40分ほど急速充電をしている間、スーパーでサンドイッチを購入してランチを食べた後、目的地の「サンタ・リタ・ヒルズAVA」へ向かう。サンタバーバラカウンティにはワインエリアが数カ所点在しているが、サンタ・リタ・ヒルズAVAではシャルドネ、ピノ・ノアール、シラー種のブドウを使用したワインが有名。
まず、一軒目訪れたワイナリーは「Babcock」。広い倉庫の中に試飲カウンターが数カ所あり、ワイン関連の雑貨のほかにも、アンティークな家具やレコードが販売され、オーナーの趣味が詰まったワイナリーである。
ちなみに日本では醸造所やワイナリーで試飲をする場合は無料のことが多いが、アメリカでは試飲は有料である。試飲の料金はそのワイナリーによって値段は異なるが、物価高は試飲価格にも影響が出てきているようで、以前は$10前後であったが、このエリアのほとんどのワイナリーは5~6杯の試飲で$30と、「試飲?」というような値段になっていることに驚いた。
しかし、今日は運転がないのでワインが飲める。ワインナリーでスタッフの人に話を聞きながら飲むワインは格別であった。
ゆっくり1件目のワイナリーでワインを堪能した後は、そこでおすすめされた近くのワインナリーへ移動。アメリカのワインエリアのほとんどは、狭い範囲にワイナリーが集中しているので、ワイナリーのハシゴができるところが楽しい。
2軒目のワイナリー「SPEAR」は4年前オープンしたシックなワイナリー。最近オープンしたこともあり、駐車場には無料のEV充電スタンドがあり、そこで充電をしながら試飲。
ここのワインも主にシャルドネ、ピノ・ノアール、シラー種のワインが多く、広々とした試飲スペースでくつろぎながら試飲を楽しんだ。
ここの充電スタンドは急速充電ではなかったため、1時間ほどで10%しか充電ができなかったが、90%ほどの充電が残っていたため、帰りはそのまま充電せずに帰ることができた。
今回初めて電気自動車で遠出をして感じたのは、「日本よりEVのインフラが整うアメリカでも、ガソリンスタンドのようにEVステーションのが増えない限り、長距離移動には不便。また、充電時間がかかるため、時間に余裕がなければならない」ということだった。
しかし、今の電気自動車は1度の充電で200マイル(300キロ)ほど走れるような車も増えてきており、シティーユースで利用するのは、ガソリン代よりも安くエコで便利。
ただし、アメリカは土地が広いため、「ちょっとそこまで」の距離が長い。我が家も1台は電気自動車にかえようかと考えているが、「もう少しEVステーションのインフラが整った後でもよいかな」と今回の旅で思った。
文・写真/舟津カナ
アメリカ・ロサンゼルス在住のアウトドアライター。日本で編集プロダクションに勤務後、結婚でアメリカへ移住。週末問わず愛車ラングラーで愛猫とともにキャンプやオフロードに向かう。趣味はビンテージのアウトドアギア収取。
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