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2025.09.15

エアレースで培った空力技術が注ぎ込まれたレクサスのスポーツクーペ「LC500“PINNACLE”」

台風一過の2025年9月6日、大阪の新名所うめきた公園で次世代空のモータースポーツ「AIR RACE X(エアレース・エックス)」2025シリーズ最終戦のAR(拡張現実)観戦イベント「エアレース X 2025 積水ハウス 大阪うめきたデジタルレースIn グラングリーン大阪&グランフロント大阪」が開催された。

「AIR RACE X」は、最高時速400km、最大重力加速度12Gの極限の条件下で世界最高の操縦技術をもつパイロットたちがレース専用の小型飛行機を操縦し、タイムと正確さを競い合う空のモータースポーツだ。最大の特徴は、最先端テクノロジーを活用した“競技フォーマットと観戦スタイル”。選手たちは世界中の拠点で実際にフライトし、機体に搭載された専用センサーにより誤差わずか3cmという超高精度の飛行データを計測・収集。そのデータをもとに、都市空間にAR(拡張現実)で“空飛ぶレース機”が再現されること。

観客はXRプラットフォーム「STYLY」を通じて、スマートフォンやタブレット越しに大阪のリアルな街並みを駆け抜けるレース機の姿を観戦できる――“都市空間×AR×リアルデータ”による、かつてない没入型レース観戦体験できる。「AIR RACE X」は2023年に渋谷を舞台に初開催され、2024年は初のシリーズ戦として3戦を開催。革新的モータースポーツとして、年々進化しているのだ。そして2025年シーズンは、新たにルーキーパイロットを迎えて。世界6カ国、8名のパイロットが参戦している。

日本からは、2024年シリーズチャンピオンである室屋義秀選手(LEXUS PATHFINDER AIR RACING)が史上初のシリーズ連覇を目指して参戦。第2戦を勝利した室屋選手と新鋭のパットリック・デビッドソン選手そしてルーキーのアーロン・デリュー選手の三つ巴で今回の最終戦を迎えた。イベントには、室屋義秀選手とパトリック・デビッドソン選手が登壇し、最終戦に賭ける意気込みを語った。

イベント会場には、室屋選手の愛機である「EDGE 540V3」とともに2025年7月24日に販売開始されたレクサス「LC500」の特別仕様車“PINNACLE”が展示された。“PINNACLE”は最高峰、頂上を意味し、クーペの「LC500“PINNACLE”」はより鋭く意のままに走る楽しさを。オープンの「LC500コンバーチブル“PINNACLE”」はより優雅で心地良い走りを追求しているモデルだ。

レクサスと室屋選手との交流は2016年に遡る。戦い続ける姿勢や精神が人々に勇気を与えているエアレース・パイロットの室屋選手に共感し、パーソナルスポンサー契約から始まった。翌年にはレクサスと室屋選手の関係は、航空機と自動車の領域における新しい技術のK農政を模索する「技術交流会に発展。

そして2021年にチーム「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」を発足させ、レクサスは「もっといいクルマづくり」に向けて新たな支援からの技術の発掘を目指す中で、空力や冷却などの「レース機の技術」を活用した車両の新技術開発、乗員補助や支援などの「車両の技術」を随所に活用したレース機の開発などにチームとして共同で取り組んでいる。

一方、過酷なエアレースで得られたノウハウや技術をもとにレクサスはクルマの開発を進めており、2021年レクサス「LC500」に設定された特別仕様車の“AVIATION”を皮切りに、2023年にはレクサス「LC500」に設定された特別仕様車の“Edge”。2024年のレクサス「LBX MORIZORR」「RZ450e“F SPORT Performance”」。

そして最新のモデルが、今回展示された“PINNACLE”となる。“PINNACLE”の外観ではエアレースで培った空力技術を活かしたパーツが装着されている。それがフロントバンパーのカナードと独特な形状のウイングだ。CFRP製のウイングは、航空機のウイングレット(主翼端部)を下向きに反転させた形状を採用し。これが車両の側面まで端部を下ろしている。

一般的にリアウイングはダウンフォースを生み出すために装着されるのだが、“PINNACLE”のウイングは、ダウンフォースのためではなく、ウイングの端部から車両後方側面にそんな縦渦を生成し、空気抵抗や車体揺れの原因となる「車両側面の気流の巻き込み」を抑制するために開発された。これにより「車両の運動性能」と「乗り心地」を速度域問わず高いレベルで両立している。

また、このリウイングは理想的な形状と軽量化・高剛性化を実現するためCFRPを採用。レクサス「LF A」の製造技術を受け継いだ職人によって一枚ずつ仕上げられ、外観デザインとの調和やカーボンの美しい織り目も特徴となっている。

レクサスの空と陸を知る技術者、LEXUS PATHFINDER AIR RACING Technical Coordinatorの中江雄亮さんによると、この特徴的なリアウイングは同じ性能を発揮させるため、クーペとコンバーチブルでは形状を変えているとのこと。またフロントスポイラーのカナードはインクリメント成型を採用し、カナードの型を押し出して作っているので継ぎ目がないなどこだわっていると話してくれた。

一体成型のフロントバンパーカナードや専用のリアウイングを装着した「LC500“PINNACLE”」は、リアサスペンションに剛性に優れたアルミ中空サスペンションメンバーを搭載。タイヤのグリップ力をより有効に活用することで、ドライバーとクルマの一体感ある走りを実現。さらに新たに搭載したDRS(ダイナミック・リア・ステアリング)により高次元での安定性と快適さを両立している。

また足元には専用のブラックスパッタリング塗装の21インチ鍛造アルミホイールをはじめ、各パーツをブラックで統一し、「朧銀(おぼろぎん)、「ニュートリノグレー」という専用ボディカラーとのハーモニーを表現している。そして搭載されているエンジンは、高精度チューニングが施されピストンが乱れなくスムーズかつ軽快な吹き上がりを実現。限定100台で販売された特別仕様車の“PINNACLE”はすでに完売となっており、今後コレクターズアイテムとして人気となるのは確実だ。

大阪・うめきたで開催された「AIR RACE X」最終戦の結果は、準決勝で室屋選手そして結晶でデリュー選手を破ったパトリック・デビッドソン選手が最終戦優勝とシリーズ首位を奪還し、2025年シーズン年間チャンピオンに輝いた。連覇を狙った室屋選手は3位に終わったものの、トークショーでは笑顔でファンの声援に応えていた。

■ 関連情報
https://lexus.jp/magazine/sport/yoshihide-muroya/

取材・文/萩原文博

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