アウディは、Q8シリーズに2つの新しいRS Q8を導入することを発表した。1つは、最高出力441kW(600PS)の新しいRS Q8と、さらに最高出力471kW(640PS)へ増強されたAudi Sport GmbH史上最も強力な市販ガソリンモデルとなるRS Q8 performanceとなる。これらのモデルは、最適化されたセルフロッキングセンターディファレンシャルによる卓越したドライビングダイナミクスを誇りながら、日常の使用にも適している。RS Q8およびRS Q8 performanceの外観は、アップグレードされたQ8からヒントを得ており、新しい装備パッケージにより、カスタマイズの自由度が向上している。
Audi Sport GmbHは、高性能SUVである新型RS Q8およびRS Q8 performanceの運動性能をさらに高めている。新しいフロントエプロンは、際立つエアインテーク、特徴的なハニカム構造、ハイグロスブラックのブレード(RS Q8 performance ではマットグレー)を備えており、RS Q8およびperformanceバージョンをシリーズのトップモデルとして明確に差別化している。
そして、大型のシングルフレームグリルは、各ハニカムセルが3次元的にデザインされた新たなハニカム構造となっている。さらにリヤセクションも、これらのモデルをシリーズのトップに位置づける要素となっている。2本の楕円形のテールパイプは、RSモデルで初めて取り入れた視覚的な特徴となり、Audi Sport GmbHは、テールパイプの間にリフレクターでセンターが分割されたディフューザーを配置した。
新しいRS Q8のツインターボチャージャー付き8気筒エンジンは、441kW(600PS)の最高出力と800Nm/2,200~4,500rpmの最大トルクを発揮し、卓越したドライビングダイナミクスを実現。その0-100km/h加速は、わずか3.8秒となり、標準では電子制御により最高速度は250km/hだが、オプションで280km/h、さらに最大305km/hに引き上げることが可能となっている。
一方、RS Q8 performanceは、最高出力471kW(640PS)、最大トルク850Nmで、0-100km/h加速がわずか3.6秒となる。この先進的な8気筒エンジンは、RS Q8の市販モデルの中で最も高い出力を誇り、さらにAudi Sport GmbH史上、最も強力な市販ガソリンエンジンとなる。
また、新開発の軽量エキゾーストシステムにより、RS Q8 performanceの出力が向上し、よりスポーティで魅力的なサウンドが生まれる。オプションで光沢のある黒いテールパイプが特徴のRSスポーツエキゾーストシステムに換装することで、さらに強烈なサウンド体験を提供する。
なお、新しいRS Q8の両モデルは、Audi Sport GmbHにより標準装備としてフルタイムquattro四輪駆動システムと8速ティプトロニックを組み合わせている。この完全機械式センターディファレンシャルは、そのコンパクトで軽量なデザインにより、エンジンパワーを前後の車軸に40:60の比率で分配する。
そしてスリップが発生した場合、駆動トルクの70%までを前輪に、さらに85%までを後輪に伝えることができる。これにより、さらに正確なコーナリング、少ないアンダーステア、そしてより正確なターンインが実現される。
Audi Sport GmbHマネージングディレクター ロルフ ミヒェル氏は、次のように述べている。
「新しいRS Q8 performanceとRS Q8は、スポーティさとエレガンスを体現しており、Q8シリーズのトップモデルは、パフォーマンスへの情熱、誇り、日常使用の適合性を組み合わせ、刺激的な体験を提供します」
スポーティさと快適さの理想的なバランスを実現するため、Audi RS Q8およびRS Q8 performanceには、RS専用にチューニングされたアダプティブエアサスペンションスポーツが標準装備されている。制御されたダンピングを備えるこのサスペンションは、両モデルの車高を最大90ミリメートルの範囲で可変する。
さらにオプションとして、両モデルに電動アクティブロールスタビライゼーション(eAWS)を用意。これにより、ボディ横方向の動きが最小限に抑えられる。このeAWSは、2つに分かれたスタビライザーの間にコンパクトな電動モーターを配置し、両軸に接続している。RS Q8が直進するとき、二つのスタビライザーが分かれ、凸凹した道での車体の動きを減少させる。
車がコーナリングする際には、電動モーターがスタビライザーを互いに逆方向に回転させ、横方向の傾きを顕著に減少させる。48VのリチウムイオンバッテリーがeAWSに電力を供給し、このコンパクトで軽量なエネルギーストレージユニットは、短時間で高電流を吸収および放出可能で、それぞれ最大1.5キロワットの電力を2つの電動モーターに供給する。
またRS Q8のオプションであるダイナミックパッケージプラスは、さらに高いパフォーマンスを提供し、最高速度を305km/hに引き上げる。追加コンポーネントには、電動アクティブロールスタビライゼーション、quattroスポーツディファレンシャル、そしてRSセラミックブレーキシステム(RS Q8 performanceでは標準装備)が含まれる。
なお、標準装備のオールホイールステアリングは、高トルクの電動スピンドルドライブにより、俊敏性と安定性に寄与。素早い車線変更時には、後輪が前輪とは同方向に最大1.5度回転する。一方、低速時には、後輪が前輪とは逆方向に最大5度回転し、それにより回転半径が縮小される。
新しいRS Q8 performanceは、市場に導入された直後に、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)にて、SUV最速のタイトルを獲得した。レーシングドライバーおよび開発ドライバーのフランク スティップラー氏は、20.832kmのアイフェルのトラックをわずか7分36秒698で完走。これは、SUVクラス、オフロードモデル、バン、ピックアップのかつての最速車両よりも2秒以上速く、アップグレード前のRS Q8よりも約6秒速いタイムとなる。
これは、最高出力を471kW(640PS)、最大トルクを850Nmに増加させたこと、さらに、制御された減衰力とRS専用チューニングによるアダプティブエアサスペンションスポーツや、電動アクティブロールスタビライゼーション(eAWS)、オールホイールステアリング、quattroスポーツディファレンシャルから構成される優れたシャーシコンポーネントが、この記録的なラップタイムに大きく貢献した。
Audi Sport GmbHマネージングディレクター ロルフ ミヒェル氏は、以下のように語っている。
「RS Q8 performanceのノルドシュライフェでの新記録は、V8エンジンとサスペンションコンポーネントの完璧な組み合わせとともに、Audi Sport GmbHチームの絶対的なパフォーマンスに対する情熱によるものです。さらに、日常において最上級の使い勝手も提供します」
関連情報:https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/models/q8/rsq8.html
構成/土屋嘉久