コンチネンタルは米国ラスベガスで開催された「CES 2025」において、次世代モビリティの実現に向け、路上からクラウドにいたる最先端のイノベーションソリューションを公開した。
車両とドライバー間のインタラクションのための技術革新を、特別に準備したデモカー「インテリジェント・ビークル・エクスペリエンス・カー」で紹介。今後3年から5年の間で量産化が見込まれるさまざまなソリューションを集約したこのデモカーは、ヒトと車両間の車外のコミュニケーション、とりわけ、生体認証を使用した直感的でタッチフリーのアクセスに焦点を当てている。ユーザーが乗車する前から車両側がユーザーを認識し、顔や動きの特性を解釈して車両を開閉したり、スーパーマーケットの駐車場でテールゲートを積極的に開けたりするなどのアクションを導き出すことを意味する。さらに、車両使用を許可されておらず、犯罪の意図を持って車両に近づく可能性のある人物の特定も可能。この場合、ドアはロックされたままで、警告を発する。
このデモカーは、ソフトウェア定義車両を形にしたものであり、ソフトウェアにより形作られ管理される自動車、そして同時に次世代車両に向けた生体認証の時代の到来を告げるものだと言えるだろう。車室内の人と機械の意思疎通はポジティブなユーザー体験を考えるうえで、非常に重要。将来的には、車両はドアが開く前にユーザーと対話するようになるだろう。ユーザーの意図や動き、表情を解釈できるようになる。自動車は、携帯電話のようなスマートデバイスになる方向へと向かっており、生体認証技術を使用することで、ユーザー体験が新たなレベルのセキュリティと快適性に到達するだろう。
1月にラスベガスで開催されるCESに先立ち、出展製品の中で評価されたものとして、コンチネンタルのインテリジェント・ディスプレー・ソリューションが「Vehicle Tech and Advanced Mobility」部門でイノベーションアワードを受賞した。インビジブル・バイオメトリクス・センシング・ディスプレーは、運転者モニタリングシステムの解釈に関連する多くの重要なデータポイントをキャプチャーする。したがって、肉眼では見えない革新的なオールインワンソリューションを提供する。
革新的なディスプレーには、他にも多くの利点がある。例えば、エアバッグやその他の拘束装置の展開を最適化し、シートベルトの正しい固定を確認するための3D距離マッピングを備えている。また、生体認証ソリューションのリーディングプロバイダーでありBASFの子会社であるtrinamiXと共同開発したインビジブル・バイオメトリクス・センシング・ディスプレーは心拍数などのバイタルパラメータを非接触でモニタリングし、ストレスの多い状況や運転席での差し迫った医療緊急事態を特定できる。必要に応じて、車両に取り付けられた対応する安全機能を始動し、乗員や他の道路利用者を保護する。
最新のディスプレー技術とスワロフスキーのユニークなデザイン要素を「エモーショナルコックピット」に集約。その直感的な操作性が、ドライバーと感情的で個性的なつながりをもたらす。
このエモーショナルコックピットは、スワロフスキークリスタルで縁取られた2つのディスプレーがダッシュボードに有機的に統合されており、ユニット全体にシームレスな外観を与え印象的。コントロールエレメントはダッシュボードの中央から上昇し、空間に自由に浮かび、ドライバーと助手席の中央入力ユニットとして機能する。
ダッシュボード上の場所に誇らしげに存在するのは、同じくスワロフスキークリスタルに包まれた「ウィジェットクリスタル」。これは、AIアシスタントと小さなインタラクティブウィジェットのインタラクションサーフェスとして機能する。天気、場所、または充電状態などの情報を一目で分かりやすく提示。
高度なマイクロLEDディスプレー技術が、巧みにカットされたクリスタル面の背後に収納されており、3.5インチのディスプレーは、印象的な色の輝きと卓越した明るさを誇る。ディスプレーと周囲のクリスタルケースの透明感のあるデザインは、表示されるコンテンツが内部に自由に浮かんでいるような印象を与える。