームのひとつ。ニュルブルクリンクのメウスパスに本社を構え、350名以上の従業員を擁している。ポルシェAGは、マンタイの全株式のうち、51パーセントを保有している。マンタイは、レーシング、ロードカー、エクスペリエンス、レースカーの4つの主要部門に加え、「レーダーモータースポーツ」と「レンシュポルト用装備」というブランドを展開。その基本理念である“Closer to Perfection”(より完璧へ)は、エンジニアリングの卓越性を絶えず追求する姿勢を反映している。
同社のモータースポーツにおける実績は多岐にわたり、ニュルブルクリンク24時間レースでの総合優勝7回、ル・マン24時間レースでのクラス優勝6回、FIA世界耐久選手権(WEC)タイトル獲得8回、そして2023年と2025年のDTMチーム選手権およびドライバー選手権優勝などが挙げられる。
ポルシェGTモデル向けマンタイキットは、ポルシェ正規ディーラーネットワークを通じて世界中で販売されており、ニュルブルクリンク北コースにおける市販車のラップタイム記録更新に貢献している。
関連情報:https://www.porsche.com/japan/jp/artisan-edition/
構成/土屋嘉久