ロールス・ロイス・モーター・カーズは、2024年10月に発表したブランドを代表するモデル「ゴースト」をパワフルでドライバー志向、そしてエレガントなデザインに進化させた「ゴースト・シリーズ II」の日本での展開を開始する。2009年に登場した初代ゴーストは、まったく新しいカテゴリーの高級車のニーズの高まりを受けて、ロールス・ロイスというブランドをより凝縮した形で表現し、ビスポークを通じて自身の個性を示しながら、自ら運転することに喜びを感じられる車として誕生した。その次世代として登場したゴーストでは、その美的感覚に訴えるデザイン性に加え、技術的に進歩したV12エンジンを搭載し、比類なきアジリティとドライバー志向のシャーシに支えられた、クリエイティビティを存分に発揮できるビスポークのキャンバスとしての存在感が一層高まった。
今回のゴースト・シリーズ IIは、ロールス・ロイス史上最も先進的なV12エンジンを搭載し、パワフルで、ドライバー志向、そしてエレガントなデザインとして進化し、これまでのゴーストにはないインテリアの仕上げや機能のほか、ビスポークがデジタル領域に進出したことを示す先進的なソフトウェア・テクノロジーも利用できるようになった。
ゴースト・シリーズ IIのフロントは、ロールス・ロイスのデザイン・アイコン、イルミネーテッド・パンテオン・グリルが際立つ、クリーンで現代的なデザインが特徴で、これまで以上にロールス・ロイスの純粋でモノリシックなデザイン・アプローチに沿ったものとなった。刷新されたヘッドライトとデイタイム・ランニング・ライトのグラフィックは、グリル下部からフロント・ウイングのエッジへと流れ、2,148mmのゆったりとした車幅が強調された、存在感のあるデザインで仕上げられている。フロントエンドの下部はパンテオン・グリルの土台となり、さらに新しいクローム仕上げが加わり、スピリット・オブ・エクスタシー像を浮かび上がらせる台座となっている。
そしてリアには、スペクター(Spectre)からインスピレーションを得た、表情豊かな2つの縦型の新しいテールランプを採用し、サイドとリアがうまく調和するようにデザインされている。
さらに、新たに採用された22インチ、9スポークのホイールは、全面ポリッシュ仕上げ、または部分ポリッシュ仕上げから選択可能で、ゴースト・シリーズ IIの現代的でありながら時代を超越したデザインをエレガントかつモダンに引き立てている。
ゴースト・シリーズ IIの新しいピラー・トゥ・ピラーのガラスパネルに収められたセントラル・インフォメーション・ディスプレイには、高機能のSPIRITオペレーティング・システムが組み込まれている。これにより、ビスポークによるパーソナライゼーションの範囲はハードウェアからソフトウェアへと拡張し、デジタルのインスツルメント・ダイアルのカラーをインテリアやエクステリアに合わせてカスタマイズすることが可能になり、ビスポークの新しい現代的な表現を追求されるゴーストのオーナーのニーズに応える。
またSPIRITは、ロールス・ロイスのオーナー専用のプライベート・メンバーズ・アプリケーション、Whispersも統合している。車に直接目的地を送信したり、車両の位置確認や施錠をリモートで管理したりすることができ、オーナーがロールス・ロイスをより幅広いライフスタイルの中心に位置づけることができる。
エンターテインメントおよびコネクティビティも大幅にアップグレードされ、後部座席のリア・スクリーンには、最大2台のストリーミング・デバイスを接続し、それぞれのスクリーンで独立してエンターテイメントを選択することができるようになった。また、このインターフェースでは、マッサージ、冷暖房などのシート機能も管理することができる。さらに、あらゆるタイプのBluetoothヘッドフォンを後部座席のインフォテインメント・システムとペアリングすることができるほか、センター・コンソールに控えめに配されたUSB-C充電ポートや、アップグレードされたWi-Fiホットスポットを利用することができる。
なお装飾を施した18スピーカー・オーディオ・システムは、ゴースト・シリーズ IIでさらに進化し、アップグレードされた1400ワット・アンプを搭載。これは、ロールス・ロイス独自のスピーカー・デザインに基づくもので、車両のアルミニウム製シル・セクション内の空洞を低周波スピーカーの共鳴室として活用することで、実質的に車両下部を横置きの大型フロアスタンディング・スピーカーへと変身させている。スターライト・ヘッドライナーをビスポーク・オーディオ・システムと併せて選択すると、星空を作り出す光ファイバー・ケーブルが特殊な音響膜で圧縮される。これにより、ケーブルの残響が抑えられ、サウンドをキャビン内に伝えることができる。キャビン内の2つのアクティブ・マイクが常に周波数のバランスをモニタリングし、アンプを自動調整して音響を最適化する。
ゴースト・シリーズ IIには、助手席側のセントラル・インフォメーション・ディスプレイと並び、ロールス・ロイスの職人が緻密に考案した、新しいスピリット・オブ・エクスタシー・クロック・キャビネットが配されている。反射効果を生むマット・ブラックのバックパネルと高光沢のサイドパネルを備えた台座に配されスピリット・オブ・エクスタシーのフィギュアは、車に乗り込むと、スポットライトを浴びているかのように下方から光を浴び、やがてそのステージ照明は柔らかな光へと切り替わる。
この精巧なディテールに加えて、助手席側の全幅に広がるのは、2020年にゴーストで初めて登場した、先進的な職人技によるイルミネーテッド・フェイシア。ゴースト・シリーズ IIでは、新しいイルミネーテッド・フェイシアのデザインを星空からインスピレーションを得て、タイムラプスの天体写真を彷彿とさせるデザインで夜空の動きを捉えている。さらにロールス・ロイスのビスポーク・デザイナーとともに、オリジナルのイルミネーテッド・フェイシアのモチーフをつくりだすことも可能。
ロールス・ロイスがテキスタイルを追求する姿勢はゴースト・シリーズ IIにも受け継がれ、竹から作られた新しいレーヨン生地「デュアリティ・ツイル」も選択可能となった。ヘンリー・ロイス卿がかつて冬季を過ごしたヴィラ・ミモザに隣接するコート・ダジュールの地中海の庭園(Le Jardin des Méditerranées)からインスピレーション受けて開発されたこのツイル織りのテキスタイルには、ブランド創業者たちのイニシャルである「R」を重ね合わせて抽象的にデザインしたモチーフがあしらわれている。セーリング・ヨットのロープが織り成すラインを想起させるこのデザインにも、フレンチ・リビエラへのさりげないオマージュが込められている。
そしてシートには、ロールス・ロイスの職人が開発したもうひとつの革新的な現代的な工芸技術「プレースド・パーフォレーション」も選択可能。これは、レザーに小さな穴を開けてユニークなアートワークを施す技法で、パーフォレーションの大きさを変化させることで奥行きを生み、緻密で立体的なグラフィックを作り上げる。この最初となった模様は、グッドウッドにあるホーム・オブ・ロールス・ロイスの上空で変化する雲の形と影からインスピレーションを得てデザインされた。この模様は0.8ミリメートルと1.2ミリメートルのパーフォレーションで構成され、その数は最大107,000個にのぼり、そのひとつひとつを入念に確認することで絶対的な均一性が確保される。
ゴースト・シリーズ IIの心臓部には、パワフルで妥協のない、静粛性に優れた6.75リッターV型12気筒ツインターボ・ガソリン・エンジンと、特徴的な8速ギアボックスが搭載されている。これは全輪操舵と全輪駆動の動力源となる。最大トルクは、アイドリング回転数をわずか600rpm上回る1,600rpmで得られるため、1つのギアが途切れなく続く感覚と、ロールス・ロイス特有の「ワフタビリティ(=浮遊感)」が生まれる。
またゴースト・シリーズ IIにおいて、定評のあるプラナー・サスペンション・システムには、フロント・サスペンション・アセンブリの上部に独自のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパー・ユニットが組み込まれている。このユニットは、連続可変の電子制御ショック・アブソーバーやセルフレベリング機構付きの大容量エアストラット・アセンブリと連動し、ロールス・ロイス特有の「マジック・カーペット・ライド」をさらに安定的かつエフォートレスに表現。5リンク式リア・アクスルには、同様のセルフレベリング機構付きの大容量エアサスペンション技術を採用している。
さらにサスペンションとシャーシのシステムは、カメラで前方の道路を読み取り、路面の変化に合わせてサスペンションを可変させるフラッグベアラー・システムによって強化されている。これに加え、GPSデータを利用してカーブの曲率に応じた最適なギアを選択するサテライト・エイデッド・トランスミッションを搭載。このようなテクノロジーが一体となって機能し、ゴーストは過酷な悪路を予測して難なく対応し、比類なき静粛性と、卓越したダイナミズムとアジリティを見事に融合させる。
反骨精神を持つ顧客の大胆なビスポーク・コミッションにふさわしいドラマチックなキャンバスを提供するために、大きな進化を遂げ、ドライバーに焦点を当てた唯一無二のモデル、ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズ IIも同時に発表した。ロールス・ロイスの破壊的な分身であるブラック・バッジの最もパワフルで俊敏かつ技術的な表現を具現化したブラック・バッジ・ゴースト・シリーズ IIには、控え目ながらもインパクトのあるエクステリア・デザインを採用した。また、強力なV12エンジンがハイパワー設定で搭載されており、ゴースト・シリーズ IIと比較して29PS高い出力と50Nm高いトルクを発揮する。この卓越した最新モデルは、先代モデルの圧倒的な成功を礎として、ラグジュアリーなドライビング体験の大胆なビジョンを体現している。
さらに、ゴースト・シリーズ IIが象徴する本質的なアジリティとビスポークの可能性を求めつつ、最上級のリア・スイート・スペースを求めるオーナーのために、ゴースト・エクステンデッド・シリーズ IIも展開。エレガントなシルエットはそのままに、リア・ドアと開口部を拡張することで、リア・スイート・スペースを170mm拡大した。
ゴースト・エクステンデッド・シリーズ IIの最高峰のスタイルを追求するオーナーには、プライベート・ジェットのキャビンを想起させるリクライニング式のセレニティ・シートも用意している。ゴースト・シリーズ IIと同様に、シャンパン・クーラーも選択可能。
こうした数々の改良は、ゴースト・シリーズ IIの格別なダイナミクスを損なうことなく実現されている。実際、ゴースト・エクステンデッドを選ぶオーナーは、ほとんど運転手を手配することなく、後部座席スペースを拡張したこのモデルを自ら運転する目的でオーダーしている。ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋リージョナル・ディレクター アイリーン・ニッケイン氏は以下のようにコメントしている。
「ゴースト・シリーズIIは、ドライバーに焦点をあてたパワフルで妥協のないエンジニアリングとビスポークによる大胆な表現力の可能性を兼ね備えた、ブランドの中核的な役割を担うモデルです。これまで以上に洗練された現代的なエクステリア・デザインと比類なきクラフツマンシップを体現するマテリアルのアップデート、そしてエフォートレスなドライビング体験が、世界中で最も鑑識眼のあるラグジュアリー愛好家である日本のお客様に、温かくく迎えられることを心より願っております」
関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/en_GB/showroom/ghost.html
構成/土屋嘉久