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2024.11.01

ロールス・ロイスが映画「007/ゴールドフィンガー」の60周年を記念した1台限りの「ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガー」を公開

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、1964年のジェームズ・ボンド映画「007/ゴールドフィンガー」にオマージュを捧げた、1台限りの「ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガー」を発表した。

これまで007シリーズには、総勢12台のロールス・ロイスが登場しているが、映画公開60周年を記念して公開されたこの1台のインスピレーションとなったのは、同名の悪役、オーリック・ゴールドフィンガーが所有する1937年型の「ファントムIII セダンカ・ド・ヴィル」。今回の「ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガー」は、この不朽の名作のプロットや象徴的な要素にちなんだ精巧で創意工夫に富んだビスポークにより、映画のストーリーを巧みに反映している。

このビスポーク・モデルには、ロールス・ロイスがこれまで手掛けてきた1台限り作品の中でも最も高度に設計されたビスポーク仕様が盛り込まれており、それぞれが映画のプロットと関連している。フルカ峠で撮影された有名なシーンにインスピレーションを得た複雑な造形のギャラリーから、トランク内に据え付けられた、オーリック・ゴールドフィンガーがジェームズ・ボンドと初めて出会ったときに登場したゴルフクラブを彷彿とさせる黄金のパターまで、エレガントで遊び心のあるビスポークが散りばめられ、完成に3年の歳月を要した。

エクステリア

ゴールドフィンガーの愛車への現代的なオマージュとして、ロールス・ロイスのペイント・スペシャリストたちは、映画で使用された1937年型ファントムIII セダンカ・ド・ヴィルのエクステリアカラーのイエローを正確に再現した。ブラックのペイントが、ゆったりとしたコーチワークをひと続きのグラフィックとして包み込む、独自の「ロングサイド」ツートン・デザインも開発。

ブラック仕上げの21インチのホイールにはシルバーの「フローティング」ハブキャップが装着され、映画に登場する1937年型ファントムIII セダンカ・ド・ヴィルのホイールのデザインを彷彿とさせる色調を用いた繊細なコントラストが表現されている。

さらにファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーの先端を飾るスピリット・オブ・エクスタシーも、映画のストーリーラインをさりげなく示唆する特別な仕上げが施されている。映画では、悪役のオーリック・ゴールドフィンガーが自身のファントムのボディ・パネル内に金塊を潜ませ密輸していた。これにちなみ、スピリット・オブ・エクスタシー像をシルバーで覆って純金の本体を隠しているかのように、一部に金をのぞかせている。実際には金に銀メッキ加工を施すことはできないため、ロールス・ロイスの職人たちは純銀製のスピリット・オブ・エクスタシーに18金で巧みに金加工を施すことで、「ゴールド・リビール(露出する金)」効果を実現している。

隠された金塊をイメージしたインテリア

映画「007/ゴールドフィンガー」に敬意を表し、ロールス・ロイスのデザイナー、エンジニア、職人からなるビスポーク・コレクティブは、18金と24金を用いた極めて精巧なディテールや仕様をいくつか生み出した。そのひとつが、フロントシート間のセンターコンソールに用意された隠された保管庫。これは、ファントムの「スピードフォーム」(車体デザインを示すミニチュアの模型)で成形された、イルミネーションで照らされる18金の輝く金塊を収められるようデザインされた。

さらにフロントとリアのセンター・コンソールのベース部分も、グローブボックスの内側と同様に、洗練されたゴールド仕上げになっている。グローブボックスの内側のリッドには、ゴールドフィンガーの象徴的な台詞「This is Gold, Mr Bond. All my life, I have been in love with its colour, its brilliance, its divine heaviness(これが金ですよ、ボンドさん。私は生涯にわたってこの色、この輝かしさ、そしてこの神聖な重厚感に心奪われてきました)」があしらわれている。

また車内全体のエアベントと「オルガン・ストップ」にも、光沢のあるゴールド仕上げが施されています。スピーカー・フレットも同じゴールド仕上げで、映画のタイトルが刻まれている。トレッドプレートは、映画に登場するゴールドバーを模したデザインで、1964年に映画のために作成されたフォントがあしらわれている。加えて、24金メッキが施されたVINプレートには、特別に取得された車両識別番号が刻まれており、その末尾は「007」となっている。

フルカ峠ギャラリー

フロント・フェイシアの全幅に渡るギャラリーに配されたビスポークのアートワークは、この1台のまさにセンターピースとなる。手描きで作成された立体的なデザインは、フルカ峠の等高線地図を精密かつ芸術的に表現。映画では、ジェームズ・ボンドがこの伝説的な峠の道を通りオーリック・ゴールドフィンガーを追跡し、スイス・アルプスにあるゴールドフィンガーの製錬所へと向かうシーンが描かれている。

このアートワークに使用されているステンレススチールのダークな色合いは、PVD加工(物理的蒸着法)で実現されており、暗色の基材に等高線や標高を示す数字を刻み、その下に輝く金属の層を露出させている。フルカ峠も、下の金メッキ仕上げの層が露出するようにステンレススチールの層から切り出されている。

この非常に複雑な仕様の開発は、1年にわたって綿密に進められ、ビスポーク・コレクティブは完璧な仕上がりを目指して、10個に上るプロトタイプを製作した。このアートワークの中央に配されたビスポークのクロック・サラウンドは、「007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号」(1962年)以降のすべてのジェームズ・ボンド映画で使用されており瞬時に007作品だと識別できる「ガンバレル・シークエンス」にインスピレーションを得ている。

フルカ峠スターライト・ヘッドライナー

この特別モデルは、印象的なフルカ峠のシーンにさりげなくオマージュを捧げている。ロールス・ロイスのビスポーク・コレクティブは、ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーのスターライト・ヘッドライナーを、スイスでの撮影最終日だった1964年7月11日にフルカ峠の上空に広がっていた星空を完璧に再現するようにデザインした。719個の星は微妙なゴールドの色合いを帯びて輝き、それをさらに8個の「流れ星」が取り囲んでいる。なおすべての星は、ひとつひとつ手作業で配置されている。

ピクニックテーブルに描かれた金塊保管庫への地図

ロイヤルウォールナットのピクニックテーブルには、米国の金塊保管庫のあるフォートノックスの架空の地図が描かれた、奥行きわずか0.1mmの22金のインレイが施されている。6か月の開発期間を要し、3つのプロトタイプを経て完成したこのデザインには、「グランドスラム計画」でゴールドフィンガーが攻撃を計画していたゴールド・ヴォールト・ロード、ブリオン・ブールバード、金塊保管庫といった劇中に登場する主要な場所の位置が描かれている。

ゴールドが映えるインテリア

ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーの内装は、オリジナル版のインテリアの配色にインスピレーションを得たゴールドのディテールが映えるように選ばれた、エレガントで洗練されたネイビーのレザーとロイヤル・ウォールナットのウッドパネルで仕立てられている。

さらにリア・スイートには、リクライニング・セレニティ・シートが用意され、ゴールドのステッチとパイピング上部の金色の「銃弾」、ゴールドの「RR」のモノグラムがあしらわれたヘッドレストでさりげなく飾られている。

精緻なディテール

劇中でジェームズ・ボンドがゴールドフィンガーと初めて対面したのは英国バッキンガムシャー州のストーク・パークで、そこでボンドはゴルフの勝負を持ちかける。ゴールドフィンガーが使用するのは、部下のオッドジョブが大切に警護する金のパター。ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーでは、この金メッキのパターが再現され、トランク・リッドの裏側に取り付けられている。パターには、劇中でゴールドフィンガーが身に着けていたシグネットリングの刻印にインスピレーションを得て特別にデザインされた「AG」のモノグラムがあしらわれている。

そしてボンドは、ゴールドフィンガーのファントムIIIの周辺に誰もいない隙を狙い、Q支部から支給された発信器を車に仕掛け、それを手がかりにヨーロッパ各地でゴールドフィンガーを尾行する。このシーンにちなみ、ビスポーク・コレクティブはオリジナルのガジェットに着想を得て、トランクを開けたときにトランク内のフロアにさりげなく007のロゴを投影する装置を開発した。

さらにストーク・パークのシーンでは、ボンドはファントムIIIに発信器を仕掛けているところを、ゴールドフィンガーの金のゴルフクラブとハーレクイン柄の傘をトランクに積み込もうとやってきたオッドジョブに危うく見つかりそうになってしまう。2024年型のファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーのリア・ドアに収められた傘は、劇中の傘と同じレッド、ブルー、グリーン、イエローの配色で仕上げられている。最後の仕上げに、映画でゴールドフィンガーのファントムIIIに装着されていた英国の希少な「AU1」のナンバープレートを取得。「AU1」は元素周期表における金の化学記号に由来する。このナンバープレートは、ロールス・ロイスのコレクターでもある英国のオーナーのもとに納車されたファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーのものとして、今後も使用され続ける。

■ロールス・ロイス・モーター・カーズ 最高経営責任者 クリス・ブラウンリッジ氏のコメント

「ロールス・ロイスでは、可能性の境界を再定義し、真のラグジュアリーの本質を明確にする、パーソナルな価値を深く反映したマスターピースを生み出すことに取り組んでいます。すべてのクリエーションには、常にお客様の期待を超えるような、卓越した唯一無二の自動車を提供するという私たちの揺るぎない決意が反映されています。この特別なプロジェクトは、クリエイティブチームにとって想像力を存分に発揮できる刺激的な挑戦となりました。最終的な作品は、コラボレーションの力と、私たちのデザイナーや職人、エンジニアたちの卓越した才能の結晶です」

■ロールス・ロイス・モーター・カーズ 英国・欧州・ロシア・中央アジア担当リージョナル・ディレクター ボリス・ウェレツキー氏のコメント

「私たちのビスポーク・コレクティブが映画公開60周年を祝福するというアイデアを見事に取り入れるのを目の当たりにできたのは、まさに素晴らしい体験でした。ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーの洗練されたデザインを通じて、この映画の素晴らしいストーリーが巧みに表現されています。私たちの創造性は自動車の製作にとどまらず、お客様とそのご家族に贈る特別な体験にも及び、また、ゴールドフィンガーのテーマに対する忠実さを一貫して貫いています。お客様との深い関わりを通じ、長く心に残る印象を創り出すこの卓越した能力こそが、私たちを真のハウス・オブ・ラグジュアリーたらしめるものです」

■ロールス・ロイス・モーター・カーズ 最高経営責任者 クリス・ブラウンリッジ氏のコメント氏のコメント

「ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーの実現は、ビスポーク・コレクティブがこれまで手掛けてきた中でも最も創造性に満ちたプロジェクトのひとつでした。映画の最も印象的な瞬間を取り入れたエレガントで遊び心のあるさまざまな要素は、既存の物語に新たな章を加えるビスポークの力を見事に証明しています。このコレクターズ・ピースを生み出すクリエイティブチームの一員であることを心から光栄に思います」

関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/ja_JP/home.html

構成/土屋嘉久

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