そんな「フライングスパーV8」4シーターで試乗に出かけた。前席センターコンソールにあるドライビングモードダイヤルの中心にスタート・ストップボタンがある。ボタンを押し、V8エンジンを目ざめさせる。低重音のサウンドがエキゾーストから流れる。
8速ATのシフトをD/Mに入れる。ドライビングモードは、標準を表わすB(ベントレー)モード。まだ800kmしか走行していない新車は、スルスルと動き出す。トルクは1800回転あたりから太くなる。着座位置はやや低め。ドライバーズカーらしいポジションだ。街中では6速1200回転、60km/hでも何のストレスもなく走る。ブレーキは初期制動がやや甘めなのが気になる。乗り心地はやや硬め。C(コンフォート)モードに切り替えると、カーブでの傾きが大きくなる。S(スポーツ)モードではソリッド系の硬さに切り替わる。街中ではCモードか。
そして、高速道路。最高速318km/hは、テストコースでも試せないが、0→100km/h加速はカタログ値に近い4秒台を計測した。それも、ごくしれっと加速した、という感じ。改めてベントレーの動力性能の凄さを体感した。高速走行ではSモードがいい。直進時の安定感が違う。ドライバーズカーとしてつくられたというV8モデルらしさは、高速走行で移動するときに発揮される。日本でのメーカー小売希望価格は、2646.5万円。ハイエンドドライバーズカーの最右翼といえる。
■関連情報
https://www.bentleymotors.jp/models/flying-spur/flying-spur/
文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博