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2025.02.05

ブレンボがモータースポーツの世界で築いた革新と成功の50年

50年前にフェラーリのサプライヤーとしてF1に初参戦し、その後もMotoGPやル・マン24時間レースで歴史的勝利に貢献してきたブレンボは、世界屈指の権威あるレースで技術力と競技力を証明してきた。そのブレンボのモータースポーツ界における革新と成功の歴史が、50年を迎えた。この大きな節目を記念して、1年を通じ、さまざまな特別イベントの開催や取り組みを予定している。いずれも、希代の情熱と革新の物語を伝える見逃せない機会。2輪車、4輪車レースでたゆみなく卓越性を追求し続けた努力に光を当てる。

モータースポーツ界でのブレンボの歴史は、50章から成るおとぎ話になぞらえることができる。この50章の中で、ブレンボは、常に足跡を残してきた。中でも最も重要な年は、1975年。ブレンボは、初めて、スクーデリア・フェラーリにF1向けキャストアイアンディスクを供給した。そしてこの年、歴史的マシン「312 T」を操ったドライバー、ニキ・ラウダによって、11年ぶりにドライバーズタイトルがフェラーリの聖地、マラネッロに取り戻された。

1976年には、2輪車レースに参戦し、スズキ/ガリーナチームにブレーキキャリパーを供給。チームは早くも1978年に、500ccクラス(後のMotoGP)で初戦を飾った。そして、1980年代は、歓喜と革新の10年。ブレンボは初のF1向け4ピストンラジアルマウントキャリパーを開発し、500cc向けラジアルポンプに関する同社第1号特許を取得した。

もちろん、物語はこれで終わりではない。1988年のスーパーバイク世界選手権(WSBK)、1989年のル・マン24時間レース、インディカーをはじめ、モータースポーツ界の権威ある世界選手権に次々と名乗りを挙げる。1990年代に入っても、ブレンボのエンジニアたちは、技術の限界に挑戦し続ける。

2輪車では、1つのアルミの塊から作る初めてのモノブロックキャリパーをホンダチームの500ccクラスマシン向けに設計したほか、王者、マイケル・ドゥーハンのために親指で操作できるリアブレーキポンプを開発。後に多くの一流ライダーに採用された。1995年以降は独壇場と言えるほど、500ccクラスとその後継選手権であるMotoGPのすべてのレースで勝利に貢献した。そして、1990年代の締めくくりには、F1向けカーボンディスクを初めて世に送り出し、その主導的地位を固めた。

新時代の幕開け、新たなる成功

新時代が始まっても、ブレンボの革新と拡大は止まらない。モトクロス世界選手権やエンデューロ世界選手権など数々の世界選手権のキープレイヤーとなり、2014年にはF1向けブレーキ・バイ・ワイヤー(BBW)システムを開発。このほか、2011年には、インディカーの単独サプライヤーに選ばれ、2016年にはMotoGP全チームのサプライヤーを務めた。

また、2022年には、F1に参戦する10チームすべてにブレーキキャリパーを供給。うち9つはブレンボ製、1つは英国に拠点を置くブレンボグループ傘下のAPレーシング製となる。そして2018~2019年には、eモータースポーツ界の二大世界選手権、フォーミュラEとMotoEにおいてブレーキシステムの単独サプライヤーに選ばれた。さらに2024年には、主要世界選手権での獲得タイトルが700を超える、前例のない記録を打ち立てた。

ブレンボと歴代の偉大なるチャンピオン

ブレンボは、長い年月の中でたくさんのドライバーやチームをそばで支え、歴史的快挙に貢献してきた。「初」がつく記録は多数あるが、その中でも2016年5月15日にマックス・フェルスタッペン選手がブレンボのブレーキを搭載したマシンでF1グランプリ最年少優勝を果たしたことと、2013年4月21日にマルク・マルケス選手が同じくブレンボのブレーキを搭載したバイクでMotoGP初優勝に輝いたことは、特筆に値する。

そして時間を遡ると、バレンティーノ・ロッシ選手はブレンボのブレーキングシステム搭載マシンで9度の世界王者に輝いている。また、2000年10月にはミハエル・シューマッハ選手擁するフェラーリチームが21年ぶりにF1世界タイトルを奪還し、ここでもブレンボのブレーキングコンポーネントが大きく貢献している。

さらには、ジョナサン・レイ選手のスーパーバイク世界選手権6連覇達成から、トニー・カイローリ選手のモトクロス世界選手権9回優勝と2023年、2024年のル・マン24時間レース ハイパーカークラス2連覇に至るまで、ブレンボはさまざまな2輪車・4輪車レースにおける輝かしい快挙に重要な役割を果たし続けている。

イタリア発、世界のリーディングカンパニーへ

スポーツ競技で勝利の歴史を積み重ねることに加え、ブレンボはグローバルグループ企業としても成長してきた。今やマルケジーニ、APレーシング、SBSフリクション、ホタ・ホアン、直近ではオーリンズなど、2輪車、4輪車向けレーシングサスペンション、OEM、アフターマーケット業界を代表する評価の高い企業を傘下に加えている。

そして長年にわたるグループ拡大の歩みが、モータースポーツセクターにおける主導的立場と、同社製品を使用するすべてのユーザーやチームに対するソリューションプロバイダーという現在の2つの役割につながっている。1961年にベルガモで創業したブレンボは、今やグローバル企業へと成長を遂げ、60年を超えるその歴史の中で、情熱、機能性、革新性を軸にした独自の価値観を常に磨き続けている。

50周年を記念した新しいロゴ

ブレンボは、今年行なうさまざまな祝賀企画の一環として、モータースポーツ界での50周年を記念した新しいロゴを制作した。特別な字体を使用し、数字を強調した、シンプルかつ見た瞬間意味が分かるロゴとなる。

■ブレンボグループ取締役会長マッテオ・ティラボスキ氏のコメント

「レース界での活動が50周年を迎えたことを誇りに思います。50年にわたってトップクラスの実績を積み重ねたからこそ、ブレンボは今やF1とMotoGPのどのチームにも選ばれる存在になりました。ブレンボのエンジニアが集めたデータが証明しています。勝者とは必ずしも最速で走る者を指すのではなく、過去の記録を塗り替えられる者を意味することを」

■ブレンボとは

ブレンボは、高性能ブレーキシステムおよびコンポーネントの設計・開発・生産の世界的なリーディングカンパニー。1961年にイタリアで創業して以来、乗用車やバイク、商用車の一流メーカーへ革新的なソリューションを提供し続け、過酷なモータースポーツの世界選手権においては600以上のタイトルを獲得している。15か国に32の生産・事業拠点と9つの研究開発センターを構え、約16,000名の従業員と共に、最高のドライブ体験を追求する全ての人々が信頼できるソリューションを開発し続け、2023年の売上高は38億4,900万ユーロに達した。「Turning Energy into Inspiration(エネルギーをインスピレーションに)」をビジョンに、最先端のデジタル技術と持続可能なソリューションを通じて、モビリティ分野の発展と未来の形成に貢献する。

関連情報:https://www.brembo.com/jp

構成/土屋嘉久

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