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CARS
2024.07.04

EVモードで100km近く走るメルセデス・ベンツ「E350eスポーツ エディションスター」の高い実用性

充電時間の効率の良さはトップレベル

 EVでのスタート準備を終え、9速ATをDにする。シフトレバーは、コラムの右から、ウインカーレバーのように生えている従来からのシフトレバーだ。ドライブモードはB/EL/H/S/Iの5ポジションだが、一般走行ではB/ELを使ってみた。もちろんEV主体の走行で。

 航続距離は100%充電で82kmとカタログ値よりやや少ない表示。さらにエアコンをONにすると7kmほど表示が減った。加速は力強く、トルク感も十分。2.2トンをオーバーする車重だが、それも気にならない加速を見せてくれた。シフトはスムーズだが、100km/hあたりから減速すると9速ATはシフトダウンしながら、車速を落としていく。そのときのシフトダウンショックが気になった。スポーツモデルなら、シフトダウンショックも、スポーツドライビング的かもしれないが、アッパーミドルのラグジュアリーセダン的ではないように思う。

 回生に関してはパドルレバーで回生ブレーキの切り替えを3段階で選択できる。このパドル操作はD-に設定すると、ワンペダル感覚での減速が得られる。回生性能も数kmほど走行すると、EVの航続距離が1~2km伸びるほどに強力だった。

 ELモードでの操作性はやや重めの操舵力だが、ピュアEVのような足回り系からの重さは感じされず、乗り心地もやや硬めだった。新型「Eクラス」は、前245/40R20、後275/35R20と、前後でのタイヤサイズが異なる組み合わせだが、特にスポーティーさを意識したセッティングではない。後輪操舵もオプション設定だが、ノーマルでも回転半径などで不便を感じることはなかった。ただし、車速が高まってからのコーナリングでのオンザレール感覚は、新型「Eクラス」の操安性の秘めた実力の一端を体験させてくれる。

 ELモードでは140km/hまでEV走行が可能だが、アクティブディスタンスアシストディストロニックが、これ以上アクセルを踏みこむとエンジンも使用しなければならないという限界領域で、アクセルペダルの抵抗を増す作業を行なってくれる。ここでアクセルペダルを緩めると、高速でのEV走行を維持できるというわけだ。

 試乗中に電池+モーターでのEV走行が終わり、直4、2.0Lガソリンターボが始動。エンジンは2000回転あたりからうなり音を発するが、100km/h巡航でも9速1200、8速1800、7速2100回転なので、通常走行ではエンジン音は気にならない。ちなみに、加速テストで全開走行すると5000回転強まで上昇し、0→100km/hは6秒台で走り切る駿足プラグインセダンでもあった。

 充電に関してだが、自宅の200V、3kWでは、残り27%の状態で100%までの充電時間は5時間23分と表示され、1時間を経過したところでチェックすると73%、航続距離65kmまで充電されていた。通勤などで1日80kmを走行しても、自宅で充電すれば、翌朝には100%充電で、使用できる。充電時間の効率の良さはトップレベル。新型「Eクラス」のプラグイン・ハイブリッドは、現時点での使えるEVの1台といえる。

■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/saloon/e-class/overview.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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