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2025.05.06

最高出力は727PS!伝統の「S」を冠したアストンマーティン「DBX」のフラッグシップモデルの全貌

アストンマーティンは、「DBX」の新しいフラッグシップとなる「DBX S」を発表した。「DBX707」のダイナミックな魅力と、登場間近のスーパーカー「Valhalla(ヴァルハラ)」の技術を直接受け継いで強化されたエンジンを持つ「DBX S」は、これまで以上のパワーと軽量化を実現し、存在感を主張するデザインで、最高に夢中になれる応答性の高い走りを堪能できる。その走りにマッチするエクステリアとインテリア両方の新要素が、「DBX S」に紛れもない個性を持たせている。

この「DBX S」は、モデル名の末尾に「S」を付けることで既存モデルの特別ハイパフォーマンス仕様バージョンを示す、2004年パリ・モーターショーで一般公開された「Vanquish S(ヴァンキッシュS)」にさかのぼるアストンマーティンの長い伝統を受け継いでいる。「DBX S」は、軽量・高出力・高性能のヴァリアントが今もアストンマーティンの中核を成す量産モデルの一部であることを証明し、ハイパフォーマンス・モデルの系譜を未来へとつなぐ。

新型「DBX S」の心臓部に鎮座するのは、評判の高いアストンマーティン4.0リッターツインターボV8エンジンのアップグレード版。今後予定されるスーパーカーの「ヴァルハラ」から直接受け継いだ大型コンプレッサーホイールをはじめとするターボテクノロジーとその他の内部的な改良によって出力はさらに20PSアップの727PSに達し、最高回転数でさらに急激な出力アップを実現してそのパフォーマンスをいっそう印象的なものにする。

その結果、0-62mph(0-100km/h)加速わずか3.3秒、0-124mph(0-200km/h)加速では0.3秒短縮を達成している。最高速度はこれまでの「DBX」と同じ、驚異的な193mph(310km/h)を誇る。さらにパフォーマンスとその表現の両方の印象を深めているのが、改良が加えられたエキゾーストシステムで、V8エンジンの自然な轟きにこれまで以上に個性を加え、エンジンのターボ強化の成果を最大限発揮させている。

また同じファミリーの「DBX707」同様、「DBX S」もフロントとリアへの出力配分を変更できるようになっている。フロントへは最大50%、リアに対しては100%までものトルクを配分が可能。さらに革新的な9速「湿式クラッチ」トランスミッションを採用するため従来型のトルクコンバーターが不要で、停止状態からの発進で過激なパフォーマンスを実現。「DBX S」のギアボックスには、これまで以上にインパクトのある走りを実現する改良がほかにも加えられている。回転範囲の拡大を反映してギアシフトポイントの調整が行われ、オートマチックでのSportおよびSport +の各モードでのシフトダウンはさらにアグレッシブさを増している。

出力アップに加え、車両の軽量化についても数々の工夫が加えられているが、軽量化はその利点のひとつにしかすぎない。新しくオプションに設定されたカーボンファイバーのルーフがその好例で、アストンマーティンで使用されるものとしては圧倒的に最大級のカーボンファイバー部品である、3m近くに及ぶ見事な平織りのもの。仕様からルーフレールがなくなって18kg軽くなっただけでなく、車両の最も高い位置が軽量化されたことから重心が下に移り、安定性と敏捷性もさらに向上している。

さらに今回、SUVセグメントでは初めてマグネシウムホイールがオプション設定された。マグネシウムは強度が高いだけでなく驚異的な軽さを誇る素材で、スチールに比べて約75%軽く、チタンの半分の重さで、アルミニウムと比較しても約1/3の軽量化を図ることができる。オプションの23インチのホイールを選択した場合、バネ下重量をさらに19kg削減でき、乗り心地、ステアリングの精度とフィール向上に加え、インプットに対する即時の応答性も高められる。なお「DBX S」には、標準装備の23インチ鍛造アルミニウムホイールも用意される。

また「DBX S」のステアリングレシオも4%の向上ながら敏捷性は明らかに高まっており、よりスポーティーで応答性の高い感触を得られながら、ハンドリングにわずかな不安も感じさせない。最小回転半径も50cm近く縮小して12mと、都市部でのドライビングをより快適にする。そして「DBX S」は、昨年導入された全体的なサスペンション改良の恩恵も受けている。エアスプリングと電子ダンパーの両方のキャリブレーション調整でボディコントロールが向上し、重量移動が少なくなってプライマリーライドの乗り心地と全体的な安定性が良くなっている。

標準装備の電子ロールコントロールによって、自然なコーナリングのフィーリングを生み出しながら、安定感を保つ。選択されたドライブモードに合わせてスプリングレートも変更され、コーナー通過時にロール剛性のバランスを積極的に移動させてグリップを強化し、ステアリングのレスポンスを高める。フロント420mm、リア390mmもある強力なカーボンセラミックブレーキによって、どのコーナーでも安定したブレーキ性能が発揮される。

そのエクステリアは、アストンマーティンのデザインチームは、「DBX S」が最高にスポーティーで高い運動性能を持った、人を夢中にさせるウルトラ・ラグジュアリーなSUVであることを、それを目にした誰もが疑う余地もないものに仕上げた。

フロントでは、すぐにそれが新型「DBX S」であることがわかる、街中でも存在感を放つピュアブラックのvanedグリルが目を引く。その一方で、「DBS 770 Ultimate」にヒントを得た軽量ポリカーボネートのハニカムグリルもオプションで用意されている。さらに新しいスプリッターとディフューザー、特徴的なラップアラウンドデザインのデイタイムランニングライトが、生来の自信に満ちた存在感をいっそう高めている。

またサイドでは、新しいシルが極めて特徴的な上向きのエアスプリッターを際立たせている。アストンマーティンらしくデザイン性のみならず機能性も高いもので、車体の脇を通る空気の流れを集めて導く。サイドミラー、サイドストレーキ、ドアシルにはカーボンファイバーも選択可能。フロントフェンダーの「S」のバッジは、この強力なモデルの本質を示している。「V12 Vantage S」および「Rapide S」でも見られた「S」のバッジは、アストンマーティンの由緒あるウイングバッジと同様にガラスエナメル加工された金属製で、赤の「S」が埋め込まれている。バッジの周囲は、オーナーが選んだウイングの色に合わせ、ブライトクロームまたはダーククロームでプレーティング加工される。

そして新しいフラッグシップとなる「DBX S」で外観的に最も変わったのはリア。新しく縦に並ぶ存在感あるクアッド・エキゾーストはグロス仕上げとマット仕上げのいずれかを選べ、最大限の力を発揮するV8の壮麗なサウンドを鳴り響かせる。デザインが一新されたリアバンパーとディフューザーは、サイド・シルとウイングと共にカーボンファイバーを指定し、さらに7kgの軽量化を図ることができる。さらに「DBX S」では、ロッソ・コルサ・レッド、トロフィー・シルバー、ポディウム・グリーンの3色を指定できる、ボディ下部用の新しいカラーリングも用意されている。このスポーティーなカラーリングはフロント・スプリッター、ディフューザー、サイド・シルからリアに向かい、新しく縦に並ぶクアッド・エキゾーストを囲む。

「DBX S」のインテリアでは、ビスポークの「S」のテーマが展開され、中でも標準シートの特徴的なヘリンボーン模様が目を引く。オプションのカーボン・ルーフを選択した場合には、ヘッドライナーにも同じヘリンボーン模様が使用される。このヘリンボーンの線は、シートの上に行くほど幅が広くなってスピード感を表現しており、アストンマーティン最高性能のSUVにふさわしい演出となっている。

なお標準トリムでは、軽さを感じさせるアルカンターラをシート、ヘッドライナー、センターコンソール、ロア・インストルメントパネル、アッパートリムに使用している。シートボルスターなどの摩耗しやすい箇所では、アルカンターラと自然に調和するセミアニリンレザーが使用されている。さらにラグジュアリー感を高めたい場合には、トリムすべてにセミアニリンを使用することもできる。また、赤のシートベルトを選択して「S」の要素をインテリアに加えることもできる。

さらにシートには、モデル名の末尾に付く「S」が刺繍される。ヘッドレストには、極めて高い圧力(1.5トン)と熱でミリ以下の精度とディテールを実現する、エンボス加工とデボス加工の両方を用いた業界初の技術によってアストンマーティンのウイング模様がレザーに浮かび上がる。「S」はトレッドプレートとエンジンプラークにも見られ、全体をまとめている。アストンマーティン CEOの エイドリアン・ホールマーク氏は以下のようにコメントを寄せている。

「この2年間、アストンマーティンは次世代スポーツカーの新たな中核コレクションと新型DBXを新しく登場させてきました。そのどれもが、社内で設計された完全ビスポークの新しいインフォテインメントシステムを搭載しています。今後もクラス最高のパフォーマンス、ウルトラ・ラグジュアリーなデザインとイノベーションに重点を置きながら、各コアモデル下の製品ラインアップの拡大に取り組んでいきます。DBX Sは、最もエキサイティングで満足感を感じられる美しいクルマの創造を目指すアストンマーティンの決意を改めて示すだけではありません。DBXだけでなく、アストンマーティンというブランドに対して私たちが掲げる野心を強力に発信するものでもあります」

関連情報:https://www.astonmartin.com/ja/models/dbx-s

構成/土屋嘉久

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