マセラティは、2022年に限定発売し、人気を博した「ギブリ」と「レヴァンテ」の“ネロ インフィニート”シリーズを受け継いだ、日本特別限定車「グレカーレ トロフェオ “ネロ インフィニート”」を発売した。なお、この日本人が古来より親しんできた「黒」の魅力を追求した「グレカーレ トロフェオ “ネロ インフィニート”」は、10台限定の販売となる。
「Nero Infinito(ネロ インフィニート)」とは、イタリア語で「どこまでも黒い漆黒」を意味し、その深遠な色合いは、上品さや高級感、重厚感を湛え、控えめでありながら確かな存在感を放つ。日本においても「黒」は、古くから伝統工芸や建築において重要な役割を担ってきた。例えば、日本の漆器や墨、黒漆塗りの家具など、職人の卓越した技によって生み出される「黒」は、奥行きのある美しさを持つ。また、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』が示すように、日本人は光と影の対比を巧みに活かし、黒を単なる色ではなく、空間や余白の美学として捉えてきた。
さらに、世界的に評価される日本のファッションデザイナーたちのコレクションにおいても、「黒」は象徴的な存在となっている。世界で活躍する著名デザイナーを思い浮かべても、黒を基調としたデザインを通じて、日本独自の美意識とモダンな洗練を世界に発信してきた。その影響は、ライフスタイルやプロダクトデザインにまで広がり、「黒」は時代を超えて愛され続けている色。
今回登場する「グレカーレ トロフェオ “ネロ インフィニート”」は、マセラティの顧客に選ばれることの多い「黒」へのこだわりを追求したモデルとなる。2022年に初めて“ネロ インフィニート”シリーズとして登場し好評を得た「ギブリ」と「レヴァンテ」に次ぎ、「グレカーレ」最上位トリムである「グレカーレ トロフェオ」で限定登場した。
「グレカーレ トロフェオ “ネロ インフィニート”」のエクステリアには、日本で最も人気の高いネロ テンペスタを採用。その深みのある黒に合わせ、フォーリセリエの21インチ マットブラックホイールとブラックキャリパーを組み合わせることで、精悍で統一感のある佇まいを演出している。
一方インテリアは、黒を基調としながらも、フォーリセリエの深紅のプレミアムレザーを組み合わせ、力強く燃え上がるようなコントラストを創出。漆黒の外装と相まって、洗練されたエレガンスとダイナミックな情熱を同時に感じさせる仕上がりとなっている。この「グレカーレ トロフェオ “ネロ インフィニート”」は、黒が持つタイムレスな魅力を体現し、イタリアンラグジュアリーとパフォーマンスが融合した唯一無二の存在となる。
関連情報:https://www.maserati.com/jp/ja/models/grecale
構成/土屋嘉久