アストンマーティンのValhalla(ヴァルハラ)が、2025年5月22日、モナコF1グランプリ開催の週末を前に、ダイナミックな世界デビューを果たした。公道とサーキットの最終検証テストを先日終えたヴァルハラは、F1のプラクティスの前に、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのドライバーでFIA F1ワールドチャンピオンに2度輝いたフェルナンド・アロンソ選手の運転で、由緒あるモナコ市街地コースを走行した。
ヴァルハラは、そのF1のような性能重視の技術の融合が既に世界の注目を集めている。ダイナミクス、エアロダイナミクス、素材に関してアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのコンサルティング部門であるアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ(AMPT)と緊密に作業を進めたことで、ヴァルハラのデザインと開発は新たな次元へと高められた。これまで展示という形でしか公開されたことがなかったため、今回は最先端のハイブリッド・パワートレイン、優れたハンドリング、比類ないドライビングダイナミクスに、言うまでもなくスリリングなデザイも披露する、初の公開走行となった。
112年に及ぶアストンマーティンの長い歴史の中でも記念すべき瞬間となったこの日、ヴァルハラはAMR25にインスピレーションを得たポディウムグリーンとライムグリーンの姿をあらわし、ハンドルを握る主任開発ドライバーのフェルナンド・アロンソ選手によってモンテカルロ市内を巡る有名な市街地コースを駆け抜け、「カジノ広場」や「トンネル」で限界ぎりぎりの走行を披露した。
フェルナンド・アロンソ選手は、次のように述べている。
「この18か月、プロジェクトの進捗を密に追い、開発チームと肩を並べて取り組んできたので、モナコグランプリ開催の週末にヴァルハラの動的性能を世界に初公開できるのは、自分にとってもアストンマーティンにとっても素晴らしいことです。アストンマーティンの比類ないラグジュアリーの実績にF1にインスピレーションを得た最新鋭の技術とクラス最高のパフォーマンスを併せ持つヴァルハラは、公道でもサーキットでも真のスーパーカーだと実感しています。直接的なパワーと動的性能以外でも、ヴァルハラのようなクルマを走らせるときに期待される生々しい感覚や感情を、すべて満喫させてくれます」
アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)であるエイドリアン・ホールマーク氏は、以下のように語っている。
「ライバルたちと一線を画すヴァルハラの驚異的なパフォーマンスと前例のない動的性能の幅は、開発全体を通して技術・設計チームに新たな機会を数多く与えてくれました。関係チームすべての絶え間ない努力の集大成を、モナコのような代表的なF1サーキットで、フェルナンドのような大物ドライバーの手で披露できるのは、ロードカーとレーシングカーを含むアストンマーティンの豊かな歴史において、とても重要な出来事です」
1079PSと1100Nmを発揮するハイブリッド・パワートレインを搭載するヴァルハラは、数々の「初」を達成している。アストンマーティン初の量産ミッドエンジン・スーパーカーであり、EV専用モードでの走行性能を持つ初のプラグインハイブリッドの量産車でもある。さらにアストンマーティン史上最高のパフォーマンスを誇るV8エンジンである、ビスポークの4.0リッターツインターボ・フラットプレーンクランクV8エンジンを搭載した初のモデルであると同時に、電気モーターとリア電子制御ディファレンシャル(E-デフ)を備えた、新しい8速デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)も初めて採用。また、フロント・アクスルの最新型のツインモーターも初めての採用で、トルクベクタリングと全輪駆動システムに寄与する。限定999台のみのアストンマーティン究極のスーパーカー、ヴァルハラのデリバリーは、2025年後半に開始される予定となっている。