ランボルギーニは、ミラノデザインウィークにて、イタリアのモーターサイクルメーカーであるDucati(ドゥカティ)との協業により誕生した新型バイク「Ducati Panigale V4Lamborghini(ドゥカティ パニガーレV4 ランボルギーニ)」を発表した。なお同モデルの納車は、2025年9月に開始する予定。
イタリアを象徴する2大企業であるドゥカティとランボルギーニによるコラボレーションは、今回で3度目となり、両社は高度な技術、躍動感、特別感という価値観を共有している。世界を舞台にイタリアンエクセレンスを体現する2大ブランドは、どちらもエミリア地域の「モーターバレー」の中心部を本拠地とし、情熱、創意、専門技術を集結させ、二輪や四輪の芸術作品を次々と生み出している。
その事例の1つが、先代のDucati Streetfighter V4 Lamborghini(ドゥカティ ストリートファイターV4ランボルギーニ)やDiavel 1260 Lamborghini(ディアベル1260ランボルギーニ)であり、今回の新型ドゥカティ パニガーレV4 ランボルギーニも同様に、テクノロジーとパフォーマンス、美しさをひとつに融合し、すべての愛好家たちを一目で夢中にさせるコラボレーションになりそうだ。
今回のコラボレーションの主役は、各ブランドのラインアップで最高の性能と洗練さを誇る、ドウカティの最新世代のスーパーバイクのパニガーレV4Sと、スーパースポーツカーの世界に新たなパラダイムをもたらすランボルギーニのレヴエルト。どちらも各ブランドのスポーツ性能の究極形を示すモデルであり、両社の技術哲学とデザインへのアプローチを余すところなく詰め込んだ最先端高性能エンジン、Ducati Desmosedici Stradale と LamborghiniV12を搭載している。
このパニガーレV4のインスピレーションとなったのは、アウトモビリ・ランボルギーニ初のHPEV(ハイパフォーマンス EV)ハイブリッド・スーパースポーツカーとして、パフォーマンス、搭載テクノロジー、スリリングな走りで新しいベンチマークを打ち立てたレヴエルト。その絶対的なドライビングプレジャーは、新型V12エンジンと3台の高密度電気モーターに革新的な横置きデュアルクラッチギアボックスを組み合わせたパワートレインが発揮する合計出力1015hpが担い、レヴエルトはかってないパフォーマンスとスリルを提供。
またカーポンファイバーをはじめとする超軽量素材を広範に使用し、1.75kg/PSというランボルギーニ史上最高のパワーウェイトレシオを実現、0-100km/h加速はわずか2.5秒、最高速度は350km/h超という最高のパフオーマンスを実現している。ミラノデザインウィークに出展したレヴエルトは、ランボルギーニのデザインセンターとカスタマイゼーション部門のAd Personamの連携から生まれたシナジーの成果といえる。
ランボルギーニのChairman and CEOであるステファン・ヴィンケルマン氏は、次のようにコメントしている。
「ランボルギーニとドゥカティという、2つの見紛うことなきデザイン言語が出会うとき、私たちのイタリアンスピリットや美しさといった価値観が完璧に体現されます。このパートナーシップの中で、ドゥカティはレヴエルトのエクストリームスポーツ精神と特別感を巧みに解釈、再現し、ランボルギーニのDNAを体現する要素やディテールの特徴をバイクに組み込んでいます。こうして純粋なランボルギーニ・スタイルのパフォーマンス、興奮、性格を融合する独特な作品が生まれました」
パニガーレV4 ランボルギーニは、ドゥカティの新型V4Sを技術的基盤とし、エアロダイナミクスとデザインのバランスがとれた統合的アプローチや極めて印象的なシャーシ、ドゥカティ・ビークル・オブザーバー(DVO)やレースeCBSなどといったエレクトロニクスの大幅な革新から成る先進的なバイク。このパニガーレV4 ランボルギーニを生み出すために、ドゥカティのデザインセンターはランボルギーニのデザインセンターと共同作業を行い、レヴエルトからインスピレーションを得た特徴的なカラーリングと独特なディテールを設計し、630台限定の特別仕様のバイクを生み出した。
その鍛造アルミホイールは専用設計で、レヴエルトと同様のスタイルが特徴となっている。テールピースとウイングには、ドゥカティのデザイナーがサンタアガタ・ボロネーゼ発のスーパースポーツカーレヴエルトのラインを再設計した。また同モデルのボディカラーには、カーボンファイバーの質感を残したブラックにVerde Scandal、Grigio Telesto、Grigio Achesoのディテールを組み合わせた配色と、レヴエルトのインテリアにインスピレーションを得た専用シートを採用することでさらに個性的なモデルとなった。
さらにボディワークとその他のコンポーネントは、ヒートシールド、ヒールガード、フロントおよびリアのマッドガードなどを含め、すべてランボルギーニのスーパースポーツカーと同じ織りのカーボンファイバー製で、協業における細部までのこだわりが改めて感じられる。バイクのセンタ一部分ではシンメトリーに織り目が交差し、非常に精密な職人技で仕上げた美しいヘリンボーン模様を見ることができる。
このパニガーレV4 ランボルギーニは、カーボン製エンドキャップ付き、認証チタニウム製アクラボビッチサイレンサーを備え、専用のキャリブレーション設定のエンジンと共に最高出力218.5馬力を実現している。カーボンファイバー部品を多用し、このサイレンサーを採用したことでバイクの重量は、パニガーレV4Sから約2kg軽い185kgまで抑えられ、パワーウェイトレシオは1.15から1.18HP/Kgに上がり、同ファミリーの中でも最も強力かつ軽量モデルとなっている。
そのスペックは、ビレットアルミニウム製のドライクラッチとアジャスタブル・フットレスト、ブレーキおよびクラッチレバー、カウンターウェイトにより、さらに充実したものとなっている。また、サーキット走行の際に使用可能なビレットアルミニウム製のレーシング・タンクキャップ、ブレーキ・キャリパーコンベア、カーボンファイバー製オープン・クラッチカバー、ナンバープレート・ホルダー取り外しキットも標準装備となる。
そしてバイクの魅力をさらに高めているのが、デスモセディチ・ストラダーレエンジンのネームプレート、ビレットアルミニウム加工のトリプルクランプ、キーオン時のダッシュボードアニメーション(モデル名とシリアルナンバー)表示となる。また同じシリアルナンバーが、イグニッションキーのアルミニウム製バッジにもレーザー刻印されている。
さらに同モデルには、本体のカラーリングに合わせて個別にご用意する特別ボックスに真正証明書と専用のバイクカバーが付属する。また、バイクのカラーリングに合わせた専用リアスタンド付きで、カスタマイズされた専用木箱に収められての納車となる。
ドゥカティCEOのクラウディオ・ドメニカーリ氏は、以下のように語っている。
「パニガーレV4 ランボルギーニにより、イタリアのモーターバレーを代表する2社のパートナーシップはさらに充実しました。イタリアンエクセレンス、躍動感、パフォーマンス、そして常に異彩を放つ独自のデザインという、私たちを突き動かす価値観を改めて認識し、強めることになりました。私たちはランボルギーニのレヴエルトからインスピレーションを受け、そこから2社を代表する最もエクスクルーシブなモデルを結びつけることができました。この選択は最高にエキサイティングな走りをオンロードで実現できる、際立って美しい唯一無二のコレクターズアイテムを愛好家たちに提供するという、私たちの変わらぬ願いを改めて示すものです」
ドゥカティ パニガーレV4 ランボルギーニは、サンタアガタ・ボロネーゼを拠点とするランボルギーニの革新的なスーパースポーツカーにインスピレーションを得ていますが、受け継いでいるのはエクストリームスポーツ的なパフォーマンスと特別感だけではない。アイコニックなカラーリング、鍛造ホイール、ルーフとエンジンフード、スポイラーなどのカーボンファイバー製コンポーネントといったスタイル要素も取り込んでいる。
同モデルは、Grigio TelestoとNero Noctis2色のカラーリングに Verde Scandalでアクセントを付けたエクステリアが目を引く、独自のコンフィギュレーションで構成されている。Verde Scandalは、ブレーキキャリパーや、Nero Noctisに縁取られたフロントフードからリアに向かって流れるラインにも使用され、21/22インチAltaneroシャイニーブラックのホイールが側面からの外に力強さを与えている。Ad Personamによるさらなるカスタマイズ要素には、下部のカーボンファイバー部分のカラーリングとリアカーボンウィングに延びるアクセントのVerde Scandalと、同色で縁取った、一部限定モデルのみに限られる「63」のロゴが用意される。
さらにレヴエルトのインテリアにも、細部までのこだわりとカスタマイズが反映されている。フルカーボンインテリアのパッケージ、単色レザーとCorsa Texのトリムに、Verde Scandalのステッチとプロファイルが加えられている。ヘッドレストとマットの刺繍ロゴにも同じ鮮やかなコントラストカラーが使用される。
特に際立つAd Personamの要素としては、Verde Scandalで「Y」を仕立てた Nero Adeのカスタムシート、ルーフライニングとドアパネルに展開したGrigio OctansとVerde Scandalの六角形の刺繍、同じ緑色の「63」の口ゴ刺繍とレザーハンドルがある。これらの特徴は、レヴエルトのデザインを引き立てると同時に、ボルゴパニガーレ製造のパニガーレV4 ランボルギーニの仕様にも反映される。カスタマイズの仕上げは、インスツルメントパネルの両側に備えた2枚のカーボンファイバープレートで、1枚はAd Personamの口ゴ、もう1枚はドゥカティとのコラボレーションを記念した「Drive Ducati Beyond」となる。
限定生産の630台に加え、ドゥカティではさらにエクスクルーシブな63台の「Speciale Clienti」がランボルギーニのオーナー限定で用意される。ドゥカティのデザインセンターが直接対応するこの限定版では、オーナーが所有するランボルギーニと同じ、または同デザインセンターが提案するカラーコンビネーションを、ドゥカティ パニガーレV4 ランボルギーニSpeciale Clientiに反映することができる。
同モデルは、レヴエルトのオーナーにとってはさらに大きな意味を持つことになるだろう。自身の所有するスーパースポーツカーのカスタマイズをバイクにも展開して完璧なペアを創り、自分の趣味をあらゆるディテールに反映した真に個性的なガレージが実現できる。さらに、Speciale Clientiでは、トリプルクランプのサイドの刻印もカスタマイズ可能となっている。さらにリアスタンドも自身が選んだカラーリングでペイントができ、唯一無二の一台となる。
なおドゥカティ パニガーレV4 ランボルギーニのオーナーは、バイクに合わせて630台の限定版と同じ配色の限定版ヘルメット、ジャケット、レザーライディングスーツも選ぶことができる。これが今回のコラボレーションをさらに特別感あるものとしており、Speciale Clientiのオーナーは、スーツも自分のバイクと同じで揃えることができる。
関連情報:https://www.lamborghini.com/
構成/土屋嘉久