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2023.09.30

最高出力は1030PS、0-100km/h加速は2.3秒!フェラーリが公道走行が可能なスペシャルシリーズ「SF90 XX Stradale」を公開

パワートレイン

SF9O XX Stradaleは、SF90 StradaleとSF90 Spiderの特徴であるPHEVレイアウトも受け継いでいる。V8内燃エンジンと3基の電気モーターを組み合わせ、2基のモーターはフロント・アクスルに左右独立して搭載し、1基のモーターはリアのエンジンとギアボックスの間に配置されている。

この構成によって、最高出力は1030PSに達し(SF90 Stradaleから30PS増加)、フェラーリ全体の新たなパフォーマンス・ベンチマークとなっている。

内燃エンジン

強大な最高出力797PSを誇るリアミッドシップのV8ターボエンジンが、このアーキテクチャーのパフォーマンス限界をさらに押し上げた。SF90 XX Stradaleに搭載するF154FBエンジンは、SF90 Stradaleのパワーユニットを出発点としているが、その過激さは大幅に高まっている。

吸排気ダクトのポリッシュで効率性を高め、燃焼室への特殊な機械加工と新ピストンによって圧縮比を引き上げた。また、二次空気導入装置を排除して、従来型からエンジン重量を3.5kg 削減している。

エンジン・サウンド

SF9O XX Stradaleでは、レースの魂を完璧に凝縮したものとなるよう、エンジン・サウンドが再設計された。いっそう力強い豊かなサウンドを作り出し、V8の全回転域で美しいハーモニーを奏でるよう、ホットチューブ・システムも最適化されている。これが内燃エンジンの脈動をキャビンに伝達し、高周波音を強調して、フェラーリV8の究極の進化を露わにする。

電気モーター

SF9O Stradaleと同様、SF90 XX Stradaleも3基の電気モーターを搭載し、1基はエンジンとギアボックスの間に、2基はフロント・アクスルに位置する。

このモデルでは、最高出力が233PS/171KWに達する。これに貢献しているのが、エクストラ・ブーストを実現する特許取得のビークル・ダイナミクス・ロジックで、跳ね馬のロードカーに初めて採用された。

3基のモーターの動力は高性能リチウムイオン・バッテリーが供給し、フル電動モードでの航続距離は25km 。エンジンの停止中も、フロントのモーターが135km/hの最高速度を保証する。

パワーフローを管理する制御ロジックは、必要に応じて効率性かパフォーマンスのいずれかを優先。ドライバーはステアリング・ホイールにあるeマネッティーノ・セレクターを使い、4種類のパワー・マネージメント・モードから選択できる。

eDriveモードでは、内燃エンジンは停止し、駆動はすべて前輪が担う。Hybridモードでは、バッテリーのエネルギー使用を優先し、フル電動の航続距離が最大化するよう自動で制御。

Performance モードでは内燃エンジンが常に稼働し、最大パワーの発揮よりパフォーマンスの一貫性が優先される。Qualifyingモードでは、システムは最大パワーを解き放ち、パフォーマンスを優先する制御ロジックが新採用のエクストラ・ブースト機能を使用する。

ギアボックス

SF90 Stradaleで初めてフェラーリのラインアップに登場した8速デュアルクラッチ・ギアボックスは、SF9O XX StradaleとSF90 XX Spiderも受け継いでいる。

ただし、変速ロジックは大きく変わった。Ferrari Daytona SP3 で導入された特許取得のロジックを採用し、いっそう魅力的でダイナミックな加速特性を実現。それだけでなく、この新ロジックは変速時のサウンドも向上させる。

ハイパフォーマンス・ドライビングの際に中・高回転域でアクセルを戻すと鳴る、あのオーバーランの音に似たエグゾーストノートを発生させる。

これを実現するため、フェラーリのエンジニアはギアボックスの制御ロジックと連動する特殊なエンジン・キャリブレーションを開発した。SF9O Stradaleのアクチュエーション・シークエンスを再設計し、燃焼室の圧カサイクルを最適化して、アクセルを戻したまさにその瞬間に、変速時の音を可能な限り強調して、ギアがエンゲージできるようにした。

エアロダイナミクス

SF9O XX Stradaleは、フェラーリ史上どのロードカーよりも効率性の高い空カパフォーマンスを誇り、これに迫るのはスーパーカーのLaFerrariのみ。

発生ダウンフォースはSF90 Stradaleの最大値から倍増し、グリップが向上して、フィオラノのラップタイムが明らかに短縮された。これは、マラネッ口が誇る無数のレース経験の賜物であり、発熱コンポーネントと電子機器のための冷却フロー・マネージメントを再設計し、最高出力の増大に応じてエンジン・コンパートメントに手を加えた結果となる。

エアロダイナミクスの観点で最も特徴的な要素は、間違いなくリアの固定ウィングだろう。これは、XXプログラムモデルでの経験を元に開発。計り知れない空力ポテンシャルを持つエレメントであり、フェラーリ・スタイリング・センターとの密接な協力によって、このモデルと自然な調和を見せている。

その形状は効率性を最優先に決められ、ウィングの作り出す圧力場が、シャットオフ・ガーニー周辺で生まれる正圧・負圧の複雑なシステムと相互作用を生むように磨き上げられている。

シャットオフ・ガーニーも再設計され、ダウンフォースと空気抵抗のトレードオフを効率的にマネージメントする。配置は2種類あり、LD (ロー・ドラッグ)では、可動エレメントが持ち上がり、固定セクションと整列して空気抵抗を最小限に抑え、前後方向のパフォーマンスを強化。

対して HD(ハイ・ダウンフォース)では、可動エレメントが下降してブロウン・エリアをふさぎ、気流が固定エリアにぶつかる。こうして生まれた過圧エリアが、リアのダウンフォースを発生させるだけでなく、流れ込む気流を縦方向にそらして、車速250km/hで315kgというリアの最大ダウンフォースに貢献する。

そして冷却の向上はエンジンに恩恵をもたらした。これは、高温冷却サーキット用フロント・ラジエーターの効率性が高まったため。アンダーボディの新レイアウトも、フロントタイヤ前からのラジエーターの排熱を向上させるよう最適化されている。SF90 Stradaleでも見られたフロント・バンパー下部のサイド・ルーバーも再設計され、背圧を抑えるため拡大された。

出力とダウンフォースが共に増大したことで新たな課題も生まれたが、フェラーリのエンジニアは、電子機器の冷却を担う中温ラジエーターのレイアウトを反転させることで対処。

これによって効率性が向上しただけでなく、アンダーボディの一部を取り囲んで、フロント・ダウンフォースの発生に効果を発揮する面積を拡大できた。明らかにレースから派生した設計なので意外ではないが、このアーキテクチャーは最新の296GT3でも採用されている。

フロント・ラジエーターの傾斜を変更したことで空力係数が向上し、高温の気流がボンネット内部と上部を同時に通過する。この気流を制御し、車体上部へ導くSダクトは、ボンネット中央にある2個のエア・ベントにそれぞれ位置する。

車体後部では、インタークーラー用エア・インテークの前にあるスクープが、ラジエーターに到達する気流の拡大を整え、減速させる。走行中、エンジン・コンパートメントへの冷却エアはる箇所の開口部から取り込まれる。1個はサイドにあるインタークーラー用インテークの上方に、2個目はエンジン・カバー上を横切る位置にあり、3個目として固定スポイラーの支柱の横にダクトがある。

このモデルではフロント・スプリッターも特殊。SF9O Stradaleより大きく、風洞で緻密な開発作業が行われた。ここから非常に強力な管状の気流が車体の下に発生し、再設計されたアンダーボディで活用される。

フロント・ディフューザーはサイズと幅が拡大され、同じく再設計されたボルテックス・ジェネレーターとの相乗効果によって、発生ダウンフォースが車速250km/hで45kg以上増加した。アンダーボディで発生したダウンフォースは、特殊な形状のボディワーク表面によって安定し、増幅される。

先に触れたように、2個のSダクトだけで、フロントのダウンフォースはSF90 Stradaleから20%増加した。これに重要な役割を果たしたのがフロントのホイールアーチに導入されたルーバー。

このルーバーによって、フロントのタイヤハウスから空気を力強く抜き出すことが可能となった。全体では、最高速度域で325kgにおよぶフロント・ダウンフォースを発生する。

空気抵抗の増加に対しては、ボディのCd値に最大の効果をもたらす部分を開発することで対処した。フロント・バンパーには2種類のブロウン・ダクトが組み込まれ、これが過剰な圧力を抑えて、ボディワーク内部への通過性を向上させている。

1組目のダクトはフロント・ラジエーターの高さに位置して小さな泡を作り出し、これがフロントタイヤを包むシールドとなって、効率性を高める。2組目のダクトは、勢いを増した気流を直接フロント・ボンネット上へ送って、ボンネットとサイドボディの空気の流れを促進すると共に、サイドのラジエーターに入る管状の気流を常に整える。

タイヤハウス後部からの空気の排出は、ダウンフォースの発生にもドラッグの低減にもメリットをもたらした。タイヤから出た気流は、ボディ表面の形状によって適切に整えられる。

リア・ディフューザーも、重要な真献を果たすよう、さらに開発が施され、極めて効率的にダウンフォースを発生する。また、拡張部の未端を注意深くデザインすることで、車体後部の気流をコンパクトに抑えている。

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