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2023.08.29

ロールス・ロイスがコーチビルド・ドロップテイルの第1弾「ラ・ローズ・ノワール」を発表

クーンのような特別なインテリア

このすばらしいモデルの最も注目すべき要素は、コクーンのようなインテリアです。ロールス・ロイスがこれまでに制作した中で最も複雑なパルケトリー(寄木細工)であり、約2年にわたる開発、徹底的な実験、手作業によるクラフツマンシップの集大成となる。

この作品では、1,603ピースの黒いウッド・ベニヤの三角形によって、舞い落ちるバラの花びらが抽象的に描かれた。極めて複雑な模様は、背景に1,070もの完全に対称な要素を使い、非対称に配置された533の赤いピースでバラの花びらを表現している。このアシンメトリーな仕上がりは、自然で有機的な花びらの「散り際」を表現するためにオーナーよりリクエストされたものとなる。

ラ・ローズ・ノワールの原産地、フランスへのさりげないオマージュとして、フランスで調達されたブラック・シカモア材を使用し、一つひとつ手作業で三角形にカットし、やすりをかけ、正確に配置。淡いグレーと濃いグレーで染色されたように見えるウッド・ピースは、実際には自然な色合いで表現されている。この色調の違いは、複数の丸太の単板を使用することで生まれ、ウッド・ベニヤの自然な模様によるもの。時間の経過に伴う色褪せを防ぐため、赤いピースの作成にのみペイントを行った。さらにロールス・ロイスの職人たちは現代工芸を投影したこの類まれな創作を保護するために、1年かけて新しいラッカー製法を開発した。

リアのショール・パネルからドア、そして広範なフェイシアに至るまで、この複雑なディテールを備えたウッド・ピースは、搭乗者を包み込むように囲む。その組み立てには高度な集中力が必要とされ、完璧に完成させるために必要な集中力を維持するには、1人の職人が1度に1時間、1日あたりわずか5時間の作業が限度だった。見習い時代からロールス・ロイスに在籍している職人は、気をそらす可能性のある要因を減らすため、遮音された空間に数週間入り、完全な静寂を保った環境で作業を行なった。正に芸術作品と呼ぶにふさわしい作品の完成には、9カ月以上を要した。

ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのインテリアを詳しくみてみると、2つのシートの縁には、ダークレッドのミステリー・レザーとライトレッドのトゥルー・ラブ・レザーの装飾が施され、それぞれが微妙な銅の微光を放ち、ブラック・バッカラ・ローズの花弁のような真珠光沢の質感を思わせる。

取り外し可能な特別なタイムピース

ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのフェイシアには、依頼主が特別に注文したオーデマ ピゲのワンオフのタイムピースが組み込まれている。43mmの「ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイト」は、フライバック クロノグラフとスプリットセコンドを備えた独自の自動巻きムーブメント、キャリバー4407を搭載。ラ・ローズ・ノワールのカラーリングに見事にマッチしたこの時計には、赤いカウンターと赤いインナーベゼルが組み合され、ロジウム仕上げのベゼルで強調されたブラックのオープンワーク・ダイヤルとの鮮やかなコントラストが生み出されている。

このタイムピースを組み込むことは大きな挑戦だった。オーナーのリクエストは、自動車への搭載と同時に、ストラップを付けて身に着けることができるよう、取り外し可能であることだった。そのため、ボタンに触れるだけでタイムピースをそっと表示させる動力式のクラスプが採用された。

タイムピースを取り外すと、フェイシアの開口部はエレガントなチタン製の透かしが施されたブランクヘッド・ウォッチで覆われ、オーデマ ピゲの職人が手彫りで仕上げたバラの彫刻が現れるホワイトゴールドのコインが際立つ。ビスポーク・オーディオのスピーカー・フレットには、このモチーフをベースにした繊細なバラのエングレービングが施されている。スイスを拠点とするオーデマ ピゲのアトリエで、一つひとつ手作業で丹念に作られたこれらのピースは、車両全体で唯一ここだけにバッカラ・ローズそのものが描かれている。

なお、タイムピースがフェイシアに表示されている間、ストラップとブランクヘッド・ウォッチはドアパニエのスリムでソフトなレザー製ポーチに収納することができる。

記念すべきコミッション

ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルの制作を祝して、オーナーはお気に入りのワイン生産者のひとつであるシャンパーニュ・ド・ロシーの特別なヴィンテージをオーダーした。同モデルのためにつくられた希少なワインは、シャトーが160年の歴史の中で生産した、ほんの一握りの貴重なヴィンテージのひとつであることを鑑みても、極めて重要な意味を持つ。

完璧な演出のために、一家は唯一無二のロールス・ロイス・シャンパン・チェストをリクエストした。車両の色調や素材に合わせてコーディネートされたこのチェストには、お揃いのバラの花弁のパルケトリーが施され、コーチビルドのロールス・ロイスと同様に細部に至るまで細心の注意が払われている。

ボタンを押すとシャンパン・チェストが開き、手吹きクリスタルのシャンパン・フルートが並ぶ、手の込んだシャンパン・セットが現われる。外側の蓋は、対称になった木目のオープン・ポアのブラック・シカモア材で作られたサービングトレイに変身し、ブラッシュ仕上げとレーザーカットのステンレス製インレイの中央には、シャトーのデザインが施されている。

サイドは、ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルと同じ複雑な寄木細工で装飾されている。一旦開くと、車のカラー・スキームに合わせてデザインされた2つのハンモックが現れ、特別仕様のシャンパーニュ・ド・ロシーを包み込む。ブラック・アルマイトとカーボン・ファイバーで作られた熱伝導率のよいシャンパン・クーラーも格納されている。そしてダーク・ミステリーの色合いで仕上げられ、シャンパンを最適な温度に保つようになっている。

関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/

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