はたして、どれくらいの人々がこのシステムを利用することになるのだろうか?共同所有することで、クラシックカーの魅力に触れ、さらに深く関わっていきたい、長く所有したいと考えるようになった人が、自分の1台を探して購入するようになるのかもしれない。
ただ、懸念も拭いきれない。クラシックカーは趣味や楽しみの対象となるものだから、はたして、本当に共同所有に向いているのだろうか。クラシックカーを所有する意味は、ただ運転して走らせることだけでなく、所有することでたくさんの楽しみを受け取ることができるところにあるからだ。
ランデヴーは、クラシックカーは毎日乗るものではないから同好の士と共同で所有したらどうでしょう?という提案を行なっている。だが、毎日乗らなくても想いは毎日寄せているのが趣味としてのクラシックカーなのではないだろうか。もともと合理性などとは最も遠いところにある存在なのだ。レンタカーやカーシェアリングとの違いがそこにある。
洗車や手入れなども面倒なことには当たらず、それ自体が体験であり、楽しみと変わっていくからだ。自分で工具を使って修理している過程で、昔のクルマならではの構造や設計などの違いを体得していくことにもなる。共同所有では、そこまで及ばないのではないか。面倒で厄介なトラブルが起きれば起きるほど、将来、それが思い出となった時には甘美なものに発酵している。
また、システムは良く考えられて改良されたようだが、次は共同所有した顧客たちが楽しめる機会を設けることが必要になるだろう。
創立者で代表取締役CEOの浅岡亮太氏は、「10月に、ラリーを予定しています」と答えていた。レンタカーやカーシェアリングの利用者が増えていったのと同じように、クラシックカーの共同所有は浸透していくのだろうか?新しい試みが普及するかどうか注目している。
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https://www.rendez-vous.tokyo/
文/金子浩久(モータージャーナリスト)