試乗車が搭載していた3ℓ直6ディーゼルターボのフィーリングが極上の部類にあるのも嬉しいところ。マイルドハイブリッドシステムのモーターとのマッチングもよく、低速から十分なトルクを発揮して2.5トン近いボディを軽々と押し進め、それでいて不快になるような音や振動をキャビンにまったく伝えてこない。パワートレイン自体は先代の後期型から採用されたシステムのキャリーオーバーではあるものの、ディーゼルエンジンとしては最良の部類に入るマナーのよさを備えている。今夏には標準仕様のガソリン搭載車も上陸するというから、この組み合わせも楽しみである。
内外装の仕立てのクオリティの高さはレンジローバーにまったくひけを取らず、フラット感に溢れるフットワークの良さと極上の乗り心地を両立し、そのうえで悪路も厭わない頼もしさに溢れているのが新しいレンジローバー・スポーツだ。雲の上に乗っているかのような柔らかなレンジローバーのドライブフィールも捨てがたいが、余計な姿勢変化を排除した安定感の高さは、スポーティセダンやスポーツカー好きの琴線にも触れるもの。スポーツラグジュアリーSUVとして一級品のパフォーマンスを備えたレンジローバー ・スポーツは、多くの人に自信を持って薦められる一台である。
全長×全幅×全高:4,960×2,005×1,820mm
車両重量:2,450〜2,530kg
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
最小回転半径:6.1m(4輪操舵付きは5.3m)
エンジン:水冷直列6気筒DOHCディーゼルターボMHEV 2,993cc
最高出力:221kW(300PS)/4,000rpm
最大トルク:650Nm(23.2kgm)/1,500〜2,500rpm
MHEVモーター
最高出力:13kW(18PS)/5,000rpm
最大トルク:42Nm(4.3kgm)/2,000rpm
WLTCモード燃費:11.3km/ℓ
車両本体価格:¥ 10,680,000~(税込み)
問い合わせ先:ランドローバーコール
TEL:0120-18-5568
文/桐畑恒治(AQ編集部)