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2025.07.20

伝説の〝スピード シックス〟から着想を得たベントレーの次世代コンセプトカー「EXP15」

ベントレーは、2025年7月8日(現地時間)、新設のデザインスタジオにて最新のラグジュアリービジョンコンセプト「EXP15」を公開した。このEXP15は、ベントレーが思い描く未来のデザインビジョンを具現化したモデル。そのスタイリングは、20世紀初頭のグランドツアラーにインスパイアされ、それを21世紀にふさわしい形で再解釈している。

全長5メートルとなる今回のモデルのエクステリアは、直立した象徴的なグリル、ロングノーズのボンネット、後方に配置されたキャビンというクラシックなプロポーションを採用している。これは、1930年製のベントレー「スピード シックス ガーニー ナッティング スポーツマン クーペ」のオマージュであり、「ブルートレイン レース」で知られる逸話とも深く結びついている。このレースでは、当時のベントレー会長でありベントレーボーイズの一員でもあったウルフ・バーナート氏が、南仏カンヌを出発した高級列車「ル トラン ブルー」よりも先にロンドンに到着したという壮大な記録を打ち立てた。

EXP15は、現代的なエクステリアサーフェス処理、先進的なライティングディテール、アクティブエアロパーツなどを組み合わせることで、2025年におけるベントレーのコンセプトカーとして、過去と未来のクラフツマンシップの美学を巧みに融合させている。

このコンセプトカーは、販売を目的としたモデルではないが、ブランド初となる完全電動自動車へと向かうデザインの進化を示す重要なステップとなる。

そしてキャビンにおいても、先進的なデザインアプローチが貫かれている。設計には仮想現実(VR)ソフトウェアが用いられ、多様な構成や仕上がりを視覚的・体験的に確認できるようになっている。この手法により、ラグジュアリーなシートや翼のような造形のダッシュボード、ステアリングホイール、各種スイッチやダイヤルといった物理的なインテリア要素に加え、運転者の気分や目的に応じて自然に現れたり静かに背景へと溶け込んだりするデジタル要素が、空間全体と滑らかに調和し、魅惑的でインテリジェントな空間を創出している。

また設計において特筆すべきは、従来の4シート・5シート、4ドア・5ドア構成とは一線を画す、3シート・3ドアというユニークなパッケージング。この独自のレイアウトは、選ばれたユーザーに特別なドライビング体験を提供するだけでなく、荷物やペットのために設計された、工夫を凝らした収納スペースを車内に組み込み、快適性と機能性を両立している。さらに、リアのブートスペース(トランク)は、停車時にピクニックシートとして活用できる設計となっており、移動とレジャーをひとつの体験として楽しむことが可能となっている。

インテリアにおける素材選定にも、ベントレーならではの美意識が反映されており、伝統やクラフツマンシップ、サステナブルを大切にしながらも、未来的で先進的であることを追求している。例えば、250年以上の歴史を持ち、有刺植物を防ぐ布の発明でも知られる英国フォックス・ブラザーズ社による100%ウールのファブリックが、インテリアにダムソン オンブレ(濃淡グラデーション)効果をもたらし、軽量な3Dプリント製チタンパーツと美しく調和している。車内空間は、操作性、快適性、そして感情に響くディテールまでが、繊細に調和していおり、移動するだけの空間ではなく、乗員一人ひとりの感情や感覚に寄り添う体験が、このEXP15には備わっている。

関連情報:https://www.bentleymotors.jp/

構成/土屋嘉久

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