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2024.11.18

ニュル最速記録を樹立したポルシェの新型「パナメーラGTS」「パナメーラターボS E-ハイブリッド」の進化

ポルシェのパナメーラターボS E-ハイブリッドとパナメーラGTSは、パナメーラモデルシリーズの中でもダイナミックなモデル。特にパナメーラGTSのパフォーマンスを重視したチューニングは、純粋主義と俊敏性に関して基準を打ち立てている。一方、ターボS E-ハイブリッドは、ラグジュアリーなドライビング特性からサーキットレベルのトップパフォーマンスまで、幅広い領域で感動を与えてくれる。

パナメーラGTS

パナメーラは、ラグジュアリーサルーンセグメントを再定義し、滑らかなドライビングの快適性とポルシェスポーツカーの特性をユニークな方法で融合させている。特にパワフルでスポーティな2つのバージョンがモデルシリーズに追加され、それぞれが異なる焦点を備えている。パナメーラGTSは、エモーショナルなドライビング体験を前面に押し出したダイナミックなスポーツサルーン。一方のパナメーラターボS E-ハイブリッドは、最もラグジュアリーかつパワフルな最速モデルとして、シリーズの最上位に位置づけられる。このトップモデルは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおけるエンジン搭載ハイブリッドラグジュアリーサルーンの公式最速ランキングの新記録保持車となる。

両モデルとも、すでにパナメーラターボE-ハイブリッドに使用されている4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載。このパワフルなエンジンは、ユーロ7排ガス規制の厳しい要件に対応している。ツインスクロールターボチャージャーからシングルスクロールターボチャージャーへの変更は、触媒コンバーターのウォームアップフェーズを短縮。最高1,000°Cの排気ガス温度とそれに伴うクリーンな燃焼、および燃焼室内の平均ピーク圧力の140barへの増加により、特に高ダイナミックレンジでの駆動効率が向上している。さらに8速ポルシェデュアルクラッチトランスミッション(PDK)が根本から再設計された。最適化された動力伝達面と高い熱負荷容量が、パナメーラターボS E-ハイブリッドの莫大な駆動トルクを実現する。

最もパワフルなパナメーラ:ターボS E-ハイブリッド

パナメーラターボS E-ハイブリッド

ポルシェでは、ターボというモデル名は、主に公道走行を目的としたモデルバリエーションの中で伝統的にパフォーマンスの最高峰を表す。同時に“Turbo”ロゴは、それぞれのセグメントにおける技術的リーダーシップを意味する。高効率のエンジンと電動パワートレインの組み合わせにより、特にパワフルな駆動力と卓越した性能を実現している。

パナメーラターボS E-ハイブリッド

新型パナメーラターボS E-ハイブリッドは、これまでに生産されたパナメーラの中で最もパワフルなモデルとなる。V8ツインターボエンジンの出力は441kW(600PS)、ハウジングとPDKの冷却回路に完全に統合された電気モーターの出力は140kW(190PS)。先代モデルに比べ、システム出力は75kW(102PS)上回る575kW(782PS)、システムトルクは150Nm上回る1,000Nmになっている。その結果、パナメーラターボ S E-ハイブリッドは、静止状態から100km/hまで2.9秒で加速し、最高速度は325km/hに達し、それぞれ先代に比べ0.5秒と25km/h向上した。

同時に新型パナメーラターボS E-ハイブリッドは、駆動効率にも優れている。ハイブリッドパワートレインは、先代に比べより長い電気航続距離、より高速な充電、より俊敏な応答性を提供。総容量25.9kWhの高電圧バッテリーは、先代のバッテリーよりも45%多くのエネルギーを蓄える。これにより、この最もパワフルなパナメーラの電気航続距離は最大88km(WLTP EAER City、EU仕様)になる。さらに、回生出力が88kWに増加し、パナメーラターボS E-ハイブリッドは、完全電動モードでこれまで以上に効率的に走行できる。

ターボモデル特有のデザイン

パナメーラターボS E-ハイブリッド

ターボモデルは、特徴的なリアバンパーとボディカラー同色のフロントエンドにより、モデルラインのトップパフォーマーであることが強調されている。リアでは、ダークブロンズのクロームメッキ仕上げのテールパイプがターボの外観を完成させる。さらにターボS E-ハイブリッドには、イエローのブレーキキャリパーのポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)が標準装備され、E-ハイブリッド特有カラーのアシッドグリーンも用意されている。

パナメーラターボS E-ハイブリッド

またエレガントなメタリックグレーのターボナイトは、ターボモデル専用カラー。パナメーラターボS E-ハイブリッドでは、車両フロントのエアブレード、リアバンパーのストリップ、鍛造21インチパナメーラターボSセンターロックホイールにこのカラーを採用している。さらにトリムストリップやベルトストラップ、センターコンソールのコントロールパネル、ステアリングホイールなど、インテリアにもターボナイトが使用されている。加えてシート、ドアパネルトリム、ダッシュボード、フロアマットには、ターボナイトのコントラストステッチが施され、ルーフライニングはスエード調のRace-Texとなる。

パナメーラターボS E-ハイブリッドが打ち立てた記録

パナメーラターボS E-ハイブリッド

新型パナメーラターボS E-ハイブリッドは、発売前から新記録を樹立していた。ポルシェのテストドライバー、ラース・ケルン氏(36歳)は、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(20.832km)をわずか7分24秒172で走破した。ポルシェは、この公認タイムによりNürburgring 1927 GmbH & Co. KGの公式ランキングにおいてエンジン搭載ハイブリッドのトップクラスサルーン車として最速記録を樹立し、同クラスの従来の記録を3.62秒更新した。2024年7月12日にこのレコードラップを達成したとき、ドライバーを保護するために、パナメーラにはレーシングシートとセーフティケージが装備されていたが、それ以外の仕様は市販モデルと同じだった。なおラース・ケルン氏は、すでに2016年と2020年にパナメーラでノルドシュライフェのクラス記録を樹立しており、最近ではパナメーラターボSで記録を打ち立てた。パナメーラターボS E-ハイブリッドは、2020年のラップタイムを5.64秒短縮したことで、この4ドアスポーツカーのさらなる進化を証明した。

最も俊敏なパナメーラ:GTS

パナメーラGTS

パナメーラGTSの「GTS」は、グランツーリスモスポーツを表す。GTSのバッジが付いたモデルは、日常的な使いやすさに加えてさらなるスポーツ性と最大限のドライビングプレジャーを提供する。この理念に沿うパナメーラGTSは、ハイパフォーマンス向けにチューニングされたシャシー、専用のスポーツデザインパッケージ、スポーティで高品質なインテリアによっても際立つ。トップクラスのスポーツサルーンの中でも特にダイレクトで俊敏なモデル。パワフルで総合的にアップグレードされたV8ツインターボエンジンは、パナメーラGTSの強烈なドライビング体験において重要な役割を果たす。直線的なパワー伝達は、エンジン回転数が6,000rpmを超えてもはっきりと感じることができる。このエンジンは、先代を20PS上回る368kW(500PS)の最高出力を発生。その結果、ドライビング性能とダイナミクスが向上して効率がさらに高まった。静止状態から100km/hまで3.8秒で加速し、最高速度は302km/hに達する。さらにパナメーラGTSに標準装備されているスポーツエキゾーストシステムは、パワフルでエモーショナルなサウンドを生み出すために特別に開発された。

パナメーラGTS

そしてパナメーラGTSに標準装備されるデュアルチャンバー2バルブエアサスペンション(PASMを含む)には、特にスポーティなチューニングが施されている。10mm低くなったボディと強化されたスタビライザーによって、さらにダイレクトなドライビング体験を実現。電子制御PTV Plusディファレンシャルロックは、ホイール間のトルク配分を最適化。これらの対策を組み合わせることで、回転数の全域にわたってピッチとロールを低減してボディの安定性を高め、快適性を大きく損なうことなく俊敏な挙動が得られる。

GTSスタイルの専用デザインと装備

パナメーラGTS

ポルシェGTSは、すべてのモデルラインと同様に、特有のスポーティなデザインで識別することができる。ボディの両サイドとリアのブラックのGTSロゴ、独特なフロントセクション、ダークティンテッドHDマトリックスLEDヘッドライトおよびテールライト、そしてレッドのブレーキキャリパーがパナメーラGTSを紛れもない存在にしている。標準装備スポーツパッケージのサテンマットブラックのボディトリムエレメントには、サイドスカート、フロントエリアのインセット、サイドウインドウトリム、リアバンパーが含まれる。そしてスポーツエキゾーストシステムのテールパイプはダークブロンズで、刺激的なコントラストを生み出す。さらにアンスラサイトグレーの21インチ ターボSセンターロックホイールがさらなるアクセントを加える。

パナメーラGTS

インテリアでは、ルーフライニング、アームレスト、ドアパネル、および18way調節機能付アダプティブスポーツシートのセンターパネルに、スエード調のRace-Texを贅沢に使用している。さらにカーマインレッドまたはスレートグレーネオの2つのGTS専用インテリアパッケージも用意されており、デコレーティブステッチとシートベルトも選択したパッケージのカラーとなる。またマットカーボンのインテリアパッケージも利用可能。なおパナメーラGTSの標準装備には、Boseサウンドシステム、ストップウォッチとプッシュ・トゥ・パス機能を備えたスポーツクロノパッケージも含まれている。

このパナメーラターボS E-ハイブリッドとパナメーラGTSは、第3世代パナメーラの特徴である多数の新機能を装備している。新機能には、ポルシェドライバーエクスペリエンスコントロールコンセプト、高解像度で特に遠くまで届くHDマトリックスLEDライト、Apple CarPlayの高度の統合など包括的に拡張された接続機能、助手席側ディスプレイ(オプション)のビデオストリーミング、スマートフォンアプリを使用した車外からの駐車オプションが含まれる。

関連情報:https://www.porsche.com/japan/jp/models/panamera/panamera-models/panamera/

構成/土屋嘉久

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