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2026.03.06

フェラーリがWEC世界タイトル連覇を目指す「499P」の2026年リバリーを公開

フェラーリは、FIA世界耐久選手権の2026年シーズンを正式に立ち上げ、499Pの新リバリーを公開した。早くも歴史の一部となった2025年シーズンは、マニュファクチャラーとドライバーの両世界タイトルを獲得し、忘れがたいものとなった。連覇を目指してフェラーリーAFコルセチームから出走する499Pのアップデート版リバリーは、2026年2月25日、モデナのムゼオ・エンツオ・フェラーリで行われたイベントで発表された。

発表イベントは一般に公開され、フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャ、マーケティング&コマーシャル最高責任者のエンリコ・ガリエラ氏、製品開発最高責任者のジャンマリア・フルジェンツィ氏、耐久レースおよびコルセ・クリエンティ・グローバル責任者のアントネッロ・コレッタ氏、耐久レースカー責任者のフェルディナンド・カンニッツオ氏に加え、499Pの50号車・51号車に搭乗する正ドライバーが、ティフォシの歓迎を受けた。

リバリーに描かれた FIA世界耐久選手権の月桂冠は、感動を呼び起こすシンボルであり、最高のパフォーマンスを目指すチームにとっては、さらなるモチベーションの源泉となる。この月桂冠は、左右のフロントフェンダーを飾る跳ね馬のシールドの下にはっきり見える。2台のスポーツプロトタイプを託されるクルーは、4年連続で同じメンバーとなる。499Pの50号車は、アントニオ・フォコ選手、ミゲル・モリーナ選手、ニクラス・ニールセン選手が担当し、51号車は、アレッサンドロ・ピエール・グイディ選手、ジェームズ・カラード選手、アントニオ・ジョヴィナッツィ選手がドライブする。51号車のクルーは、2025年にドライバーズタイトルを獲得したため、そのドア・フィンには、FIAのドライバーズタイトルの月桂冠が描かれている。

499Pのリバリーは、さらなる進化を遂げしたが、ヘリテージに忠実な点は変わらず、引き続き1973年まで耐久レースを席巻した312Pにオマージュを捧げるデザインとなっている。フェラーリはその年を最後に、総合優勝を賭けた戦いから離れ、2023年に歴史的な復帰を果たした。この499Pのデザインは、フェラーリスタイリングセンターが手がけた。「ロッソ・スクーデリア」の赤が大半を占めているが、今年はマットではなく、新バージョンのグロス仕上げとなる。このカラーと仕上げは、F1世界選手権を戦うスクーデリア・フェラーリのHP SF-26とまったく同じ。ひと目で分かる赤は、1947年にエンツオ・フェラーリが創業して以来、会社のレースヘリテージを象徴してきた。これと組み合わせた色は、今回も「ジャッロ・モデナ」となる。これがボディワークのラインを描き出し、特に2026年は、コックピットのフォルムを際立たせている。

スタイリングについては、以前のバージョンと比べて2026年仕様で目立つのは、イエローの斜線が形成する矢の向き。このデザイン要素は、2023年のデビュー以来、499Pの特徴となっている。2026年は、その向きが逆になり、矢の先端が進行方向ではなくリアウィングを指している。これをフェラーリスタイリングセンターが選んだのは、コックピットの重要な役割を強調するため。マシンの中心を占める構造的要素であると同時に、デザイン要素としても極めて象徴的な存在だからとなる。

2026年のマシンに大きな技術的変更点はない。499Pのレースデビュー以来、利用したジョーカー(アップデート)は、2024年7月のサンパウロ・ラウンドでの1回のみとなる。しかしフェラーリは、ウインターブレイクの間、マシンの挙動とチーム運営をさらに洗練させるため、研究やデータ分析に励み、シミュレーターと実走の相関性の向上に徹底的に取り組んだ。499Pのパワートレインは、ミッドリアに搭載するツインターボV6内燃エンジンと、電動ユニット、フロントアクスルのERS (エネルギー回生システム)を組み合わせたハイブリッド・パワートレインを装備している。内燃エンジンは、特性こそ 499P専用だが、ロードカーで使われているマラネッ口の6気筒ファミリーから派生したものであり、レーシングカーとプロダクションモデルの技術移転を強調する確かな証しとなる。

2025年は、世界耐久選手権のマニュファクチャラーズタイトルを53年ぶりにマラネッロに持ち帰り、耐久レースの最高峰クラスにおけるドライバーの世界タイトルも初めて獲得した。フェラーリAFコルセチームは、新シーズンにあたり、全戦で競争力を発揮して、FIA WECのリーダーであることを証明しようと固く決意している。もちろん、競争がこれまで以上に激しくなることは覚悟の上。FIA世界耐久選手権のカレンダーは、全8戦で構成され、過去2シーズンと同じサーキットで開催されるが、開幕は2025年より1か月遅くなった。3月22~23日にルサイル・インターナショナル・サーキットで合同のプロローグ・テストが行われ、3月28日に開幕戦のカタール1812kmが開催される。その後の舞台は、4月19日イモラ(イタリア)、5月9日スパ・フランコルシャン(べルギー)、6月13~14日ル・マン(フランス)、7月12日サンパウロ(ブラジル)、9月6日COTA(アメリカ)、9月27日富士(日本)、11月7日サヒール(バーレーン)となる。

耐久レースおよびコルセ・クリエンティ・グローバル責任者 アントネッロ・コレッタ氏は、次のようにコメントしている。

「2026年の目標は、2025年につかんだリードを守ることです。簡単にはいかないでしょう。ライバルは競争力を増し、多くのチームがアップデートしたマシンを投入します。しかし、私たちは別のアプローチを取りました。499Pは、最高レベルで戦えるだけの競争力があると考えているからです。私たちは、1戦1戦を大切にするアプローチでシーズンに挑み、最良の結果を目指します。過去の業績にとらわれず、常に前を向くのが私たちの哲学です。2025年のように忘れがたいシーズンのあとでも、それは変わりません。昨年は、50年以上離れていた耐久レースの最高峰クラスで世界タイトルをマラネッロに持ち帰るという、特別な体験ができました。2026年は、たとえ物事が常に完璧に運ばないとしても、それに振り回されたりせず、最大の集中力でシーズンに挑みます。経験豊富なドライバーばかりですから、世界チャンピオンとしてシーズンに臨むことを重荷に感じる者はひとりもいないと確言しています」

耐久レースカー責任者 フェルディナンド・カンニッツオ氏は、次のように語っている。

「私たちに改善策を最も明確に示してくれたのは、2025年に苦戦したレースでした。その一方で、マシンの再ホモロゲーションが行われましたし、使用するタイヤも新しくなります。FIAは、アメリカの新しい風洞で全マシンの再計測を行うと決めました。その結果、パフォーマンス・ウインドウ内の499Pの位置付けが変わったため、これを完全に理解し、セットアップを調整して対処する必要があります。そこで、私たちは空力パッケージを改良しました。限られた範囲の変更ではありますが、マシンの挙動にかなりの影響を与えるものです。新しいパフォーマンス・ウインドウ内で499Pの空力性能を取り戻すため、アンダーボディをはじめとする特定の領域について集中的に開発を行い、レギュレーションで規定されているドラッグとダウンフォースの目標値に合わせました。ウィンドウの変更で、空カマッピングの再キャリブレーションも必要になりました。そのため、常に 499Pの特徴だったバランスをもう一度見つける必要があります。新しいミシュランタイヤについては、風洞データと実走パフォーマンスの相関性を再度確立しなければなりませんし、マシン・セットアップとタイヤとの新しいマッチングも見いだす必要があります。今のところ、主にミディアム・コンパウンドをテストしており、全コンパウンドをしっかり試す機会はまだありません。タイヤのウォームアップは改善しましたが、全体的なマシンバランスへの影響を完全に把握するのはこれからです。選手権の開幕までには、この仕事を完了する予定です」

■50号車 アントニオ・フォコ選手のコメント

「新シーズンに向けた目標は、2025年と同様、1戦1戦、常に最善を尽くすことです。カレンダーは全8戦ですから、ミスを最小限に抑えつつ、できるだけ多くのポイントを全戦で積み重ねていくことが重要です。特にライバルは非常にハイレベルですし、競争も激しさを増していますからね。昨シーズンは好調のうちに終えたので、その勢いをカタールでの開幕戦につなげることが目標です」

■50号車 ミゲル・モリーナ選手のコメント

「50号車のクルーは、3年連続で一貫してよい結果を出し、選手権をトップ3で終えました。今年もタイトル争いに絡むことを目指しています。自分たちの立ち位置は、シーズンが開幕すれば分かるはずです。鍵を握るレースは開幕戦のカタールです。そこで、ウインターブレイク明けの最初の手がかりが得られるでしょう。また、歴史ある栄光のル・マンも重要ですが、何よりも大きいのはダブルポイントを得られる点です。これは、できるだけよい状況でシーズン終盤を迎えるために欠かせません。今年もサンパウロと富士は、最もチャレンジングなレースになるでしょう」

■50号車 ニクラス・ニールセン選手のコメント

「3シーズンにわたって烈な戦いを繰り広げただけに、当然、目標は世界チャンピオンになることです。ここまで、耐久レースの最高峰で、信じられないほど素晴らしい旅をしてきました。2023年以来、あらゆる面で見事な進歩を遂げ、マシンの競争力も折り紙付きですからね。今後の鍵は、このよい流れを生かして成長を続けることです。また、ほかのサーキットより苦戦した、富士やサンパウロといったコースでの向上も目標のひとつです。これまでの経験がものをいうでしょう。僕たちは2023年から499Pでレースをしてきましたが、チームにもドライバーにも、新たに学ぶことは常にあります」

■51号車 アレッサンドロ・ピエール・ゲイディ選手のコメント

「チャンピオンになって新シーズンを迎えるのは、もちろん素晴らしいことですし、大きなエネルギーが湧いてきます。しかし、全員が再び0ポイントからスタートし、いいパフォーマンスを発揮する可能性が全員にあることも、よく分かっています。そもそも、タイトルを守ることはタイトル獲得より難しいものです。それは、GTレースでチャンピオンになるたびに経験しました。2026年の目標は、昨年の結果を基にさらに成長することです。できれば、表彰台で終えたル・マンで、もっとよい結果をつかみたいですね。ほかのレースも改善する余地はまだあります。昨年のカタールでは非常に速かったので、そのパフォーマンスを再現し、選手権をよい形でスタートできることを願っています」

■51号車 ジェームズ・カラード選手のコメント

「僕たちには競争力のあるマシンがあり、チームも強力で団結しています。2026年の目標は再びチャンピオンになることですが、それがいかに厳しい挑戦であるかは承知しています。全8戦のカレンダーでは、一貫性が欠かせません。とりわけル・マン24時間レースは、ダブルポイントが与えられるので、その結果が最終順位を左右する可能性があります。2025年は、タイトルを獲得できたとはいえ、シーズン中にいくつかミスを犯し、ペナルティーも何度か科されました。さらに向上し、ミスの数を最小限に抑えるためには、そうした面を頭に入れて前進する必要があります」

■51号車 アントニオ・ジョヴィナッツィ選手のコメント

「2025年は素晴らしい1年で、フェラーリと共に世界チャンピオンになるという、子どもの頃からの夢がかないました。現チャンピオンとして2026年シーズンに臨みますが、昨年成し遂げたことを繰り返すのは容易ではないでしょう。すべてのライバルが僕たちを倒そうと意気込んでコースに戻ってきます。選手権が開幕するカタールで、フェラーリは2025年に見事な1-2-3フィニッシュを飾りました。シーズン開幕戦は、自分たちとライバルのレベルを見極める重要な機会になるでしょう。1年で最も重要なのはル・マンでのレースですが、2025年にティフォシの目の前で勝利をつかめたイタリアのイモラ6時間も、同じくらい楽しみにしています」

関連情報:https://www.ferrari.com/ja-JP/

構成/土屋嘉久

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