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2025.10.22

フェラーリから296GTBをベースに伝説の名車F40をオマージュしたワンオフモデル「SC40」が登場

フェラーリのスペシャル・プロジェクト・プログラムから、新たなワンオフモデル「SC40」が発表された。フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターによってデザインされた「SC40」は、「296GTB」のアーキテクチャー、シャシー、パワートレインを基盤とするV6ミドシップ・リアエンジンモデル。「SC40」は、ひとりの顧客のためにデザイン・製造される最もエクスクルーシブな領域である唯一無二の存在として、フェラーリのパーソナライゼーション哲学を最高峰で体現する1台に加わる。

このモデル名のSC40は、1987年7月に発表された伝説的なスーパーカー、F40へのオマージュとなる。SC40は、F40を想起させるシャープで角ばったラインを持ちながらも、柔らかな面のつながりを巧みに融合し、現代的でありながらも独自性の強いスタイリングを実現している。そしてSC40は、完全に新しい唯一無二のデザインを採用。サイドウイングに刻まれた浮き彫りのSC40ロゴは、往年の名車への明確な敬意を示すものだが、単なる再解釈ではなく、独自の個性を持つモデルとして仕上げられている。

デザインテーマは、工業デザインから着想を得ており、精密なジオメトリーと力強いスクエアなボリュームが特徴となっている。ロングノーズとショートオーバーハングのプロボーションに加え、ボディ側面から自然に流れる固定式リアウイング(専用色SC40ホワイトで塗装)を備えている。このウイングは、エンジンカバーから垂直に立ち上がり、一体化した造形を黒のセパレーションラインで際立たせ、ブラック仕上げのリアフェイシアを強調。メッシュ状の開口部からは、メカニカルおよび構造要素が覗く。

V6エンジンは、スモーク仕上げのLexanルーバーを通して視覚的に強調され、下部のエアインテークと連続性を持たせている。また、リアフェンダーのホイールアーチ付近にも小型ルーバーが配置され、造形上の一貫性を保っている。中央に配置されたアデイティブ・マニュファクチャリング製のエキゾーストには、チタンおよびカーボンファイバー製のテールエンドを採用。ベースとなった296GTBを想起させるテールランプが、彫刻的なリアセクションを完成させている。

さらにサイドビューでは、インタークーラー用エアインテークが印象的。これはクラシックなNACAダクトを再解釈したもので、大きな三角形のカーボンプレートによって強調されている。デザイン全体のリズムは、フロントフェンダー、ドアカット、エンジンカバーのシャープなエッジを明確に描く垂直線で構成され、視覚的な緊張感をまるで音楽の譜面のように構築している。またフロントは、外側に配置されたヘッドライトが印象的で、下方まで伸びるブラックハウジングに収められている。このハウジングは、ロワーエアインテークと一体化し、フロント全体に力強く精犀な印象を与える。ブレーキエアインテークを縁取る長方形のフレーム、その上に配置されたデイタイムランニングライトが、この印象をさらに際立たせている。

インテリアでは、F40を想起させるケブラー素材の使用に特別なこだわりが見られる。カーボン・ケブラーは同プロジェクトのために再開発され、足元やシート背面、フロアマットの一部に採用されている。さらに、ステアリングホイールやダッシュボードの一部、エンジンベイ、ラゲッジコンパートメントにも同素材を使用。シートはチャコール・アルカンターラと赤のジャカードテクニカルファブリックのコンビネーションで仕上げられ、ヘッドレストの跳ね馬ロゴと織り込まれたSC40ロゴが、現代的でエクスクルーシブな印象を与えている。

外装色SC40ホワイトは、このモデル専用に開発されたもので、太陽光の下でボディの曲線美を際立たせ、インテリアのカーボン・ケブラー素材を想起させるクールな色調を持つ。SC40ロゴは、車体右側のみに配置。燃料および充電キャップは、ブラッシュ仕上げのアルミ製で、リアエンジンカバーには逆彫りでFerraiロゴが配され、カーボン地が透けるデザインになっている。また専用デザインのホイールは、ダイヤモンドカットのブラッシュメタルとブラックスポークを組み合わせ、幾何学的な造形を強調している。

このモデルのスタイリング・バック(実寸デザインモデル)は、10月18日(土)よりマラネッロのフェラーリ・ミュージアムで展示されている。

SPECIAL PROJECTS

スペシャル・プロジェクト・プログラムは、顧客の要望に応じた独自のデザインを特徴とする、唯一無二のフェラーリ(ワンオフ)を創造することを目的としている。顧客は、このプロジェクトを通じて、世界にひとつだけのモデルのオーナーとなる。

各プロジェクトは、顧客からのアイデアをきっかけに、フェラーリ・スタイリング・センターのデザインチームと密接に連携しながら開発される。車両のプロボーションやフォルムが決定されると、詳細なデザイン設計図やスタイリング・バック(実寸デザインモデル)が作成され、その後にワンオフモデルの製造工程が始まる。全プロセスは平均で約2年を要し、その間、顧客はテザインや検証段階に密接に関わる。こうして完成するのは、跳ね馬のロゴを冠し、マラネッロのすべての車が持つ卓越した品質基準に則って設計された、世界にひとつだけのフェラーリとなる。

関連情報:https://www.ferrari.com/ja-JP/

構成/土屋嘉久

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