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2023.03.26

V12エンジンと3基のモーターを搭載したランボルギーニのハイパフォーマンスEV「LB744」のレイアウトの秘密とは?

ランボルギーニは、同社初のV12エンジン搭載ハイパフォーマンスEV(HPEV)「LB744」の公開を数日後に控え、新モデルのドライビングダイナミクスに関する情報を公開した。

この新型モデル「LB744」は、あらゆる路面コンディションとグリップコンディションにおいて、究極の感動とドライビング・コントロールを提供できるよう設計・開発を重ねた。

ドライバーは車に対してこれまでにないレベルの信頼とつながりを感じることができるようになる。

LB744をV12 HPEVのカテゴリーの頂点へと導いたイノベーションには、車両のアーキテクチャとバランス、シャーシとエアロダイナミクス設計への先進的なアプローチ、新しいハイブリッドパワートレインである。

このパワートレインにより、電動モーターのサポートが最大化、ゼロエミッション4WDを含む新しいドライビングモードの導入が可能になり、13種類のドライビングエクスペリエンスを堪能することができる。

新型12気筒エンジンと3基のモーターを搭載

このモデルでは史上初のレイアウトを採用。6.5リットル自然吸気V12ミッドエンジン、3基の電気モーターのうち2基をフロントe-axleに搭載、1基を新型8速デュアルクラッチトランスミッションに組み込み、初めてV12エンジンの後方に横置きに配置した。

さらに、カウンタック時代からトランスミッションスペースとしていたトンネルには、電気モーターを駆動する高比出力の新リチウムイオンバッテリーを搭載した。

新しいアーキテクチャは、最適な重量配分(フロント44%、リア56%)を実現し、それぞれが重心に近づいたことで、ホイールベースの長さを最適化した。その結果、LB744は完璧なバランスを備えて、公道上でもサーキットのカーブでも極めて機敏かつ効率的な走行が可能となった。

性能の高さを支える要素には他にも、アンチロールバー剛性の強化(フロント11%増、リア50%増)およびウラカンSTO1でテスト済みのステアリングレシオの低減(アヴェンタドール ウルティメと比べて10%減)がある。

さらにLB744の性能を補完しているのは、機敏性、レスポンスのよさ、コンパクトでありながらもすぐれた安定性と正確性も合わせ持ちドライバーに感動を与える4WSシステム、およびアヴェンタドールと比べて4%もフロントの接地面積を増加させた特別開発のブリヂストン ポテンザのスポーツタイヤである。

ランボルギーニは、EV用トラクションユニットであるe-axleを導入することで、ブランド史上初の電動トルクベクタリングをLB744に採用し、Lamborghini Dinamica Veicolo 2.0システムを誕生させた。

電動トルクベクタリングはそれぞれのホイールへ最適なトルク配分を行い、4WSシステムとの相互作用によって、角度のきついコーナリングで車両の機敏性を増加させ、高速コーナリングでの安定性を確保。

また、従来のシステムと異なり、新型トルクベクタリングではやむを得ない場合にのみにブレーキ介入を行なう。これは最大限の効率、自然なドライビングスタイル、より高いレベルのパフォーマンスを保つため。

ブレーキをかけるとe-axleとリアの電気モーターを使い減速するため、ブレーキストレスが低減されるだけでなく、同時にバッテリー充電も行なう。

シャーシも車両のダイナミクスにとって非常に重要である。LB744にはランボルギーニモデルとして初めて航空工学にインスパイアされた新型シャーシ「monofuselage(モノフューズレージ)」を搭載している。このmonofusolageは、超軽量カーボンファイバー一体構造(アヴェンタドールのシャーシと比べて重さが10%減)となる。

高いエネルギー吸収機能と向上したねじり剛性(アヴェンタドールと比べて25%増)を組み合わせ、LB744に極めて高い安定性と、優れたレスポンスを与えている。

さらに重要な役割を果たすアクティブ・エアロダイナミクスの効率とダウンフォースは新たな水準に達し、高負荷状態でアヴェンタドール ウルティメと比べて、それぞれ 61%増、66%増を記録した。これには、空気の流れを高効率リアウィングに導くフロントスプリッターとルーフのすぐれた設計が大きく貢献。

またエアロダイナミクスは、ウィッシュボーン式セミアクティブサスペンションと相互に作用し、LB744用特別設計のLamborghini Vertical Controlシステムが制御。

このシステムはサーキット走行時に突然負荷が抜けた場合などに瞬時にコンピューターが管理し、サスペンションとリアウィングの動きにリアルタイムで適応する。

サーキットなど最も高度なパフォーマンスが要求される状況に備え、ブレーキシステムおよびブレーキ冷却システムの設計を刷新。且つ、最新世代のCCBプラス(カーボン・セラミック・ブレーキ プラス)を採用した。

6ピストンから10ピストンになったフロントキャリパーに410x38mmのディスクを組み合わせ、リアには4ピストンキャリパーと390x32mmディスクを使用。このディスクは摩擦層で覆われており、ブレーキング時の性能、熱管理、音響の快適性を向上させている。

エアロダイナミクスはシステムの効率を高め、一対のフロントサスペンションデフレクターやホイールアーチ内グリルは、フロントブレーキの冷却性能を高める設計を備えるだけでなく(ストリップはフロントディフューザーから空気を取り込み、ブレーキへ誘導する)、ホイールウェル内部の抵抗を軽減する形状で、フロントの負荷を増加させながら圧縮現象を制御。

さらにリアホイール前方に配置した2か所のNACAダクトが車両底部からの空流を集め、リアブレーキの冷却ダクトへ誘導する。

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13種類のダイナミクス設定

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