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2025.04.04

ボルボの最上級SUV「XC90 Ultra T8 AWD PHEV」に死角はあるか?

現時点での国内で買えるボルボのフラッグシップ、3列シートSUVが「XC90」だ。その本国デビューは2014年、日本国内の導入は2016年だった。それからずいぶん月日が経つが、今回、TV CMでも放映されているように、2025年後期モデルとして一部変更が行われた。

最上級のSUVとして、一段と満足できる仕上がり

ここでXC90の概要を説明すると、ボディサイズは全長4955×全幅1960×全高1775mm。ホイールベース2985mm。車重2300kg(XC90 Ultra T8 AWD PHEV)。最低地上高210mm。駆動方式は全グレードともにAWDとなる。

パワーユニットは2Lターボエンジンを基本に、2タイプあるB5グレードはエンジン250ps、36.7kg-m。マイルドハイブリッドとなるモーターが10kW、40Nm。WLTCモード燃費12.0km/L。そして今回試乗した1294万円のプライスタグを付けるXC90 Ultra T8 AWD PHEVグレードはエンジン317ps、40.8kg-m、フロントモーター52Kw、165Nm、リヤモーター107Kw、30.9Nmと俄然、強力になり(バッテリー容量の拡大やeブーストによる)、WLTCモード燃費は13.3km/Lを達成。組み合わされるミッションは全車8ATとなる。PHEV狙いであれば気になるEV走行可能距離は最大73kmとされている。

まず、エクステリアだが、フロントグリル左右異方向の斜めのラインでつないだアイアンマークと呼ばれるデザインに変わっている。これだけでもずいぶん印象が違う。実は、エクステリアの変更はそこだけ。従来通り、エアーサスペンションと組み合わされるピレリPゼロ、275/35R22サイズの大径タイヤと組み合わされるホイールデザインも変わりはない。細かいことで言えば、PHEVの充電リッドが丸形から四角に変わっているぐらいだ。

一方、インテリアは、前型XC90のオーナーであれば、一目で新しさを実感できるに違いない。センターディスプレイがピクセルアップした高精細の11.2インチサイズに大型化され、収納の拡大、エアコンアウトレットバーの縦型化、デコパネルなどが新しい。

また、インフォテイメントシステムの大型化、変更に伴い、ドライブモードが画面下に常に表示されるなど、ほとんどの機能操作がワンアクションで行えるようになったのも、使い勝手面での小さな、いや絶大な進化と言っていいだろう。

そんな改良を受けたXC90 Ultra T8 AWD PHEVのドアを開け、運転席に乗り込み、ドアを閉めれば、8年前に初めてXC90に触れた際にも感じられた、外界と完全に遮断されたかのような車内の静かさ、安心感に包まれる。聞けば、すべてのピラーに発砲充填剤を、エンジンルームとキャビンを仕切るバルクヘッドに遮音材を追加するなどの、車内の静粛性対策がさらに施されているという。

すべての動作が素晴らしくスムーズでジェントル

例によって、スタート/ストップボタンを右にひねってXC90を起動させ、スウェーデンの老舗クリスタルメーカーのオレフォス社製クリスタルガラスを使ったシフトノブを操作して走り出せば、もちろん、駆動用バッテリーに残量があればEVとして静かに、滑らかに加速を開始する。今回の改良でエンジンがかかりにくくなったように思われ、日常域の短距離走行であれば、EVに近い運用が可能になるはずだ。

それにしても、アクセルを踏み加速させる、ステアリングを切る、戻す、ブレーキを踏む・・・といったすべての動作が素晴らしくスムーズでジェントルだ。つまり、文句なしの安定感もあり、運転操作に関わるストレスは最小限、いつまでもステアリングを握っていたい、いつまでも走っていたい・・・という気持ちになれるクルマと言っていいと思える。そして素晴らしく、速い(パワーモードではアクティブノイズコントロールでエンジン音を増幅!!)。加えて、運転席からの視界の良さから、東京都内の混雑した道を走っても、意外なほどボディサイズが気にならなかったのも本当だった(さすがに駐車時は別だが、カメラによるサポートがある)。

静粛性に関しては、ピラーに発砲充填剤を追加するなどの対策が施されているものの、ロードノイズや段差を超えた時の音と振動だけは、22インチのスポーツタイヤの装着もあってか、1000万円を超える超高級SUVとしてやや気になった。パワーユニットからのノイズがEV走行中にないのは当然として、エンジンが始動してもそのキャビンへの透過音がかなり抑えられているため(エンジン自体はマイルドハイブリッドモデルのようなミラーサイクル化が施されていない古いタイプだが)、ことさらロードノイズが目立ってしまうのである。このあたりは、10年前に登場した、元々PHEVの搭載を行うべく開発されたPSA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)プラットフォームの限界かも知れない。

しかし、意外なのは、運転感覚、操縦性だ。2300kgの重量級SUVにして、ステアリング操作、アクセル操作、ブレーキ操作に対して、まさに意のままに近いクルマの動きを披露し、走りの軽快ささえ感じられたのだった。

しかも、インフォテイメント画面で「クリープ」をキャンセルし、クリスタルのシフトノブをDレンジからさらに1段引いてBレンジに入れることで停止まで行えるワンペダルモードが作動。そのスムーズさ、自然な減速感は、高速道路、一般道のどちらでも実に使いやすいものだと思えたのも本当だ。ちなみに、ナビゲーションで目的地をセットした場合、高速道路で主にエンジン走行(ハイブリッド走行)を行い、高速道路を下りると(そこが軽井沢や那須高原などの空気のきれいなリゾート地だったりして)EV走行を優先してくれるロジックも組み込まれているというのだから、賢く、地球に優しい。

高速走行ではACC(アダプティブクルーズコントロール)を試したが、ボルボのACC制御の先進性、自然で歯がゆさのない作動に改めて大満足。高速走行でのドライバーのストレスは、巡行時、渋滞時を含め最小限で済むことも再確認した。後席用のエアコン吹き出し口が用意されているのはもちろんで、これなら日本の酷暑でも全乗員が快適にドライブを楽しめるに違いない。

ステアリング左にACCスイッチを完備

プレミアムなオールラウンダーとして天気、路面を問わず乗員を快適に、安全に移動させてくれるボルボXC90 Ultra T8 AWD PHEVの価格は車両本体価格で世界最高レベルの安全性、先進運転支援機能、Google、グーグルマップによるナビゲーション、身長170cmまでの乗員なら無理なく座れる3列目席などを満載して1294万円。改良前との進化の度合いはそう大きくはないが、ボルボブランドに惹かれる人にとっての最上級PHEVのSUVとして、一段と満足できる仕上がりになっていたことは確かだ。

ボルボXC90 PHEV

文・写真/青山尚暉

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