TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、世界中のレーシングチームやドライバーからのフィードバックを活用し、パフォーマンス、信頼性、操作性を向上させた「GR スープラ GT4 EVO2」を発売した。
GR スープラ GT4は、2020年の発売以来、レース関係者の支えにより、累計販売台数は120台に到達。レーシングチームやドライバーの活躍により、これまで11の国や地域のGT4シリーズ戦、および国際レースで勝利、500回以上表彰台を獲得しており、アジア、アメリカ、ヨーロッパの3地域でクラス別シリーズチャンピオンになっている。
以前の2023年シーズンの「GR スープラ GT4 EVO」へのアップデートでは、ブレーキ、ハンドリング、エンジンのパフォーマンスを向上させ、様々な経験レベルのドライバーにとって運転しやすいクルマに仕上げた。しかし、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」に終わりはなく、その後も世界中のレース現場へ赴き、レーシングチームやドライバーによりレースという極限状態でしか得られない貴重なフィードバックを受けた。そうしたご意見を開発に生かす「ドライバーファーストのクルマづくり」を進め、2025年シーズンには、さらにパフォーマンス、信頼性、操作性を向上させた「GR スープラ GT4 EVO2」を導入する。
そして具体的には、タイヤの種類、摩耗状況やコースコンディションに応じて最適なブレーキング、およびコーナリングができるように、様々なドライバーの日欧サーキットでの走り込みを通じてABSのマップをきめ細やかに再チューニング。加えて、ソフトのアップデートにより回転数制御のさらなる見直しを行うことでシフトダウン時間を短縮した。これによりブレーキング時の減速コントロール性を改善し、コーナリングスピードの向上につなげている。
また、エンジン、ブレーキ、ドライブトレーンの各冷却性能の向上に加え、コックピット温度の最適化を図ることで、過酷なコンディションでも運転しやすく、高いパフォーマンスを維持し続けられように改善した。これらの改良により、プロドライバーだけでなく、世界中のGT4レースに意欲的に参戦するアマチュアドライバーも運転しやすいクルマに仕上げている。
この「GR スープラ GT4 EVO2」は、2025年1月、デイトナ24時間レース併催のIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジの第1戦で世界デビューする予定となっている。なお、各地域におけるGT4車両の販売及びカスタマーサポート(スペア部品の販売やお客様への技術サポート)は、欧州はTOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH、北米はTRD U.S.A., INC.、日本・アジアはトヨタカスタマイジング&ディベロップメント、中国はToyota Motor (China) Investment Co., Ltd.が担当する。
20万2000ユーロ
全長:4,460mm
全幅:1,855mm
ボディ構造:高剛性ロールケージ付スチール及びアルミボディ(FIA規則に準拠)
フロントスポイラー:天然繊維コンポジット
リヤウイング:天然繊維コンポジット
燃料タンク:120L FT3安全タンク(ATL製)
ドライバーシート:レーシングバケットシート(OMP製)、6点式シートベルト(FIA 8862-2009)
タイプ:直列6気筒ターボチャージャー
排気量:2,998cc
最高出力:SROのBOPによる(SRO BOPの調整にはUSBパワースティックを使用)
最大トルク:660Nm
エンジンECU:マニエッティ・マレリ製レーシングECU
排気システム:アクラポヴィッチ製レース用排気システム+メタル触媒
潤滑油:ラベノール製オイル
トランスミッション:オートマチック トランスミッションパドルシフト付(ZF製)
ディファレンシャル:レース用機械式リミテッドスリップデフ(DREXLER製)
ドライブシャフト:レース用ドライブシャフト(GKN製)
フロントサスペンション:マクファーソンストラット
リヤサスペンション:マルチリンク
アブソーバー:レース用調整式(KW製)
ステアリング:電動式ラックアンドピニオン
ブレーキ(フロント):6ピストンレーシングキャリパー(Brembo)、Φ390スチールディスク
ブレーキ(リヤ):4ピストンレーシングキャリパー(Brembo)、Φ355スチールディスク
フロント/リヤ タイヤ:305/660-18/305/660-18(Pirelli)
ホイール:11×18インチ(OZ製)